
アレン様のエスカレーター動画が炎上。危険行為への批判だけでなく、周囲が拍手し称賛する構図にも疑問の声が集まった。筆者は活動休止前のフワちゃんとファンコミュニティの空気に共通点を感じる。なぜ人気者の周囲では「誰も止めなくなる現象」が起きるのかを考察する。
アレン様の迷惑行為より気になった周囲の反応
タレント・アレン様のエスカレーターでの行動がSNSで大きな議論を呼んでいる。
発端となったのは、渋谷の商業施設内で撮影された動画だ。アレン様がエスカレーターの手すりに両手でつかまり、体を浮かせるような危険な乗り方をした後、バランスを崩して尻もちをつく様子が映されていた。
動画自体は今年2月に公開されたものだが、6月19日にXで再拡散されると、
「危険すぎる」
「後ろに一般客もいるのに迷惑」
「周りも笑って拍手しているのが怖い」
などの声が相次ぎ、関連投稿は2000万回以上表示される大きな話題となった。
だが今回注目されたのは、アレン様本人の行動だけではない。
動画内で笑い、拍手し、「さすがアレン様」と盛り上げる周囲の存在にも、多くの違和感の声が集まっている。
筆者はこの状況に、やす子への不適切投稿で活動休止に追い込まれる前のフワちゃんと、そのファンコミュニティの空気を重ねずにはいられなかった。
エスカレーター動画が炎上 「元動画の方が印象が悪い」の声も
当初は静止画のみが拡散されていたが、その後投稿者が元動画を公開。
映像には、アレン様がエスカレーター上でふざけた後に転倒し、周囲の女性たちが笑ったり拍手を送ったりする様子も映っていた。
SNSでは、
「こういう系で元動画の方が印象悪いの初めて見た」
「後ろの一般客が気の毒」
「拍手してる人たちも含めて異様」
などの声が上がった。
エスカレーターは公共設備であり、利用者全員の安全によって成り立っている。万が一後続客を巻き込む事故につながっていれば、笑い話では済まなかった可能性もある。
過去の「ポムの樹ブチギレ無料飲食」動画も再拡散
今回の炎上をきっかけに、過去動画も掘り起こされる流れとなった。
特に注目を集めたのが、オムライス専門店「ポムの樹」での発言だ。
動画内でアレン様は、「店員にブチ切れた」と語り、自身の注文が同行していた戦慄かなのの料理より約15分遅れて提供されたことへの不満を口にしていた。
ファンからは、
「ブチギレ無銭飲食になったんだ㌔」(㌔=アレン様用語の「けど」)
「アレン様お怒りも素敵です」
など、アレン様を肯定する声が多数。
この動画とファンコメントも再び拡散され、
「以前から違和感があった」
「今回の件で過去の言動も見直されている」
といった声が広がっている。
SNS時代では、一つの炎上をきっかけに過去の言動まで一気に検証されることは珍しくない。
問題行動より気になるのは「誰も止めない空気」
今回の動画を見ていて、筆者が最も気になったのはアレン様本人よりも、むしろ周囲の反応だった。
動画では危険な行動が行われたにもかかわらず、笑い声や拍手が起きている。
もちろんアレン様の魅力は、その圧倒的な自己肯定感や常識に縛られない自由さにある。
アレン様のファンの多くは、
「こんな自由な人もいるんだ」
「元気をもらえる」
と感じるからこそ支持しているのだろう。
しかし、その自由さを愛するあまり、
「それは危ない」
「周りの人に迷惑では」
という当たり前の指摘まで言いづらくなってしまうことがある。
そして周囲がブレーキ役を失った時、本人もまた境界線を見失いやすくなる。
騒動前のフワちゃんと重なる“肯定しかされない空気”
筆者は今回の状況に、やす子騒動で活動休止に追い込まれる前のフワちゃん周辺と似た空気を感じた。
フワちゃんもまた、常識に縛られない・自由奔放・破天荒といったキャラクターで人気を集めていた。
しかし、その自由さを面白がるファンが増えるにつれ、「フワちゃんだからOK」という空気も強まっていった。
本来なら誰かが止めるべき場面でも、「それも個性」として処理される。
そして最終的には、そのキャラクター性と社会的な許容範囲との境界線が曖昧になったこともあってか、大きな炎上へとつながったのではないだろうか。
もちろんアレン様とフワちゃんは別人であり、現在の状況も異なる。
それでも、「ファンが本人以上にブレーキを失っていく構造」には共通点があるように感じる。
「信者化」と呼ばれる集団心理
SNSでは今回、「信者みたいになっている」という声も多く見られた。
もちろん全てのファンがそうだという話ではない。
しかし心理学や社会学には、
・集団極性化
・エコーチェンバー現象
・グループシンク(集団思考)
と呼ばれる現象が存在する。
同じ価値観を持つ人同士が集まることで、本来なら疑問を持つべき行動に対しても、「みんなが支持しているから問題ない」という空気が生まれる。
逆に、「それは違うのでは」という声は批判されたり、無視されたりする。
結果として、本来必要だったブレーキが機能しなくなる。
これは芸能人に限らず、政治家やインフルエンサー、企業コミュニティでもしばしば見られる現象だ。
アレン様はどこへ向かうのか
アレン様が支持されている理由は理解できる。
圧倒的な自己肯定感や、他人の目を気にしない生き方に、独特の言葉選びは唯一無二の存在感を感じさせる。
だからこそ多くの人が惹きつけられるのだが、本当に長く愛される人物になるためには、破天荒と迷惑行為、個性と公共性の違いを見失わないことも重要だろう。
周囲が何でも肯定してくれる環境は、一見居心地が良い。
だが時として、それは本人を危険な方向へ導くこともある。
アレン様には、これからも唯一無二の存在でいてほしい。
だからこそ、破天荒さを履き違え、取り返しのつかない炎上や破滅へ向かうのではなく、多くの人を楽しませる魅力的な存在であり続けてほしいと願う。



