
公益財団法人ミダス財団(以下、ミダス財団)は、2026年7月に「IMPACT REPORT 2026」を発行しました。インパクトレポートとは、組織の活動を通じ、社会や環境に与えたポジティブな影響(インパクト)を定量的に測定・評価し、その結果を示す報告書です。発行2年目となる今年は、事業の成果と今後の道筋を示すことにフォーカスしました。財団が取り組む事業と「IMPACT REPORT 2026」の内容の一部を紹介します。
東南アジアでの小学校設立、国内では特別養子縁組 2026年にひとり親家庭の子ども支援をスタート
ミダス財団は2019年の設立から、「世界中の人々が人生の選択を自ら決定できる社会」を目指し、国内外で事業を増やしてきました。東南アジア・東アジアでは小学校や孤児院の設立、国内では特別養子縁組事業、子どもの体験事業などに取り組んできました。

2026年は、ひとり親家庭の子どもの支援事業をスタート。ミダスキャピタル企業群と連携し、ひとり親家庭約300世帯に、冷凍宅配食を無償で提供しています。
ひとり親家庭支援のため、当事者の間に第三者の民間事業者が公正中立の立場で入り、合意を目指す「裁判外紛争解決手続(ADR)」の普及・啓発活動も計画しています。ADRによって、離婚の際の養育費の話し合いなどを円滑に進めることが期待されます。
各事業の成果を客観的なアウトカム指標で伝える
今回、ミダス財団が発行した「IMPACT REPORT 2026」は、各事業の成果と、今後の道筋を示すことにフォーカスしています。
具体的には財団が目指す「世界中の人々が人生の選択を自ら決定できる社会」の実現までの道のり、各事業の客観的な定量データを公開しています。成果を数字で示すことで、次年度の改善に生かします。
例えば特別養子縁組事業は、2025年4月から2026年3月までで、特別養子縁組で家族になった子どもと養親は78人(注1)、生みの親や養親候補へのアウトリーチは1423人(注2)、民間あっせん団体などの連携パートナーは5組でした。
(注1)特別養子縁組成立件数26組×3人
(注2)アウトリーチは生みの親の相談件数と、養親の資料請求件数

このほかインパクトレポートでは、事業の受益者やステークホルダーの“顔”を読み手に伝えようと、写真やインタビューも多く載せています。
ミダス財団が2025年に設立した「子どもの体験コンソーシアム」は、NPO、研究者、行政といった多様なステークホルダーと連携し、子どもの「体験保障」を目指すプラットフォームです。
インパクトレポートでは、コンソーシアムに参画する、認定NPO法人Learning for All の代表理事・李炯植氏と、NPO法人放課後NPOアフタースクール・代表理事の平岩国泰氏が対談し、産官学民を挙げて取り組む、子どもの体験を保障することの重要性について話し合いました。
子どもの体験は「体験格差」という「格差論」で語られがちです。しかし、「体験保障」という「保障論」として捉えることで、何をナショナルミニマム(誰もが人間らしく生きる基準)とするかを考えることにつながります。子どもの体験を保障論として議論することで、政策立案や公的支援の拡大も期待されます。
両氏は今後、コンソーシアムで進めるべきこととして、先進的な自治体モデルの確立や、0歳から青年期まで人生の節目での体験の基準づくりなどを提案しています。

「IMPACT REPORT 2026」の制作責任者である、ミダス財団 Chief Impact Officerの山添真喜子さんはこう話します。
「『IMPACT REPORT 2026』の大きな特徴は、アウトカムデータの公表にフォーカスしていることです。我々の事業によって生み出されたアウトカム(事業の結果として、対象者(受益者)に生じた変化)データをモニタリングすることで、上手くいっていることとそうでないことが浮き彫りになります。そのモニタリングの結果、どういうアクションを我々がとったか、ということについても一部の事業では説明することにしました。
また、『IMPACT REPORT 2025』から大切にしていることがあります。それは、読む方に私たちの事業の先にある受益者や連携先などのステークホルダーの顔が見える、そんなコンテンツを届けることです。『IMPACT REPORT 2026』でも、多くのステークホルダーへのインタビューや現場の写真を盛り込みました。インパクトレポートを通じて、私たちが関わっている多様なステークホルダーを身近に感じ、創出しているインパクトの手触り感を感じとっていただければ幸いです」
『IMPACT REPORT 2026』はこちらからダウンロードできます。



