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ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社

https://www.netznewly.co.jp/

大阪府豊中市稲津町2丁目4番1号

06-6863-0354

寄付して終わりにしない。ネッツトヨタニューリー北大阪が地域と続ける「虹プロジェクト」

サステナブルな取り組み イベント
ステークホルダーVOICE 未来世代
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ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社 虹プロジェクト
画像提供:ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社、以下同

企業が社会貢献をするとき、まとまった寄付をして終わり、という形が少なくない。だが、それだけでいいのか。大阪・北摂でトヨタ車を扱うネッツトヨタニューリー北大阪株式会社は、そう問い直すところから一つの企画を立ち上げた。長期入院で病室から出られない子どもたちへ、地域の人々の手形を集めて「7色の虹」を届ける「虹プロジェクト」である。

企業だけで支えるのではなく、客も地域も巻き込む。その仕組みに、この取り組みの狙いが表れている。

 

「ですぎたクルマ屋」が始めた、虹の企画

ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社は、大阪府の北摂エリア、豊中や吹田、箕面、池田などを中心にトヨタ車を扱う正規ディーラーである。1961年の設立以来、この地域で自動車の販売や整備を手がけてきた。

もっとも、同社の活動は車の販売にとどまらない。コロナ禍で地域の商店を支えようと始めた地域振興券は加盟店1,700店を超え、地域通貨の運用や結婚相談所の運営、太陽光発電事業、地元イベントの企画・監修まで、幅広く地域に関わってきた。同社はこうした姿勢を「ですぎたクルマ屋」と表現する。少し過剰で、少しお節介なくらい、地域や人の暮らしに踏み込む。それを自らの役割と位置づけている。

その同社が2026年6月に立ち上げたのが、「虹プロジェクト」である。大阪大学医学部附属病院(以下、阪大病院)の小児科で長期入院を続ける子どもたちと、その子どもたちを支える医療従事者を応援する、地域巻き込み型の寄付企画だ。企画協力には、子どもたちの笑顔のために活動する「make a smile」が加わっている。

仕組みの中心にあるのは、手形アートである。店舗を訪れた子どもたちに、専用の布へ手形を押してもらう。その一つひとつを集めて、最終的に大きな「7色の虹」に仕立て、寄付とともに阪大病院の小児病棟へ届ける。車を扱う会社の店舗が、地域の思いを病院の子どもたちへ運ぶ場になっている。

ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社 虹プロジェクト
第1回の様子
 

なぜ「寄付するだけ」にしなかったのか

虹プロジェクトの背景には、阪大病院小児科が抱える現実がある。同社によれば、きっかけは代表の小西敏仁氏が、ある会合で同科の医師と出会い、長期入院を続ける子どもたちの状況を聞いたことだった。

阪大病院の小児科には、重い病気と向き合う子どもたちが全国から集まる。数日で退院できる子がいる一方で、入院が一年以上に及ぶ子や、数年単位で病室での生活を続ける子も少なくない。年齢によっては、人生の大半を病院で過ごしていることになる。自由に外へ出ることは叶わず、友達をつくったり季節の行事を楽しんだりといった、多くの子どもにとって当たり前の体験を十分に持てない。付き添う家族にも、泊まり込みや遠方からの移動、精神的な孤立といった負担がのしかかる。

こうした子どもたちを少しでも元気づけようと、小児科の医師たちは、多忙な診療の傍らで、子ども一人ひとりの「やってみたい」に寄り添う活動を続けてきたという。着物姿での記念撮影や、病棟での食事会、万全の態勢を組んでの外出など、その内容はさまざまだ。そして、こうした活動の多くが、医師たちの自発的な熱意と個人的な負担によって支えられてきた。

この状況を知った同社は、一つのことを考えた。企業がまとまった資金を寄付するだけでは、もったいないのではないか、と。同社は、企業の寄付は景気や経営の状況によって途切れる可能性があり、継続していくことにこそ意味がある支援には向かない面があると考えている。だからこそ、企業だけで支えるのではなく、来店する客や地域の人々にも参加してもらう仕組みにした。手形アートを一緒に制作しながら、長期入院の子どもたちの存在を知ってもらう。地域の中で「応援したい」と思う人が一人でも増えていくこと。そこに、この企画の狙いが置かれている。

ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社 虹プロジェクト
 

手形が虹になる仕組みと、広がった輪

虹プロジェクトには、誰もが気軽に参加できる二つの仕組みが用意されている。

一つは、子どもたちの手形でエールを届ける仕組みだ。店舗を訪れた子どもが専用の布に手形を押すと、手形一つにつき同社が1,000円を拠出し、阪大病院へ寄付する。参加する子どもや家族に金銭的な負担はない。手形は、展開する7つの店舗ごとに異なる色で集められ、全部で7色。最終的にこれらを一つに統合し、巨大な「7色の虹」の横断幕に仕立てる。手形アートに参加できるのは高校生までの子どもとしている。

もう一つは、大人も参加できる「ハズレなしガチャ」である。手形は押せないが応援したい、という大人に向けた仕組みで、1回500円で挑戦できる。参加費の500円に同社が同額の500円を上乗せし、1回につき合計1,000円を小児科の活動へ寄付する。ガチャには参加費以上の価値がある景品が用意され、その費用は同社が負担する。楽しみながら寄付に参加できる形だ。

第一歩となったのは、2026年6月13日・14日の豊中少路店だった。店舗で車の点検を待つ客が立ち寄ったことをきっかけに、通りかかった人や近所の人が加わり、少しずつ輪が広がっていった。2日間で30名の子どもが手形を残したという。その後もプロジェクトは店舗を巡り、資料によれば、吹田店では50、千里店では41といった手形が集まっている。地域を回りながら、色とりどりの手形が一枚の布を埋めていった。

店先には、さまざまな人の姿があったという。暑さや雨のなかで足を止めて話を聞く親子連れ、遊びに行く途中で立ち寄る中高生。手形を押す子どもたちの多くは楽しそうで、なかには「もう一回」とせがむ子もいた。車を売る場所が、地域の人と子どもたちの思いが交わる場に変わっていった。

 

最後の1色へ、そしてその先

プロジェクトは、北摂エリアの全7店舗をリレー形式で巡る形で進んできた。豊中少路店を皮切りに、吹田、千里、緑ヶ丘、箕面小野原、豊中と会場を移し、各店で1色ずつ手形を重ねてきた。2026年8月上旬の時点で、残すは最終の池田店だけとなっている。池田店での開催をもって7色がそろい、7つの店舗で集められた手形が一つの大きな虹へと統合される。完成した横断幕は、まず豊中店に掲示されたのち、集まった寄付とともに阪大病院の小児病棟へ届けられる。

この取り組みを通じて同社が手応えを感じているのは、寄付額そのものだけではない。活動を進めるなかで、多くの人に「知ってもらう」ことの大切さを実感したという。店頭で声をかけ、長期入院の子どもたちの存在や、医師たちの取り組みを伝える。その一つひとつの出会いが、応援したいと思う人を少しずつ増やしていく。担当者は、自分のように現状を知って応援したくなる人を一人でも増やすことが、自分にできる貢献だと考えているという。

同社は、この企画を一度きりで終わらせるのではなく、「知ってもらう」つながりを生む取り組みを今後も続けていきたいとしている。長期入院の子どもたちは、決して特別な誰かではなく、自分や家族にも起こりうることだ。地域全体で子どもたちに思いを寄せ、支え合う輪が広がっていくこと。同社は、そこにこの取り組みの意味を置いている。

一枚の手形が、7つの色を経て、大きな虹になる。その虹が、病室で過ごす子どもたちのもとへ届く。車を扱う一社の呼びかけから始まった小さな試みは、地域と病院をつなぐ橋を架けようとしている。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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