
実業家でタレントの宮崎麗果さん(38)が2026年8月14日、夫で元EXILEの黒木啓司氏(46)からDVを受けていたとInstagramで告白した。1月末に断続的に首を絞められ、身体を切りつけられるなどの暴力を受けたといい、裁判所の保護命令後も、ある2日間だけで電話やメッセージが約450件に及んだと説明している。
黒木氏については、宮崎さんに対する保護命令に違反した疑いで7月28日に逮捕されたと報じられていた。宮崎さんは、数回の連絡だけで逮捕に至ったとの受け止めや、税務問題を発端とする一度限りの暴力だったとの情報を否定。逮捕報道から1週間後、自ら経緯を公表した。
宮崎麗果「数年前から暴力が続いていた」
スポニチアネックスなどによると、宮崎さんは、1月末に黒木氏から断続的に首を絞められ、身体を切りつけられたと説明した。税務問題をめぐる口論のなかで衝動的に起きたとする一部報道に対しては、家庭内の暴力は数年前から続き、1月に至るまで激しくなっていたと主張している。
宮崎さんは当初、夫婦関係を終わらせようとは考えておらず、カウンセリングや関係機関への相談を通じて改善を模索していたという。黒木氏からも改善の意思を示され、周囲の協力を受けながら家族として暮らす道を探したとしている。
しかし、1月末の出来事を受け、以前と同じ関係へ戻ることは難しいと判断した。それでも直ちに被害届は出さず、黒木氏が治療やカウンセリングを受けることを望んだという。自身と子どもたちの安全を確保するため、裁判所へ保護命令を申し立てたと説明した。
女性セブンプラスは8月7日、裁判所が2月に保護命令を出し、黒木氏が7月28日に命令違反の疑いで逮捕されたと報じている。8月15日時点で、DVに関する宮崎さんの主張への黒木氏本人の詳しい説明は確認されていない。
保護命令後も接触続く「2日間で約450件」
宮崎さんは、逮捕が数回の連絡だけを理由としたものではないと強調した。保護命令後も接触が続き、ある2日間には電話やメッセージなどが約450件に達したという。自分だけでは対応できないと判断して警察へ相談し、その後は捜査機関と司法機関に委ねたとしている。
黒木氏が7月18日のInstagramで明かした仕事や金銭をめぐる主張にも反論した。黒木氏が約1500万円の借金を抱えているとした金銭は、宮崎さんが不当に負わせたものではなく、会社設立時に正式な手続きを経て調達した事業融資だと説明している。
会社から一方的に排除した事実もなく、取締役の退任は黒木氏本人の意思だったと主張。宮崎県内の農園についても、別居後に黒木氏の家族による事業継続を提案したが、本人が希望しなかったため終了したとしている。夫婦の対立は、DVや子どもとの面会だけでなく、会社経営や借入金をめぐる双方の言い分にも及んでいる。
電話等禁止命令は2008年から、2024年改正でSNSまで拡充
DV防止法に基づく保護命令には、被害者へのつきまといや住居、勤務先付近の徘徊を禁じる接近禁止命令のほか、面会要求や連続した電話などを禁じる電話等禁止命令がある。電話等禁止命令は、被害者の申立てにより、接近禁止命令と同時または発令後に出される。
連続した電話や電子メールなどを禁じる制度自体は、2008年施行の改正で導入されていた。2024年4月施行の改正DV防止法では、緊急時以外の連続した文書の送付やSNS送信、午後10時から午前6時までのSNS送信、性的羞恥心を害する電磁的記録の送信、GPSを使った無断の位置情報取得などが新たに加わった。
内閣府は「連続して」とは短時間や短期間に何度も連絡することを指し、連絡手段、回数、間隔などを基に個別の事案ごとに判断すると説明している。宮崎さんが明かした2日間で約450件という接触回数は、こうした判断要素と重なる。
ただし、黒木氏に出された命令の全文や、約450件の連絡の内訳と内容は公表されていない。個々の行為が命令違反に当たるかは、証拠に基づいて刑事手続のなかで判断される。
2024年改正では接近禁止命令の期間も6か月から1年へ延長された。保護命令違反の罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金から、2年以下の懲役または200万円以下の罰金へ引き上げられた。拘禁刑が導入された2025年6月以降は、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金とされている。
DV相談は年間12万件超、2025年の保護命令発令は1059件
内閣府男女共同参画局が2026年5月に公表した資料によると、2024年度に全国の配偶者暴力相談支援センターへ寄せられた相談は12万7796件だった。「DV相談+」にも4万5858件の相談が寄せられている。いずれも被害者の人数ではなく、各窓口が受けた相談件数である。
2025年に終局した配偶者暴力に関する保護命令事件は速報値で1411件。このうち1059件で保護命令が発令された。内閣府の調査では、配偶者から暴力を受けた経験がある人の44.2%が、被害について誰にも相談していなかった。
宮崎さんが説明した経緯は、関係機関への相談、裁判所への申立て、保護命令の発令、命令後の接触を受けた警察への相談という流れをたどっている。相談窓口だけでは安全を確保できない場合に、裁判所と捜査機関が介入する制度が実際に使われた事例でもある。
脱税事件とDV被害は別の法的問題
宮崎さんは、法人税や消費税など約1億5700万円を脱税したとして、7月15日に東京地裁から懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。宮崎さんは今回の声明でも、税務に関する自身の責任を受け止める一方、税務事件と家庭内で続いていた暴力は別の問題だとした。
黒木氏の逮捕報道後には、宮崎さんの脱税事件を理由に黒木氏へ同情する意見も広がっていた。宮崎さんの説明は、暴力が税務事件をめぐる一度の口論で始まったのではなく、数年前から続いていたとの主張を示すものとなった。
DVや家庭内の暴力に関する相談は、内閣府の「DV相談+」が0120-279-889で24時間受け付けている。チャット相談は毎日正午から午後10時まで利用できる。全国共通ダイヤル「#8008」では、最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながる。



