
玉川徹氏が「羽鳥慎一モーニングショー」でホームレスについて「あんだけ汚い生活してて、フサフサな人いるじゃないですか」と発言し、本人が謝罪、社長が「差別や偏見を助長しかねない」と厳重注意した。
国葬やクシュナー氏関連など問題発言と謝罪が繰り返される中、視聴率を理由に局が続投させている実態を、最新事例から振り返る。
今回の発言と局の対応
10月22日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で、薄毛に関する特集中に玉川氏はホームレスの生活を例に挙げ、「あんだけ汚い生活してて、フサフサな人いるじゃないですか」と発言した。
この言葉がSNS上で急速に拡散し、「差別的だ」との批判が集中した。
番組は放送から約30分後に本人が「不適切な発言でした。深くお詫びします」と謝罪した。
翌23日、テレビ朝日の社長は定例会見で「差別や偏見を助長しかねない発言だった」と認め、玉川氏に厳重注意を行ったと明らかにした。
局側は「今後適切な放送に努める」と説明したが、具体的な処分内容は公表していない。
繰り返される不適切発言の履歴
玉川氏の問題発言は近年、複数回にわたって指摘されている。
2022年9月、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相の弔辞について「電通が入ってます」と断言し、事実ではなかったとして謝罪。
出勤停止10日間の処分を受けた。
同年には帯状疱疹ワクチンを「保険適用」と誤って発言し、翌日訂正・謝罪した。
2026年4月にはクシュナー氏について「ユダヤ人ですよね」と述べ、駐日イスラエル大使から抗議を受け、局が謝罪した。
同年10月にはゾウガメを哺乳類と発言し、生放送中に訂正した。
これら以外にも、箕面滝の水量やPCR検査の実施状況に関する事実誤認、反社会勢力と特定団体を並べた発言などがあり、訂正や謝罪を繰り返している。
ルーティン化した謝罪への冷笑
一連の経緯から、ネット上では「またか」「季節の風物詩」「日常茶飯事」といった反応が広がっている。
謝罪自体がルーティン化し、局の対応も「本人がお詫びした通り」「今後適切な放送に努める」という文言で収束するパターンが定着したためだ。
視聴者の間では「反省が口だけなら意味がない」との指摘も多く、事実を確かめずに断言する姿勢や、特定の人々を一括りにする表現が問題視されている。
局が「差別や偏見を助長しかねない」と自ら認めた今回の発言は、これまでの事例と比べても一線を画すものとして受け止められている。
なぜ降板させないのか
それでもテレビ朝日が玉川氏を起用し続ける理由について、関係者は「とにかく数字を持っている」と説明する。
『モーニングショー』は同時間帯で長年トップクラスの視聴率を記録しており、玉川氏のコーナーが瞬間視聴率で高くなる傾向があったとされる。
失言があっても全体の数字が大きく落ちない、あるいは謹慎明けに回復した事例も指摘されている。
特にシニア層の支持が厚い点が大きい。
さらに、元ディレクターとして取材とコメントを兼ねる形で起用されてきた経緯があり、2023年の定年退職後も他局に移らず同番組と再契約したことで、出演料を抑えられるコスト面の利点もあると関係者は話す。
批判と支持が同居する人気
一方で、玉川氏には一定の固定ファンも存在する。
謹慎期間中には「玉川ロス」の声が上がり、朝日新聞の投書欄などには復帰を望む意見が多数寄せられた時期もあった。
番組内で羽鳥慎一アナが「守り」に回り、玉川氏が「攻める」役回りを演じる演出が、視聴者にとってのスパイスになっているとの見方もある。
ネット上の批判は強いが、主力視聴層である高齢層を中心に「歯に衣着せぬ発言」を支持する層が残っており、完全に排除すると視聴者離れが起きる可能性を局が考慮しているとみられる。
批判と支持が同居するこの構造が、続投の背景にある。



