
大手美容医療「湘南美容クリニック」を展開するSBCメディカルグループの元経営戦略本部長・三村大介容疑者(50)が、架空の業務を発注して会社に約1300万円の損害を与えたとして、警視庁に背任の疑いで逮捕された。事件は、逮捕容疑となった約1300万円だけでは終わらない。警視庁は、三村容疑者が同様の手口を繰り返し、総額で約3億円を受け取ったとみて捜査。SBCメディカルグループからは、合わせて6億円近くが流出したとみられている。
湘南美容クリニック元本部長を背任容疑で逮捕
逮捕されたのは、SBCメディカルグループの元経営戦略本部長・三村大介容疑者。警視庁によると、三村容疑者は2021年から2023年にかけて、東京都港区のイベント企画会社の社長と共謀し、実際には存在しないサイバーセキュリティー業務を発注した疑いが持たれている。この架空発注によって、会社には約1300万円の損害が生じたとされる。さらに、三村容疑者は架空の業務を発注する見返りとして、支払われた金額の約7割を受け取っていたとみられている。つまり、会社から外部の業者へ支払われた金が、そのまま業務の対価として消えたわけではなかった。架空の仕事を発注し、そこから金を戻す。警視庁がみているのは、こうした資金の流れだ。
1300万円だけではなかった 3億円キックバックか
今回の逮捕容疑は約1300万円だが、警視庁は三村容疑者が同様の手口を他の業者との取引でも繰り返していたとみている。その規模は、逮捕容疑の金額とは大きく違う。警視庁は、三村容疑者がこれまでに総額で約3億円を受け取ったとみて捜査している。さらに、SBCメディカルグループからは、関連する取引を含めて6億円近くが流出したとみられている。1300万円の架空発注をめぐる事件として始まった捜査が、複数の取引を含む巨額の資金流出へと広がっている格好だ。SBCメディカルグループは、美容医療だけでなく、皮膚科、整形外科、不妊治療、婦人科、歯科、AGA、眼科など幅広い医療分野で国内外の医療機関を支援する企業グループ。2024年9月には米NASDAQ市場への上場も果たしている。
3億円のキックバックを何に使った?
では、巨額のキックバックとみられる金は、どこへ消えたのか。警視庁は、三村容疑者が受け取った金を高級外車の購入や、会員制ラウンジの利用代などに使ったとみて調べている。会社の業務を装って外部へ流した金が、個人の高額な消費に使われていたとすれば、資金の流れそのものが事件の重要なポイントになる。もっとも、現時点では捜査段階であり、三村容疑者が逮捕容疑についてどのような説明をしているのかなど、詳しい経緯については今後の捜査を待つ必要がある。
SBCメディカルグループ「捜査に全面的に協力」
今回の事件を受け、SBCメディカルグループは、「当社は引き続き、捜査に全面的に協力してまいります」とコメントしている。美容医療を手がける大手グループの中枢にいた人物をめぐり、浮上した架空発注とキックバック疑惑。逮捕容疑は約1300万円だが、警視庁が調べている資金の規模は約3億円のキックバック、そして6億円近くの流出にまで及んでいる。警視庁は、他の架空発注についても調べるとともに、資金の流れや関係者の関与について捜査を進めている。
※本記事は2026年9月29日時点の報道をもとに構成しています。



