
運営は民間の実行委員会で、長浜市・彦根市・高島市の3市は事前に関与を否定する異例の声明を出していた。
消防への火薬使用許可申請も確認されず、チケットを購入した人や出店者からは返金への不安と詐欺を疑う声が相次いでいる。
中止発表の内容と運営元
大会実行委員会は公式サイトとSNSで、2026年8月22日開催予定だった同大会について、必要な準備・運営体制を整えることが困難と判断し中止すると発表した。
延期や振替は行わず、今後の開催予定もないとした。
チケット購入者と出店者への対応は法的専門家に相談しながら整理中で、詳細が決まり次第公式で案内するとしている。当面は個別の問い合わせへの回答を控えるとした。
運営は琵琶湖三市同時花火大会実行委員会で、運営統括責任者は谷中康亮氏。
特定商取引法表記の住所は滋賀県栗東市目川1600-105だったが、中止発表時に2026年6月で使用を終了した旧所在地と説明した。
公式サイトのドメインは2025年12月登録で、チケットは1月下旬から7000円から1万9000円の有料指定席を販売していた。
谷中氏はドローン関連事業に関わる人物とされ、大規模花火運営の実績は公開情報では確認しにくい。
3市が相次いで出した関与否定の声明
8月6日、長浜市・彦根市・高島市はそれぞれ公式に声明を発表した。
長浜市と長浜米原観光協会は、SNSで拡散されている同大会は市や協会が主催・共催するものではないと明記。
市が関与する花火は木之本大花火大会など別のイベントのみだと強調した。
彦根市は、SNS等で案内されている同大会について彦根観光協会および彦根市は関係していないとし、問い合わせは実行委員会へ行うよう呼びかけた。
高島市も、市とびわ湖高島観光協会が主催・共催等に関与する花火大会はないと説明した。
名称に三市とあることから誤解が広がり、問い合わせが殺到したための対応だった。
消防申請なしと詐欺を疑う声が続出
彦根市消防本部によると1万発規模なら開催約1カ月前に火薬使用許可を申請する必要があるが、8月7日時点で受理していなかった。
長浜市は2025年12月と2026年1月に主催者から相談を受け、警察や消防への手続きを進めるよう伝えていたという。
それでも申請は進まず、会場詳細は開催1週間前にメールで知らせる方式だった。
サイトの琵琶湖の形が実際と異なる点や具体性に欠ける説明が指摘され、SNSやコメント欄では詐欺ではとの声が多数出ている。
許可なしでの開催は事実上不可能で、チケット販売を先行させた経緯が不審視されている。
実行委員会は関係機関との最終調整を理由に8月5日に新規販売を停止し、9日に可否を案内するとしたが結果は中止だった。
期待を煽った先に残った不信と沈黙
洗練されたインスタ投稿に誘われ、夏の一夜を想像してチケットを手にした人たちの反応は単なる失望を超えて冷めた不信に変わっている。
返金を約束した特商法表記とは裏腹に、中止発表では法的専門家への相談という曖昧な表現にとどまり即座の全額返金を明言しなかった点が特に刺さっている。
楽しみにしていたはずの人ほど、なぜこの段階まで販売を続けたのかと問う声が目立つ。
出店料5万円を既に振り込んだ事業者は、説明会が一方的で質問すらできなかった実態を明かし、材料の仕入れ費用まで含めた補償を求める。
XやYahoo!ニュースのコメントでは、購入を控えた人たちが結果を見て安堵する一方、実際に金を出した側は被害者意識を強め、資金が本当に残っているのかを疑う空気が広がる。
公式が個別対応を当面控えると宣言したことで声を上げる場さえ失われつつある。
期待を高めた宣伝が、かえって不信の種を大きくした形だ。



