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株式会社エナ・デザインコンサルタント

https://ena-dc.jp/

東京都台東区上野3-1-2

「設計料は費用ではなく投資」——エナ・デザインコンサルタントが、設計の価値と技術者の働き方に向き合う理由

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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エナ・デザインコンサルタント

設計図を納めることが、仕事のゴールではない。エナ・デザインコンサルタントが見据えるのは、その先にあるお施主様の「事業成功」だ。構造と設備の専門家を社内にそろえ、「経済設計」で工事費まで含めた価値を追う一方、約5年前には全社員50名中26名が離職する危機も経験した。そこから基本理念の最優先を「社員とその家族」へと改めた同社は、設計の価値と技術者の働き方をどうつなげようとしているのか。その歩みを追う。

 

「設計料は費用ではなく投資」。工事費まで見据える「経済設計」

「設計料は費用ではなく投資である」。エナ・デザインコンサルタントが掲げるこの言葉には、設計という仕事をどこまで捉えるかという同社の考え方が表れている。

一都三県の新築マンションを中心に、構造・設備設計、現場監理、コンサルティングを手がける同社が重視するのは、図面を納めることそのものではない。安全性を高い次元で確保しながら、物理法則に誠実に向き合い、無駄な資材を徹底的に削ぎ落としていく「経済設計」によって、工事費まで含めて建物にかかるコストを考えている。

設計料だけを比べれば、他社より高くなることもあるという。それでも、性能を確保しながら工事費を数千万~数億円抑えられれば、設計にかけた費用を上回る価値をお施主様に返すことができる。同社が「10倍以上の費用対効果」と表現するのも、設計を単なるコストではなく、お施主様の事業成功につながる投資として捉えているからだ。

その考え方を実務で支えているのが、構造と設備を一社で担う体制である。構造・設備の専門エンジニアがそれぞれ15名以上在籍し、設計から現場監理、コンサルティングまでを社内で一貫して進める。「構造と設備が一緒にいてくれて本当に助かる」という顧客の声も、そうした体制の利点を端的に示している。

構造と設備、それぞれの専門性を持ち寄りながら、最後に見るのは一枚の図面ではなく、その建物をつくるお施主様の事業である。エナ・デザインコンサルタントの「経済設計」は、そこまでを設計の仕事として考える姿勢から生まれている。

50人中26人が離職。会社の前提を見直した転機

 

顧客の事業まで見据えた設計を追求してきた一方で、そのサービスを支える社員との関係では、大きな失敗も経験している。

約5年前、売上を追いすぎた結果、当時50名いた社員のうち26名が離職した。半数を超える社員が会社を去る、同社にとって「壊滅的な崩壊危機」だった。

この出来事をきっかけに、会社のあり方そのものを見直すことになる。「自己犠牲の上のサービスはまやかしだ」。そう猛省し、基本理念の最優先を「社員とその家族」へと書き換えた。

社員を最優先に掲げる以上、それを理念だけで終わらせるわけにはいかない。そこで、「失敗を恐れず挑戦していい。法的責任は会社が100%保障する」という考えのもと、安心して挑戦できる環境づくりを進めるとともに、単価向上や適切な報酬制度にも取り組んできた。

その姿勢を象徴するのが「ナイストライ!」という言葉だ。うまくいった結果だけではなく、まず挑戦したことを笑顔で称え合う。そうした文化を少しずつ育てながら、社員幸福のための環境を整えてきたという。

現在、同社が大切にしているのは「技術力×人間力」である。高い技術を提供することはもちろん、その技術を担う人が安心して働き、挑戦を続けられる環境もつくる。約5年前の経験は、会社が何を大切にして成長していくのかを改めて考える、大きな転機となった。

「設計者の社会的地位を向上させたい」。創業の原点にある危機感

エナ・デザインコンサルタント

もっとも、技術者が働く環境への問題意識は、大量離職を経験して初めて生まれたものではない。創業の原点にも、「設計者の社会的地位を向上させたい」という思いがある。

その出発点には、美容師から20代半ばで建築業界へ飛び込んだ経験がある。そこで感じたのが、技術者が夢を語れない現実への強い憤りだったという。

同社は、日本の設計事務所の90%が10人以下の零細組織で、一級建築士のなかでも構造はわずか4%、設備は1%しかいないともいわれているとする。さらに、少子高齢化や多重下請け構造のなかで、末端にいる技術者ほど過酷な労働と薄給に追われ、疲弊して夢を諦めてしまうことを課題として捉えてきた。

「エンジニアが笑顔でなければ、日常の安全という当たり前は守れない」。

災害の多い日本で、人々の日常を支える技術者が夢を持って働ける環境をつくりたい。その思いを原動力に、技術力と人間力を兼ね備えたリーディングカンパニーを目指して2010年に創業した。

創業時から抱えてきた技術者への問題意識に加え、約5年前の大量離職を経て、同社は「社員とその家族」を最優先する組織づくりを進めてきた。そして現在、その先に見据えているのが、技術者の価値そのものをさらに高めていくことだ。

事業を広げることも、技術者の価値を高めるために

 

エナ・デザインコンサルタントが掲げる長期ビジョンは、「構造・設備エンジニア事務所国内No.1」である。

これまで強みを磨いてきたのは、新築マンションの構造・設備設計だ。現在はその技術をマンションだけにとどめず、倉庫、ホテル、超高層、商業施設へと広げようとしている。すでに大手設計事務所や大手ゼネコンから直接オファーも受け始めており、幅広い用途への「全面展開」に向けて技術力を磨いているという。

事業の幅を広げる一方で、設計そのものの進め方も変えていく。その一つが、AIやBIMを活用した次世代設計だ。生産性を高めることで、設計を単なる「図面」ではなく、お施主様により大きな価値を返せる仕事へ変えていこうとしている。

そして、その成長を技術者自身の豊かさにもつなげたいと考えている。

同社が目指すのは、技術者が社会的に正当に評価され、「家族に自慢できる環境」をつくること。その一つの目標として掲げているのが、平均年収750万円である。

マンションで培ってきた技術をより幅広い建物へ展開し、AIやBIMによって生産性を高める。その結果として生み出す価値を、技術者への評価にもつなげていく。会社を成長させることと、「設計者の社会的地位を向上させたい」という創業時からの思いは、同社のなかで別々のものではない。

「一本の線で人命を守る」仕事を、次の世代が憧れる仕事へ

エナ・デザインコンサルタントは、建築設計について「一本の線で人命を守り、何十年先の日常の快適を創り出す、極めてやりがいのある仕事」と表現する。

だからこそ、その仕事を担う技術者自身も、豊かで誇りを持ち、挑戦を続けられる存在であってほしい。同社が目指しているのは、そんな働き方を新しい「当たり前」にすることだ。

その先には、日本の建設産業を「より透明で、付加価値が高く、次世代が本気で憧れる産業」へと再定義し、建築士を再び子どもたちのなりたい職業へ引き戻すという目標もある。

「経済設計」によってお施主様の事業成功に貢献すること。そして、その価値を生み出す技術者が、誇りを持って働ける会社であること。エナ・デザインコンサルタントは、その両方を追い続けている。

顧客から寄せられた言葉のなかに、「業界の未来のためにも、エナは成長し続けてくれ」というものがある。

建物を設計するだけではなく、設計という仕事そのものの価値を高めていく。そして、その仕事に携わる人が胸を張り、いつか次の世代から憧れられる職業にしていく。そこに、エナ・デザインコンサルタントが描く成長の先がある。

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ライター:

株式会社Saccoマネージャー、株式会社Blockchain Tech Farm 代表取締役。営業や多岐にわたる事業での経営経験を経て、2014年にブロックチェーン分野へ参入。2017年に株式会社Blockchain Tech Farmを設立し、非金融領域でのブロックチェーン活用を推進。多くの企業との縁から、現在は株式会社Saccoのマネージャー、ライターとしても活動している。

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