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株式会社桂プランニング

https://kominka-arayashi.com/

千葉県勝浦市宿戸406

「また来年くるね!」が聞こえる宿。桂プランニングが勝浦で残す築110年の古民家

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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桂プランニング イメージ
提供:桂プランニング

田んぼのカエルの声、蝉の声、満天の星空。千葉県勝浦市の里山で桂プランニングが運営する「古民家あらやし」と「Private Camp KEICA」は、約1,000坪の敷地を1日1組で利用できる宿泊施設だ。父の実家だった築110年の古民家を残し、次の世代へつなぐ。そこには、建物の再生だけではなく、訪れる家族との時間や地域のこれからを大切にする思いがある。

 

約1,000坪を1日1組で使う、里山の時間

敷地の周りには川が流れ、鳥や虫が多く生息している。夜には満天の星空を観望でき、田んぼからはカエルの声、夏には「うるさいぐらい」の蝉の声が聞こえる。施設から海までは車で15分ほど。夏には海水浴やマリンスポーツも楽しめる。

一方、施設で過ごす時間そのものにも特徴がある。約1,000坪の敷地は近隣の民家から離れており、夜遅くまでゆっくりと過ごせる。1日1組限定のため、ほかの利用者を気にせず、大切な人や仲間と時間をともにできる。

都会では得ることのできない体験を楽しみに、毎年訪れる利用者もいるという。桂プランニングが大切にしているのは、利用者にとっての大切な時間が、楽しい思い出になるよう手伝うことである。

岡田氏は読者に向けて、「デジタルの日常や喧騒から少し離れてみてください」と語る。都会から車や電車で約2時間ほどの場所には、田んぼのカエルの声や蝉の声、満天の星空がある。岡田氏が祖父母を訪ねて過ごした勝浦には、現在も、宿泊者が自然に触れられる環境がある。

父の実家だった茅葺の家を、次の世代へ

 

「古民家あらやし」は、岡田氏の父の実家である。大正時代初期に建てられた茅葺の建物で、築110年になる。

建物は昭和、平成、令和の各時代に改修されてきた。しかし、梁や柱、建具はそのまま残している。古民家の趣を保ちながら、現代の暮らしに合わせて使いやすくするためだ。

現在、茅葺の上には金属の屋根が被せられている。それでも、室内から古い建物のつくりを感じられるよう、天井の一部にガラスをはめ込んだ。今も残る立派な梁や茅葺を中から見られるようにし、日本の伝統的な住宅建築技法に触れられる工夫である。この試みは評価され、令和2年千葉県建築文化賞優秀賞を受賞した。

岡田氏は、住み続けてきた建物には、その家の歴史も刻まれていると捉える。その歴史を残し、次の世代へつなぐことが、「古民家あらやし」を運営する背景にある。

古民家が放置されている状況に対しても、岡田氏は思いを寄せている。相続したまま放置するのではなく、まだ再生できる段階で次の家主へつなぐ選択肢も考えてほしいという。「古民家あらやし」で過ごす体験が、古民家を再生し、住み継ぐことを考える人の一助になることを願っている。

蔵カフェの休業から3か月で始めた一棟貸し

 

桂プランニングが宿泊施設を始めたのは、2020年のコロナ禍だった。それまでは、蔵を改修した蔵カフェを営業していたが、コロナの影響で営業が困難となり、休業を余儀なくされた。

一方で、古民家は以前から少しずつ改修し、宿泊できるよう整えていた。そこで蔵カフェの休業から3か月後、一棟貸しの「古民家あらやし」をオープンした。

1日1組限定で、ほかの人と接触せずに宿泊できることから需要があり、初年度は1年を通じて週末や連休、夏休みの予約が埋まった。オープン初年度から毎年宿泊している利用者もいる。年々リピーターが増え、1か月の週末がすべてリピーターの予約で埋まったこともあった。

コロナ以降、一棟貸しの宿泊施設が増え、無人での対応も増えている。その中で岡田氏は、利用者とのコミュニケーションを大切にしている。

「また来年くるね!」と手を振る家族

桂プランニング イメージ
提供:桂プランニング

毎年訪れる家族を迎えていると、子どもたちの成長も見えてくる。チェックアウトの際、「また来年くるね!」と手を振る子どもに、岡田氏も「また遊びに来てね!」と手を振って見送る。

なかには、チェックアウトの時点で翌年の同じ月を予約する利用者もいる。「次の年も宿泊したい」と予定を決めてもらえることは、岡田氏にとって何よりの喜びであり、モチベーションにもなっている。

オープン初年度から毎年宿泊する人がいる。1年後の予定をその場で決める人もいる。毎年訪れる家族の子どもたちは少しずつ成長し、岡田氏はその姿を見ることをうれしく感じている。チェックアウト時に交わされる「また来年くるね!」「また遊びに来てね!」という言葉は、宿を訪れる家族と岡田氏とのやり取りを、そのまま伝えている。

敷地内の空き家を、地域の人が集う場所に

現在の宿泊施設には、他県からの観光客や、千葉県内の他市町村からの利用者が訪れている。今後、桂プランニングは敷地内の空き家を地域に向けて活用したいと考えている。

構想しているのは、地域の人が集える場所だ。ワークショップやイベントの開催、お茶会、趣味のワークスペースなど、主に地域の人が利用できる空間をつくりたいという。

岡田氏は、勝浦市で人口減少と高齢化が進む中、元気な高齢者が趣味を持って集まり、共通の話題で会話を楽しめる場所がない状況を挙げる。市のカルチャーセンターは日時や回数が決まっており、長く継続することができない。そこで、趣味の作品づくりや料理などを続けられる場所を設け、家にこもらず、人とコミュニケーションを持てる環境を提供したいとしている。

趣味や目標を持ち、人と会話しながら楽しむ。そうした時間を通じて、高齢者がいきいきと生活できる環境を提供することが目指されている。岡田氏は、趣味や目標を持つことは健康維持にもつながると考える。桂プランニングが描く5年後、10年後の景色は、「元気でいきいき高齢者の街」だ。

父の実家だった古民家の歴史を残し、次の世代へつなぐ。宿泊者の思い出づくりを手伝い、これからは敷地内の空き家を地域の人が集う場所として生かす。桂プランニングは、勝浦で受け継いできた場所を、宿泊と地域交流の場として活用していこうとしている。

桂プランニング イメージ
提供:桂プランニング

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ライター:

株式会社Saccoマネージャー、株式会社Blockchain Tech Farm 代表取締役。営業や多岐にわたる事業での経営経験を経て、2014年にブロックチェーン分野へ参入。2017年に株式会社Blockchain Tech Farmを設立し、非金融領域でのブロックチェーン活用を推進。多くの企業との縁から、現在は株式会社Saccoのマネージャー、ライターとしても活動している。

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