
「おれは風なんだ。なにわの風だ」。東京都港区のトレーニングジムと新宿区の車を狙った窃盗事件で、警視庁は住居不定・無職の岩井勝平容疑者(42)と三浦和基容疑者(36)を窃盗などの疑いで逮捕した。
2人は今回の逮捕容疑について黙秘している。岩井容疑者は自身の犯行について「スピーディーにやるのがモットー」「大阪を含めて100件以上やった」と話しているといい、護送中には報道カメラに向かってVサインを出す姿も撮影された。
警視庁は東京都内と神奈川県内で同様の被害を約20件確認しており、被害総額は約300万円に上るとみて余罪を調べている。
30分で港区から新宿へ 実行役と見張り役に分担
警視庁によると、2人は5月18日午前3時40分ごろ、港区赤坂のトレーニングジムに侵入し、現金やバッグ、パソコンなどを盗んだ疑いがある。その後、新宿区へ移動し、駐車中の車の窓ガラスを割って、スマートフォンやサングラスなど計約20万円相当を盗んだとされる。
ANNは、2人がジム1件と車上ねらい2件の計3件を約30分間に繰り返したと報じた。FNNは7月30日の続報で、同じ約30分間に計4件の犯行に及んだと伝えている。
FNNによると、岩井容疑者が窓ガラスを割るなどの実行役、三浦容疑者が周囲を警戒する見張り役だったとみられる。2人は覚醒剤の売買を通じて知り合ったとされ、短時間で場所を変えながら犯行を繰り返していた。
時事通信によると、警視庁は東京都内と神奈川県内で同様の被害を約20件確認している。被害総額は約300万円に上るとみられ、岩井容疑者が話している100件以上の犯行についても裏付けが進められている。
護送車でVサイン 岩井容疑者は「なにわの風」
FNNが7月30日に公開した映像には、警察車両の中から岩井容疑者が報道カメラに向かってVサインを出す様子が映っている。隣に座る三浦容疑者は、うつむいたままだった。
テレビ朝日によると、岩井容疑者は「スピーディーにやるのがモットーで、俺は『なにわの風』」「大阪を含めて100件以上やった」と話している。
2人は今回の逮捕容疑については黙秘しているが、岩井容疑者は多数の犯行への関与を認める趣旨の話をしている。警視庁は東京都内や神奈川県内に加え、大阪府内で発生した窃盗事件との関連も調べている。
三浦容疑者は5月にも強盗予備容疑で逮捕
三浦容疑者は今回とは別に、5月25日にも強盗予備などの疑いで警視庁に逮捕されている。
産経新聞などによると、三浦容疑者は同月24日未明、ドライバーなどを準備して東京都小金井市の住宅に侵入した疑いが持たれている。先に現行犯逮捕された実行役2人を現場まで車で運んだ運転役とみられていた。
今回の車上ねらいが起きたのは、その6日前の5月18日だった。小金井市の事件では、警視庁が匿名・流動型犯罪グループによる犯行の可能性を調べていた。
三浦容疑者が短期間に異なる人物と複数の事件に関与した疑いが相次いで浮上したことで、警視庁は背後にある人物関係や各事件のつながりについても捜査を進めている。
車上ねらいは全国2万2639件 大阪府では3137件
警察庁の2025年確定値によると、全国の車上ねらいは2万2639件で、前年の2万2934件から295件、率にして1.3%減少した。
部品ねらい1万5216件との合計は3万7855件となるが、警察統計では車上ねらいと部品ねらいは別の手口として集計されている。
大阪府警によると、2025年に府内で確認された車上ねらいは3137件で、前年から73件増加した。発生場所は駐車場・駐輪場が33%、道路上が23%、住宅が13%。被害品ではバッグや財布類が1494件で最多となっている。
大阪府警は、短時間でも車内に荷物を残さないことや、ガラス割りなどの振動を感知する警報装置を設置するよう呼びかけている。警視庁は岩井、三浦両容疑者が関与したとみる約20件の被害について、犯行時の行動や盗品の流通先を調べている。



