
徳島県鳴門市のJR高徳線・居屋敷踏切で、鉄道を撮影していた19歳男性に軽乗用車を後退させ、ひき殺そうとしたとして、鳴門署は2026年8月15日、同市大麻町の建設作業員・吉田政男容疑者(55)を殺人未遂と暴行の疑いで逮捕した。
男性にけがはなかった。吉田容疑者は胸ぐらをつかんだことを認める一方、「車を後退させたのは、ビビらせてやろうと思っただけ」と殺意を否認している。
居屋敷踏切で車の通行をめぐり口論
NHKやMBSなどによると、事件は8月14日午後4時45分ごろ、鳴門市大麻町市場にある居屋敷踏切付近で起きた。
19歳男性は鉄道の撮影に訪れており、吉田容疑者とは面識がなかった。2人は車の通行をめぐってトラブルになり、吉田容疑者は軽乗用車の運転席から男性の胸ぐらを右手でつかんだとされる。
その後、吉田容疑者は車をバックさせ、男性をひき殺そうとした疑いが持たれている。男性は車による被害を免れ、身体にけがはなかった。
現場には複数の鉄道ファンが集まっていた。両者のやりとりを記録したとみられる動画がXに相次いで投稿され、車が踏切付近を走行する様子や撮影者らとの応酬が広がった。映像は逮捕が報じられる前から拡散され、騒動の経緯をめぐる投稿が続いていた。
軽乗用車が踏切内で立ち往生、高徳線13本に影響
一連のトラブルの後、軽乗用車は居屋敷踏切のガードレールに衝突し、踏切内で立ち往生した。
徳島新聞によると、JR四国は池谷駅と徳島駅の間で列車の運転を一部見合わせた。上下13本が運休または遅延し、最大1時間17分の遅れが発生。約1600人に影響した。軽乗用車の運転手と列車の運転士、乗客にけがはなかった。
事故が起きた8月14日は徳島市の阿波おどり開催期間中で、JR四国が高徳線などで臨時列車を運転していた時期でもある。個人間の口論から始まったトラブルは、踏切の立ち往生を通じて列車の利用者にも波及した。
「ビビらせるつもり」で殺意を否認
吉田容疑者は警察の調べに対し、男性の胸ぐらをつかんだことを認めている。車を後退させた行為についても否定せず、「ビビらせてやろうと思っただけ」と説明した。
この供述で否定しているのは、車を動かした事実ではなく殺意の部分となる。鳴門署は、男性に向けて車を後退させた行為に殺意があったとみて、殺人未遂容疑を適用した。今後は車と男性の距離、走行速度や進路、現場で撮影された映像などから当時の状況を調べる。
SNSでは「どっちもどっち」の声も
動画の拡散後、Xでは撮影者らの立ち位置や言動を問題視し、「撮り鉄も悪い」「どっちもどっち」とする反応が相次いだ。8月15日午後時点の主要報道では、被害男性が道路交通法違反などの容疑をかけられた事実は伝えられていない。



