
週刊新潮が映像を入手し、デイリー新潮が9月2日に公開した。
通名は青木政明、2017年の逮捕報道では韓国籍のユ・チャンワンと実名が出た。
取締役ではなく株主だと会社は説明し、代表取締役の松原京美氏は実姉である。
会議で茶碗と椅子が飛んだ2026年の映像
映像は東新橋の営業所で撮影された。
点呼のため約15人の乗務員が集まるなか、青木氏が英語テストを実施し、交差点を意味するインターセクションなどが答えられなかったことがきっかけだと会社は説明した。
新潮報道では茶碗を叩きつけ「どうなってるオラ」、パネルを投げ「頭おかしいんかゴラ」、椅子をぶん投げる様子が確認される。
罵声には「ファッキュー、メン」「ゲッタッファッカウ」があり、日本人社員を「ジャップ」と呼んだとも報じられた。本人は「ほんまにキレてしもうた。7年も英語を喋れと言い続けている」と釈明した。
投げた物は乗務員に当たっておらず、けが人は確認されていない。
9月2日、松原京美社長が国交省で会見し、社主のハラスメントを認めて謝罪した。
創業家次男という立場
青木政明は通名である。
公式サイトにYoo Chang Wanと表記された時期があり、2017年12月の逮捕では各社が韓国籍のユ・チャンワンと報じた。在留資格の種類は公開資料では確認できない。
父はMKタクシー創業者の青木定雄氏、本名は兪奉植。1928年に韓国慶尚南道で生まれ、1943年に来日し、2017年に死去した在日韓国人1世である。
長男の青木信明氏がグループの表の顔、三男の青木義明氏が関西側を担うとされる。
東京エムケイは1997年設立、従業員約500人規模。
2026年時点で青木氏は取締役ではなく、会社は社主かつ株主だと説明している。
通名は生活上の名前であり、日本国籍の証明ではない。
2005年から続く逮捕、書類送検、民事敗訴の履歴
2005年3月、電車で寝過ごし駅員が起こさなかったことに腹を立て、窓口で殴打して全治10日。
傷害で現行犯逮捕され、当時の社長を一時辞任したのちに復帰した。
2008年4月、営業所で社員の太ももを蹴り全治2週間。傷害で書類送検され、示談で不起訴と報じられた。
2013年発売のフライデーなどは、運転チェックと称して後部座席からドライバーを蹴る映像を報じた。
同年、社員ら5人が約2300万円を請求し、東京地裁が500万円の賠償を命令した。直前に社長を辞任している。
2017年12月21日未明、新橋付近で迎車予定の個人タクシーに乗車を強要し、拒否されると路上に倒して靴を顔へ投げ、1週間のケガを負わせた。
泥酔し覚えていないと供述して現行犯逮捕され、再び社長を辞任したが社内では台風と呼ばれてきた。
取締役を外しても現場に戻れる同族企業の統治
取締役は登記上の役員、株主は所有者である。
役員を外れても株式が残れば出社を自動で禁じられない。
松原社長は休暇中で不在、たまたま東京にいた弟が点呼室へ入りテストを始めたと説明した。
軽傷の傷害は示談で不起訴や罰金、執行猶予になりやすく、民事敗訴は賠償で終わる。
タクシー許可の欠格は主に事業者と運転者にかかり、代表を別人にすれば許可は会社に残る。
会見で松原氏は、社内カメラで確認して弟と大ゲンカしたと述べ、また暴れたら警察を呼ぶ、今後は出入りさせない、できれば株を売って株主から抜けてほしい、と語った。
役職を外すことと、株主の現場介入を止めることは別問題である。
またかと広がる世論
映像が拡散されたのは暴力映像だけではない。
英語教育のつもりがテストになり、答えられないと茶碗と椅子が飛ぶ、という落差が先に共有された。
インバウンド対応を掲げながら、現場の学び方より怒りの方が先行した点が失笑の核になっている。
次に引用されたのは姉弟の構図である。
代表取締役の松原京美氏が実姉で、休暇中に株主の弟が点呼室へ入った。
62歳の弟に姉が大ゲンカした、また来たら警察を呼ぶ、株を売って抜けてほしい、という会見の言葉が映像以上に統治の実態として流通した。
タクシー業界では、京都のMKのサービスイメージと東京エムケイの映像が同じMKとして検索されることへの警戒が目立つ。
利用者側では、乗務員の英語力より、点呼の場の安全が先ではないか、という逆転が起きている。
笑い話として回ったあとに残っているのは、役職を外しても株主なら現場に入れるのか、という問いである。
処分歴の長さより、今回も止められなかったことの方が今の世論の焦点になっている。



