「製造業専門」Webマーケティング事業を展開するテクノポート株式会社。「Webマーケティングが、不安と戦う中小製造業を救う」と話す同社代表取締役の徳山正康さんは、Web戦略作りから制作、公開後のコンサルティングまで一貫して手掛け、「ほとんど解約がない」という程の顧客からの信頼を獲得していると言います。今回は、徳山さんから製造業にかける情熱の源と、その想いをサポートしてくれるステークホルダーたちについて伺いました。
製造業専門のWebマーケティング事業を展開する理由
-まず御社の事業内容からお伺いします。
徳山:弊社は製造業専門のWebマーケティングを事業としており、Web戦略作りから制作、そして公開後のコンサルティングまで一貫して行っています。
-単刀直入にお尋ねしますが、御社が製造業に特化したのはなぜでしょうか?
徳山:日本の製造業は世界でも稀有な技術の宝庫ですが、特定企業との取引に過度に依存してきたこともあり、積極的に外部に向けて情報を発信する必然性がなく、機会を逸してきたように思います。そこで、今まで製造業が手薄になっていた営業やマーケティング活動を弊社がサポートすることで、販路を拡大し、業績を大きく伸ばすことができる。技術を世界に広めていくお手伝いにもなるので、社会的意義が高い事業だと感じています。
マーケティング的な視点から見ると製造業界は非常にポテンシャルのある業界です。何より支援することに面白みがある。私もそういうところで勝負したいという想いがありました。そのため、Web戦略作りから制作、そして公開後のコンサルティングまで一貫して実施して経営課題の解決に直結する取り組みを行っています。
-御社のWebサイトには「製造業が抱えるあらゆる経営課題の解決に挑む」と掲げられています。その解決手段としてWebマーケティングがあると。
徳山:その通りです。製造業に携わる中小企業の多くが、その経営の大部分を特定の取引先の売上に依存しています。そこに危惧を感じたのがきっかけです。「日本はモノづくりの国」と言われますが、実際に現場でモノづくりに取り組んでいるのは大企業の下請けとして日々頑張っている中小企業です。しかし多くの中小企業は特定の取引先の売上に依存しているため、リーマン・ショックや東日本大震災、新型コロナウィルスの流行など外部環境の変化によって川上にいる大企業の業績が下がると、大きな影響を受けてしまう。主要取引先からの仕事が減るとすぐに経営が成り立たなくなってしまうのが弱点なのです。
マーケティングとITサポートで、カユイところに手が届く支援を
-ITに不慣れな中小製造業者さんもいらっしゃると思いますが、具体的にどのようなサポートをされるのですか?
徳山:弊社は中小企業だけを対象にしているわけではないのですが、大企業の場合、Webマーケティング部門を内製化しているところが多いので、結果的にサポートを必要とする中小製造業の顧客が多くなっています。そのようなお客様は、確かにITリテラシーがまだ低い場合もあり、「メールの設定が分からない」「社内で使える良いITツールを知らないか」といった相談にも応じています。マーケティングだけでなく痒い所に手が届くアドバイスをして信頼関係を深めるように努めています。
製造業を知り尽くしているからこそ成功法則が見える
-起業後の11年、様々な中小の製造業者を支援してきた御社の強みとはどういったところでしょうか。
徳山:大きく2つあります。
1つめは、一般的なWebマーケティングの会社と比べて大きく違う点として、顧客の強みを分析し、ターゲットを明確化するところからお手伝いができる点です。今まで自社で営業やマーケティングをされてこなかった製造業の場合、自社の強み・ターゲットを明確にしきれていないケースが多々あります。その状態でBtoC領域が得意なWebマーケティング会社に業務を委託してしまうと、発注する側も、受注する側もどのようなWebサイトの制作をすべきか試行錯誤せざるを得ず、成果につながらずに失敗する確率が高いのです。
一方、私たちは、何より製造業をよく知っていますので、そのようなことはありません。普段から製造業に接していない会社では、製造業の特性やBtoBの勘所が分からないでしょうし、細分化された業界の商習慣、専門用語も理解するまでに時間がかかるでしょう。前述したように、マーケティングで重要な「ターゲットを明確化する」こともできないと思います。私たちならそこに対する知見を蓄積していますので、再現性高く成果を創出することができる。それが私たちの2つめの大きな強みです。
1,000社を超える製造業支援で培った知見、解約率の低さは圧倒的な信頼の証
-徳山代表が中小の製造業者に注目されたきっかけは何かあったのでしょうか。
徳山:私はITソリューションを様々な業種の企業に提供する会社で社会人としてスタートしました。そこで製造業のお客様を対象にした部門の立ち上げから携わったので、製造業界に触れることになった。その時、工場の検索エンジンを運営されている株式会社NCネットワークさんと事業提携していたのですが、株式会社NCネットワークさんが中小企業を多く支援していたこともあり、中小製造業が置かれている状況を実感できたこともあります。
-それ以来ずっと中小の製造業者と関係を深めてきたから、顧客からの信頼も篤いということですね。
徳山:弊社が創業して以来、1,000社を超えるお客様と取引していますが、コンサルティング契約をご導入いただいたお客様は解約がほとんど無いことは誇りです。信頼関係を密に築き、強いパートナーシップを結んできたからだと思います。
また中小企業さんの場合、窓口が直接社長だったり、会社のIT部門を任されているのが社長の息子や後継者ということも多い。そういう人たちと共に仕事ができることは私たちのモチベーションになりますし、やりがいがありますね。