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ヒアルロン酸注入は当たり前?米国ジュビダーム集団訴訟が示す美容医療のリスク

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ヒアルロン酸 アラガン社 ジュビダーム 集団訴訟
ヒアルロン酸を顔に注入する施術は、今や特別なものではなく多くの人が受ける身近な美容医療になっている。
しわやほうれい線を目立たなくしたり、唇や頬にボリュームを出したりする目的で広く行われている。
しかし2026年6月、米国でアラガン社の主力製品ジュビダームを巡る集団訴訟が提起された。
日本でも医師の投稿をきっかけに注目が集まり、当たり前になった施術の裏側にあるリスクを改めて考える動きが出ている。
 

米国でジュビダーム集団訴訟が提起

2026年6月27日、アメリカのイリノイ州北部地区連邦地裁にGarcia対AbbVieの集団訴訟が正式に提起された。
原告はカリフォルニア州在住の薬剤師で、2023年に複数回ジュビダームを顔に注入した。
その後2026年6月、注入した部位に硬い塊ができて体調を大きく崩し、入院や複数の処置が必要になったと主張している。
この硬い塊が「遅発性結節」や「遅発性肉芽腫」と呼ばれるもので、体内に残ったヒアルロン酸に対して体が異物反応を起こし、炎症を伴うしこりとして現れる状態を指す。
対象製品は主にジュビダームウルトラとウルトラプラスだ。
原告側は、このリスクを事前に十分伝えていなかった点が問題だと訴えている。
現時点では「推定的集団訴訟」と呼ばれる段階で、裁判所が正式に集団として認める「クラス認定」はまだ出ておらず、会社側の責任も確定していない。

 

「1か月以内に消える軽微な副作用」という表現

訴状の中心は、製品の説明文やラベルの書き方にある。
ジュビダームの注意書きでは、注入部位にしこりができる可能性について「1か月以内に消える軽微な副作用」として扱われていた。
一方で医学論文では、ジュビダーム系列の製品で遅発性結節が起きる割合が0.5から0.98パーセントと報告されており、他のヒアルロン酸製剤と比べてやや高いとするデータもある。
原告は薬剤師として警告表示を丁寧に確認したうえで施術を受けたにもかかわらず、数年後に重い症状が出た。
そのため「リスクが軽く書かれすぎていた」と主張している。
会社側がどの程度リスクを把握し、どのように伝えていたかが今後の争点になる見通しだ。
なお、訴訟で指摘されているのは特定の製品群であり、すべてのヒアルロン酸製剤に同じ問題があるわけではない。

 

日本では医師の投稿をきっかけに美容医療界隈で急速に拡散

日本では2026年8月12日、池袋でクリニックを開く形成外科医の投稿をきっかけにこの訴訟が広く知られるようになった。
投稿の閲覧数は短時間で20万を超え、美容医療に関わる医師や実際に注入を受けた人の間で急速に議論が広がった。
反応の多くは「アラガン製剤だけに限らない」「体調が悪いときに他の製剤でも腫れた経験がある」といったものだ。
クリニック側からは「万一供給が止まった場合に備え、別のヒアルロン酸製剤も用意しておくべき」「溶かせる体制を整えておくことが重要」といった声も出ている。主に美容医療に詳しい層の中で話題になっている状況だ。

 

遅発性結節の対処法 ヒアルロニダーゼ溶解と早期対応が鍵

遅発性結節が疑われる場合、最も基本的な対応はヒアルロニダーゼという酵素を使って残っているヒアルロン酸を溶かすことだ。
ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を分解する働きがあり、しこりを小さくしたり消したりする効果が期待できる。
炎症が強い場合は、抗菌薬やステロイド剤を併用することもある。
症状が出た際はできるだけ早く専門の医師に相談し、必要に応じて超音波検査で内部の状態を確認するのが望ましい。
すでに注入を受けていて特に症状がない人は、過度に心配する必要はない。
ただし繰り返し注入する場合は、残っている量を意識しながら計画を立てることが大切になる。

 

「ヒアル顔」や長期残存への懸念も 手軽な注入ほど慎重に

ヒアルロン酸は一般的に半年から1年程度で体に吸収されると説明されることが多い。
しかし実際には1年から2年以上残るケースも珍しくない。
注入直後の張りやボリュームに顔が慣れてしまうと、「溶けた」と錯覚してさらに追加注入を重ねてしまうことがある。
その結果、全体的に不自然に膨らんだ「ヒアル顔」と呼ばれる状態になるリスクも指摘されている。
手軽に受けられるようになった施術だからこそ、短期的な効果だけでなく、長期的に体に残る可能性や見た目の変化を十分に理解したうえで判断することが求められる。
今回の訴訟は、当たり前になった美容医療における情報提供のあり方を改めて問い直すきっかけになっている。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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