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MEGUMI「ほうれい線ストレッチ」に医師がNO ひろゆきの“てんちむ比較”はどこまで正しいのか

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MEGUMI
MEGIMI 公式インスタグラムより

MEGUMIがテレビで紹介した「ほうれい線が薄くなる」という首のストレッチに、美容外科医が「これだけで消えるのはほぼ無理」と異論を唱えた。番組では実践前後の顔が映し出され、出演者から驚きの声が上がったものの、切り抜き動画が広がると、その効果や伝え方を疑問視する声が噴き出した。美容のカリスマとして支持を集めてきたMEGUMIの発信は、なぜここまで強い反発を招いたのか。

 

 

「20秒で変わる」が映した強すぎるビフォーアフター

発端は、2026年5月24日放送の「日曜日の初耳学」だった。美容やダイエットの講師として登場したMEGUMIは、首の筋肉が顔を下へ引っ張ることで、ほうれい線が深くなると説明し、首筋をほぐして伸ばすストレッチを披露した。実践したキンタロー。の顔が前後で並べられると、頬やフェイスラインが持ち上がったように見え、出演者の驚きが一気に広がった。MEGUMIは「明日からやらなかったら元通り。美容っていうのは続けないとダメ」と語り、ストレッチを一度きりの裏技ではなく、習慣として勧めていた。

それでも、視聴者の記憶に残るのは、積み重ねの話よりも、画面に並んだ二つの顔である。朝、洗面台の鏡に顔を寄せ、口元に刻まれた線を指で押し上げた経験がある人なら、わずかな時間で変わるという場面に期待を抱く。美容番組に求められるのも、何年もかけた地味な努力ではなく、目の前で分かる変化だ。MEGUMIが紹介した数ある美容法のうち、もっとも映像映えする一部分だけが切り出され、いつしか「これをやればほうれい線が消える」という話に近づいていった。

7月11日、美容外科クリニックの統括院長が動画を引用し、「これをやるだけでほうれい線が消えるのはほぼ無理」と投稿した。MEGUMIがストレッチ以外にもさまざまなケアを重ねているはずだという指摘であり、ここまでは美容法の見せ方にブレーキをかける内容だった。ところが、ひろゆき氏が「美容整形した人がしてないと言って美容本を売るのなら、てんちむと何が違うのか」と反応したことで、話は効果の検証から、本人が何かを隠しているかのような疑惑へ飛んだ。

 

1000種類を試したMEGUMIを「一つの美容法」で語る無理

MEGUMIは2001年に芸能界へ入り、グラビアで注目を集めた後、俳優やプロデューサー、実業家へ活動の幅を広げてきた。美容の分野で支持を得たのは、専門家を名乗ったからではなく、自分の肌と体で数多くの方法を試し、失敗も含めて語ってきたからだ。2023年に発売した「キレイはこれでつくれます」は大きな反響を呼び、2026年5月の「私はこれでやせました」も美容・ダイエット部門で5週連続1位を獲得した。約1000種類の美容法を試したという経歴は、簡単な理論よりも強い説得力を持ち、「MEGUMIが続けているなら自分も」と読者を動かしてきた。

しかし、現在のMEGUMIの顔や体が、首のストレッチ一つでつくられたわけではない。保湿、食事、運動、エステ、美容医療を含む複数のケアを長年重ね、その中の一つとしてストレッチを取り入れている。にもかかわらず、番組やSNSでは、複雑な積み重ねが削られ、短時間で変わる方法だけが前へ出る。結果として、視聴者は「この人の美しさは、このストレッチのおかげだ」と受け取りやすくなる。

ここに美容情報の厄介さがある。肌や顔の変化は、一つの方法だけで説明できない。毎日パックをし、食生活を整え、睡眠や運動にも気を配っている人の顔が変わっても、何がどれだけ効いたのかは分からない。それでもテレビは、複数の要因を丁寧に追うより、左右に並べたビフォーアフターを選ぶ。SNSも「1000種類を長年続けた結果」ではなく、「20秒で顔が上がる」という短い言葉を拡散する。その方が指を止めさせやすいからだ。

 

「薄くなる」が「消える」にすり替わった

MEGUMIが番組で語ったのは、「ほうれい線が薄くなる」というストレッチだった。ところが、切り抜き動画がSNSを回ると、美容外科医の投稿では「これだけで消えるのはほぼ無理」となり、ひろゆき氏は、てんちむのナイトブラ騒動を持ち出して「同じ詐欺だと思う」と踏み込んだ。「薄く見える」と「消える」の間には大きな隔たりがあるのに、その違いは置き去りにされ、言葉だけが強くなっていった。

てんちむの騒動では、本人が過去に豊胸手術を受けていたにもかかわらず、その事実を明かさないまま、胸が大きくなる効果をうたったナイトブラの宣伝やプロデュースに関わったことが問題になった。購入者から見れば、てんちむの胸が商品の効果によるものだと受け取る余地があり、販売元との裁判では、豊胸の事実を伝えていなかったことなどが争われた。一審では約3億8000万円の支払いが命じられ、てんちむ側は控訴している。

一方、MEGUMIは美容医療やエステを利用していること自体を隠しておらず、現在の容姿を首のストレッチだけで手に入れたとも説明していない。2024年には、シートマスクについて「真皮層まで水分が入る」と受け取られかねない発言を医師から疑問視され、本人も「伝え方を見直すきっかけになった」とコメントしているため、美容体験をどこまで効果として語るのかという課題は残る。だが、豊胸を伏せて商品の成果に見せたてんちむの件と、複数ある美容習慣の一つをテレビで紹介したMEGUMIの件では、出発点が違う。

MEGUMIの説明が正確だったのかを問うのは分かる。しかし、そこからてんちむと同じ構図だと決めつければ、ストレッチの効果を検証する話は消え、本人が何かを隠しているという疑いだけが残る。今回の騒動で最も速く広がったのは、美容の知識ではなく、「詐欺」という刺激の強い言葉だった。

 

鏡の前で悩む人は置き去りに

MEGUMIは、手の届かない美貌を見せつけるだけの存在ではなく、忙しくても続けられる方法を自分の言葉で伝えてきた。その親しみやすさが支持を広げた一方、本人の体験が「誰にでも効く方法」として受け取られる危うさも抱えている。だからこそ必要なのは、ストレッチを否定するか、MEGUMIを擁護するかという二択ではなく、何が一時的な見た目の変化で、何が医学的に確認された効果なのかを分けることだ。

首を20秒伸ばせば顔が変わるという映像は、テレビではよく映える。そこへ医師の否定と「詐欺」という言葉を重ねれば、SNSではさらに数字が伸びる。しかし、その騒ぎの中心から、毎朝鏡を見てほうれい線にため息をつく人の切実さだけが抜け落ちている。今回の騒動で残ったのは、ストレッチが効くかどうかという答えより、美容の体験談がSNSを通るうちに、本人の意図を離れて強い疑惑へ変わっていく怖さだった。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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