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「死んだ本人しかNHKを解約できない?」X騒然 調べて分かった“意外な仕組み”

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NHK
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「母が亡くなったのでNHKを解約したい」と電話したら、「ご本人でなければ解約できません」と言われた――。そんなX投稿が拡散し、「亡くなった本人がどうやって解約するの?」と波紋が広がっている。

結論、遺族でも解約できる。ただし、親が亡くなれば自動的に契約終了、という仕組みではない。今回の騒動を追うと、「誰が亡くなったか」だけでは決まらないNHK受信契約の分かりにくさが見えてくる。

 

結論、亡くなった本人でなくても解約できる

一人暮らしの親が亡くなり、その家に誰も住まなくなる。この場合、遺族からNHKへ連絡して受信契約を解約できる。

NHK公式サイトにも「亡くなった親族の振込用紙(払込票)が届く」という質問が掲載され、住居に誰も住まなくなる場合は解約対象になると案内している。つまり「契約者本人が亡くなったら、本人以外は解約できない」というルールではない。

今回報じられた電話で、なぜ「本人でなければ」と案内されたのかは分かっていないが、SNSには「母が亡くなった際は解約できた」という体験談もある。今回のケースでまず押さえるべきなのは「遺族でも解約できる」という事実だ。

 

親が亡くなっても「自動解約」にはならない

一人暮らしの母親が亡くなり、実家が空き家になるなら解約対象になる。一方、父親名義で契約していた家庭で父親が亡くなっても、母親が同じ家で暮らし、テレビなどを利用していれば受信契約は続く。違いは「誰が亡くなったか」ではなく、「その世帯で受信契約が必要な状態が続いているか」だ。

そのためNHKは、契約者の死亡だけを理由に一律で契約を終了させていない。家族が住み続けるのか、住居が無人になるのかによって、その後の手続きが変わる。死亡と解約が直結していないことが、今回の話を分かりにくくしている。

 

なぜこんな仕組み? 一般的なサブスクとは違う

Netflixなどの動画配信サービスなら、「Aさんが契約している」という感覚が強い。本人が利用をやめれば契約を終了するというイメージも持ちやすい。一方、NHKの受信契約は放送法に基づき、受信規約では「世帯」についての契約単位も定められている。テレビなどの受信設備やNHKの配信を受信する状態がなくなった場合などに解約対象となる。

ここで遺族の感覚とのズレが生まれる。母親の名前で契約し、母親宛てに払込票が届いていれば、家族には「母の契約」に見える。当然、母親が亡くなれば「母の契約を終わらせたい」と考える。ところが解約では、その人が亡くなったことだけでなく、その家に誰が住むのか、受信契約が必要な状態が残っているのかまで関係する。「人の契約」に見えるのに、終わらせるときは「世帯の状態」も問われる。ここがNHK受信契約を分かりにくくしている。

 

死亡届を出しても、NHKには別に連絡が必要

役所に死亡届を出しても、NHKの受信契約は自動的に解約されない。NHKの受信規約では、受信契約が必要なくなった場合、その理由などを届け出て、NHKが事実を確認した上で解約する仕組みになっている。一人暮らしの親が亡くなって家が空き家になった場合も、遺族からNHKへの連絡が必要だ。

行政が「Aさんが亡くなった」と把握しても、その家に配偶者が残っているのか、家自体が空くのかまではNHKの解約条件として確定しない。そのため死亡情報だけで一律に解約する仕組みにはなっていないのだ。その結果、本人が亡くなった後も契約が残り、故人宛てに払込票が届くことがある。NHK公式サイトに「亡くなった親族の振込用紙が届く」というFAQが用意されているのも、この仕組みがあるためだ。

 

遺族が知りたいのは「結局、何をすればいい?」

制度として理由があっても、親を亡くした家族の立場では話が違って見える。葬儀が終われば、役所、年金、健康保険、銀行、保険、携帯電話、電気、ガスなど、さまざまな手続きが待っている。その中でNHKについても「死亡しただけでは終わらない」「空き家になるかどうかで扱いが変わる」と理解し、自分から連絡しなければならない。

死亡に伴う解約について、NHK公式サイトはふれあいセンターへの連絡を案内している。解約ページでは、解約理由などを確認した後、確認書を送付し、利用者が返送してNHKが内容を確認する流れも示されている。ただ、遺族が本当に知りたいのは「親が亡くなった。何をすればいい?」という一点だろう。その答えにたどり着くために制度を理解する必要があるなら、手続きは実際以上に難しく感じられる。

 

なぜ「本人でなければ」がここまで炎上したのか

今回の投稿が強く反発された理由も分かりやすい。NHKの公式ルールでは遺族でも解約できる。ところが実際に問い合わせた人から「本人でなければ解約できないと言われた」という体験談が出てきた。しかも、その本人は亡くなっている。「じゃあ、どうしろというのか」という矛盾が一瞬で伝わるため、SNSでは拡散しやすい。

一方、受信契約の仕組みを調べると、死亡しただけでは終わらず、住居や世帯の状況を確認する理由も見えてくる。問題は、そうした事情を遺族側が理解しなければ手続きを進めにくいことだ。NHK自身も受信規約改定時の資料で、解約方法を具体的かつ分かりやすく周知し、一部についてインターネット受付を検討するなど利便性を高める考えを示している。今回の騒動は、まさにその「分かりやすさ」が問われたケースともいえる。

 

「契約者が亡くなった方はこちら」で済むのでは

死亡時の対応だけを抜き出せば、それほど複雑ではない。親が亡くなり、その家に誰も住まなくなるなら解約。家族がそのまま住み、テレビなどを利用するなら受信契約は続く。まずこの二つを示せばいい。「契約者が亡くなった方はこちら」という入口を用意し、「今後、この住居に誰か住みますか?」と尋ね、答えによって解約か契約継続の手続きへ案内する。利用者側から見れば、その方が分かりやすい。

NHKの解約には、受信契約という制度上の事情がある。だからといって、その仕組みまで遺族が理解してから問い合わせる必要はないはずだ。「亡くなった本人しか解約できないの?」という今回の疑問への答えは、遺族でも解約できる。それなのに真逆に受け取れる案内が出てしまった。高齢化が進めば、親の契約を子どもが整理する場面はさらに増える。問われているのは解約できるかどうかだけではなく、家族を亡くした人が迷わず解約までたどり着ける仕組みになっているかだ。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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