
米大リーグ・ツインズ傘下3Aセントポールのコ・ウソク(高佑錫)投手が、現地7月24日(日本時間25日)のコロンバス・クリッパーズ戦で、グラブ内部の異物を理由に1球も投げないまま退場となり、MLB機構から10試合の出場停止処分を受けた。地元紙ミネソタ・スター・トリビューンによると、処分は現地25日から適用された。
一方、スポーツニッポンは27日、コが自身のInstagramで、付着物は汗とロジンが革に固着したものであり、規則で禁じられた物質は使っていないと反論したと報じた。コは選手会を通じて異議申し立てを進める意向を示している。
セントポール初登板で1球も投げず退場 グラブは審判団が押収
コは7月5日にデトロイト・タイガースから金銭トレードでツインズへ加入し、同9日(日本時間10日)のクリーブランド・ガーディアンズ戦でメジャーデビューした。4試合に登板した後、21日に3Aセントポールへ降格。24日のコロンバス戦がセントポールでの初登板となる予定だった。
7回にブルペンからグラウンドへ出ると、投手交代時の検査で審判がグラブの手を入れる部分を確認した。3人の審判が協議し、監督や通訳らへの説明を経て退場を宣告。グラブは押収され、セントポールはC.J.カルペッパーを急きょ登板させた。コの登板は記録されなかった。
MLBは10試合停止 コ・ウソクは「汗とロジンの固着」と主張
MLBは2021年から、投手の手やグラブなどを審判が検査する運用をメジャー、マイナー双方で強化した。MLBの指針では、投手が規則に反する異物を所持・使用したと判定された場合、即時退場と10試合停止の対象となる。処分に対する異議申し立ての手続きも設けられている。
コはInstagramで、問題とされた部分は今春のWBCから使ってきたグラブに汗とロジンが繰り返し混ざり、革に固着したものだと説明した。爪で強く削らなければ落ちないほど硬く、投球には影響しないとして、不正な物質の使用を全面的に否定。グラブの状態について事前に疑われる可能性を認識できなかった点は自身の不注意だったとしながら、選手会を通じて処分に異議を申し立てるとしている。あわせて、公正さをスポーツで最も大切な価値と位置づけ、規則で禁じられた物質を使ったことはないと主張している。
KBOセーブ王から渡米3年目 7月にメジャーデビュー
コは韓国プロ野球のLGツインズで2017年から2023年までプレーし、通算139セーブを記録した。2022年には42セーブを挙げ、KBOの最多セーブ投手となった。2024年1月、サンディエゴ・パドレスと2年総額450万ドルで契約したが、メジャー登板のないまま同年5月にマイアミ・マーリンズへトレードされた。
FanGraphsの記録では、渡米1年目の2024年はマイナー44試合で防御率6.54。2025年は32試合で防御率4.46だった。今季はメジャー昇格前までマイナー27試合、41回3分の1を投げて防御率1.96、54奪三振、13四球を記録。ツインズでメジャーデビューを果たしたが、4試合4回で8安打4失点、防御率9.00となり、3Aへ戻っていた。
大谷翔平への「故意死球」発言 3年後に意図を否定
コの名が日本で広く知られたきっかけは、2023年WBC前の大谷翔平選手をめぐる発言だった。対戦時に投げる場所がなければ、痛くないところに当てるという趣旨の発言が「故意死球を示唆した」として批判を浴び、本人は冗談だったと説明して謝罪した。直前の強化試合で肩を痛め、同大会では登板しなかった。
2026年3月、コはFull-Countの取材に、故意に当てる意図はなかったと改めて否定。大谷について自分が語ること自体が失礼に感じると述べていた。今回の声明では、公正さをスポーツで最も大切な価値と位置づけ、不正な物質を使ったことはないと主張している。



