ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

ホリエモン×秋元康、初コラボの必然──演歌第3弾「自分で舵を取れ」に込めた20年越しの師弟哲学とAI時代のエンタメ論

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
堀江貴文(Takafumi Horie、ホリエモン) Xより

堀江貴文(ホリエモン)が6月20日、Xに演歌第3弾シングルの発表を投稿した。2026年7月29日に日本コロムビアからリリースされる「自分で舵を取れ」は、なんと秋元康プロデュース。「ホリエモン」というニックネームをネット黎明期に面白がって注目した秋元康がライブドアの顧問を経て、20年以上の歳月を経てついに音楽で繋がった。堀江氏は、「もっと本を出せ」という秋元流ピカソ哲学に刺激され、著書が次々とベストセラーに。そして今、そのDNAは演歌へと流れ込んでいる。「チョメチョメ」から始まった異色の演歌プロジェクトは、実はホリエモンが見据えるAI時代の社会構造への答えでもあった。

 

「チョメチョメ」から「キャバクラ」、そして秋元康へ──演歌1年半の軌跡

ホリエモンの演歌挑戦は2025年1月29日、衝撃のデビューシングル「チョメチョメ」から始まった。疲れたサラリーマンへの応援歌というコンセプトで日本コロムビアからリリースされた一曲は、実業家がなぜ演歌を?という世間の疑問とともに大きな話題を呼んだ。

第2弾は同年8月20日。今度は武田塾創業者の林尚弘とのデュエット「キャバクラ人生/シャンパンコールの歌(ゾス飲み)」だ。歌詞は100パーセント林の実体験から生まれた。指名しているキャバ嬢の誕生日に毎年豪華なお祝いをし、3年目についにマグロの解体ショーを呼んだというエピソードまで歌詞に採用。MVはDAMとJOYSOUNDで流れるが、撮影のためにキャバクラを貸し切りマグロ解体ショーとシャンパンタワーを実施した費用は林の自腹で3000万円に上った。

そして第3弾「自分で舵を取れ」(2026年7月29日発売)で、ついに秋元康が登場する。作詞・プロデュースを秋元康が担当し、作曲・編曲はSABURO。「自分で自分の生き方を決めていけ」というテーマで、力強い言葉とロックな歌唱スタイルによる応援歌に仕上がったという。カップリングにはオーイシカズヒーロー作詞・作曲の「ホリエモンサンバ」を収録する。

 

20年越しの師弟関係──「ホリエモン」を最初に面白がった男とピカソ哲学

ホリエモンが自身のnote(4月11日公開)と今回のXツイートで明かした秋元康との関係は、思いのほか深い。ネット上にホリエモンというニックネームが出現した頃、「これは面白い」と最初に注目してくれたのが秋元康だった。その後、ホリエモンは秋元にライブドアの顧問を依頼。以来20年以上にわたる付き合いが続いているという。

今回のコラボはホリエモンが自ら秋元に持ちかけた。「最近演歌歌手を始めたので、そういえば歌の仕事をご一緒したことはなかった、と思い、思い切ってお願いしてみた」というのがきっかけだ。ただしレコーディングは決して楽ではなかった。「めちゃくちゃ難しくてレコーディングにはいつもの2倍以上時間かかった」とホリエモン自身が認めている。

秋元からホリエモンへの影響は音楽だけではない。ホリエモンが語るエピソードの中に「ピカソ論」がある。以前の会食で「堀江、おまえはもっと本を出せ!」と叱咤した秋元が語ったのは、ピカソが世界的な画家になったのは才能だけでなく「圧倒的な多作」にあるという話だった。膨大な作品を作り続けた中から後世に残る傑作が生まれる──というヒットメーカーらしい本質を突いた言葉は、ホリエモンに著書執筆を加速させた。結果として『ゼロ』や『多動力』といったベストセラーが生まれた。そして今、多作の哲学は演歌シングルという新しいフィールドにまで及んでいる。

なぜホリエモンは演歌を選んだのか──「隙間産業」としての演歌論とAI時代の余白

「演歌に空き地がある」──これがホリエモンの見立てだ。第2弾「キャバクラ人生」発売時のインタビューで堀江は率直に語っている。インフルエンサーもYouTuberも「そこそこ歌えると曲を出す」時代になった。だが、彼らが作るのはほぼ例外なく流行の曲だ。演歌は誰も作らない。そこに大きなヒットを出せる「空き地」があるのに見過ごされている、というのが堀江の分析だ。

さらに「哀愁には人生の濃さが必要」という演歌独自の文法も計算に入っている。波乱万丈の経歴を持つホリエモンと、キャバクラに年間3000万円使う林のコンビは、その意味で「人生の説得力」という点で他に類を見ない演歌デュオだった。

だが、ホリエモンの演歌挑戦には単なる「空き地ビジネス」以上の視点がある。AIによるホワイトカラー代替という未来予測だ。堀江はインタビューで「これからAIが仕事を代替していけば、人間は根本的に暇になっていく。週休3日が当たり前になった先に週休4日、5日が来たとき、人は何をすればいいのかわからなくなる」と語っている。その余白を埋めるのがエンタメだ。カラオケが50年前に「普通の人が歌えるステージ」を生み出したように、エンタメをもっと拡張しないと社会は回らない──という長期的なビジョンから、演歌という選択は生まれている。

 

「自分で舵を取れ」──歌詞に刻まれたホリエモン的世界観

ホリエモンのnoteには「自分で舵を取れ」の歌詞の一部が公開されている。「声を上げなきゃ その他大勢/時代はとっくに動いてんだ/ああだこうだの外野から言ってたって/明日は何も変わらねえ/次の波が来るぞ/おまえらの船なら自分で舵を取れ」「もっともらしい正義をかざして/どこかの輩が誰かをディスる/群衆の中に紛れながら/容赦のない言葉の石を投げるだけ」──。

秋元康が書いたはずのこの歌詞には、ホリエモンの言動そのものが透けて見える。ライブドア事件以降、逮捕・服役・出所という経験を経ながらも一切「その他大勢」に溶け込まず、常に批判をものともせずに挑戦し続けてきたその姿そのものだ。「群衆の中で言葉の石を投げるだけ」の人間を横目に「自分で舵を取れ」と歌うホリエモンは、演歌という最も日本的な形式の中に、自分のビジネス哲学を見事に乗せている。

ピカソが多作によって巨匠になったように、ホリエモンは「本」を出し続け、「演歌」を重ね、「秋元康」と組んだ。第3弾シングルの7月29日リリースに向け、20年越しのコラボはいよいよ音になる。

Tags

ライター:

東京都出身。一日中ネットに張り付いている。

関連記事

タグ

To Top