
長野地検松本支部は9月7日、長野県下伊那郡のアパートで20代女性に暴行や脅迫を加え、金品を奪って性的暴行に及んだとして、住居不定・無職の28歳の男を強盗や不同意性交等などの罪で起訴した。検察は男の認否を明らかにしていない。
財布を奪った後に現金も要求
SBC信越放送とNBS長野放送によると、事件が起きたのは7月26日夜。起訴状などでは、男は女性の部屋に侵入し、「キャッシュカードと身分証を出せ」などと要求したうえで、顔面を手でたたくなどしたとされる。
男が奪ったとされる財布は時価約4万円相当で、中にはキャッシュカード2枚が入っていた。さらに「もっとあるだろ」などと金品を要求し、女性の顔を殴るなどして現金約2000円も奪ったという。
その後、「服脱げ」などと命じ、殴ろうとする素振りを見せるなどして、女性に性的暴行を加えたとされる。
千曲市の別の男も強盗致傷容疑で逮捕
この事件では、28歳の男と共謀し、女性の顔を殴るなどして現金を奪ったとして、千曲市の男が8月18日に強盗致傷などの疑いで逮捕されている。
強盗と不同意性交等、刑法が定める要件
刑法236条の強盗罪は、暴行や脅迫を用いて他人の財物を奪う行為を対象とする。法定刑は5年以上の有期拘禁刑で、条文は被害金額について成立要件となる下限を設けていない。現金だけでなく、財布などの物品も対象となる。
不同意性交等罪は刑法177条に規定され、法定刑は5年以上の有期拘禁刑。暴行や脅迫などによって、同意しない意思を形成・表明したり、その意思を貫いたりすることが困難な状態にさせ、またはその状態に乗じて性交等をした場合などに成立する。
2017年7月13日施行の改正では、被害者を女性に限っていた旧強姦罪の規定が見直され、被害者の性別を問わない強制性交等罪へと変更された。法定刑の下限も懲役3年から懲役5年に引き上げられた。また、被害者の告訴がなければ起訴できないとする扱いが廃止され、同罪や強制わいせつ罪などは非親告罪となった。
2023年の刑法改正では、従来の強制性交等罪と準強制性交等罪が不同意性交等罪に改められた。177条が参照する176条の規定は、予想外の事態による恐怖や驚き、経済的・社会的な地位の影響によって不利益を恐れることなども、同意しない意思の形成・表明・全うが困難になる原因として挙げている。
刑法241条に定める「強盗・不同意性交等罪」の法定刑は、無期または7年以上の拘禁刑。強盗と性交等の先後を問わない規定は2017年の改正で導入され、2023年の改正で現在の罪名となった。



