
8月6日に東京都江東区のJR新木場駅構内でパトロール中の警察官が職務質問し、微量の乾燥大麻が見つかった。
本人は任意の調べに対し所持を認めている。
五輪種目化で注目を集めた競技で再び起きた摘発は、過去の類似事例と重なり、改正後の罰則強化が選手と団体に与える影響を浮き彫りにしている。
書類送検の経緯
事件が起きたのは2026年8月6日。JR新木場駅構内で巡回中の警察官が青木選手に職務質問を実施し、所持品から微量の乾燥大麻を発見した。
警視庁東京湾岸署は9月17日付で書類送検した。逮捕はされず在宅での手続きとなった。
青木選手は調べに対し「間違いありません」「所持していたことは間違いない」と容疑を認めている。
新木場駅周辺は夢の島スケートパークや有明の五輪会場に近く、選手や愛好家が集まりやすい場所とされる。
微量所持かつ認めたケースでは起訴判断が今後の焦点になる。
青木勇貴斗選手の経歴
青木勇貴斗選手は2003年9月4日生まれ、静岡県静岡市清水区出身。
5歳頃からスケートボードを始め、小学6年でプロライセンスを取得した。
2019年に全日本選手権男子ストリートで優勝し、同年の世界選手権で6位。
2021年東京オリンピックでは男子ストリート予選17位だった。
2025年11月に北九州市で開かれたワールドツアーでは3位に入り、国際競技連盟のシード選手かつ日本連盟の特定強化指定選手として活動を続けていた。
フリップを得意とするストリート選手として国内外で実績を積んできた。
スケートボード界の過去の摘発例
スケートボード選手や周辺人物による大麻所持の摘発は、今回の青木勇貴斗選手の件以前から複数報じられてきた。
2023年5月、2017年に開催された全日本選手権ストリート種目の初代優勝者で東京五輪強化指定選手だった池田大亮選手(当時22歳)が逮捕された。
容疑は2022年11月に川崎市の自宅で大麻を所持した疑いだった。
所属するムラサキスポーツは公式サイトで「関係者の皆さま・ファンの皆さまには大変ご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、本人と連絡が取れず事実確認中だと説明した。
東京地検は同年8月17日に不起訴処分とした。理由は明らかにされていない。
池田選手はその後も2025年4月に台湾遠征中のビル不法侵入と落書きで活動自粛処分を受けている。
同年11月26日には、プロスケーターの吉岡賢人選手(当時24歳)が逮捕された。
容疑は2023年7月12日正午から午後3時頃、神奈川県葉山町の堀内海岸付近で乾燥大麻約0.4グラムを所持した疑いだった。
近隣住民が「挙動不審なグループがいる」と通報し、駆けつけた警察官の職務質問で発覚した。
吉岡選手は容疑を認めている。
愛媛県松山市出身で中学卒業後に上京し、ストリート寄りのスタイルで知られ、自身のブランドを展開するとともにEvisen Skateboardsやadidas Skateboardingと契約していた。
東京五輪閉会式でスケートボードのパフォーマンスをした。
2021年10月27日には愛知県警が、名古屋市中区栄に住む自称スケートボーダーの21歳の男2人を大麻取締法違反(営利目的所持)容疑で現行犯逮捕した。
2人は中区の若宮大通公園に集まるスケボー仲間で、同居するマンション自室で乾燥大麻約101グラム(末端価格約60万円)を販売目的で所持した疑いだった。
部屋からはスピーカーの中などに隠された大麻草や薬物とみられる錠剤、現金約550万円が押収された。
県警は2019年秋から公園で違法薬物の使用や密売の情報提供を受けて捜査していた。
これらの事例はいずれも微量または比較的小規模な所持が中心だが、競技人口に対して目立つ形で報じられ、五輪種目化後のイメージへの影響が指摘されてきた。
連盟側が今回「非常にがっかり」と述べた背景には、こうした繰り返しがある。
法改正と連盟の対応
2023年から2024年にかけての法改正で大麻は麻薬として位置づけられ、所持に加え使用も禁止された。
単純所持の法定刑は7年以下の拘禁刑に引き上げられた。
微量かつ初犯に近い場合は執行猶予付き判決となる例が多いとされるが、起訴の有無は検察判断次第だ。
ワールドスケートジャパンの岩片則雄専務理事は「今朝知った。事実確認を進め、確認が取れ次第発表する。連盟として大変申し訳ない。非常にがっかり」と述べ、対策を協議する方針を示した。
五輪2連覇の堀米雄斗選手らによるメダルラッシュで注目が高まった競技だけに、イメージへの影響が懸念されている。



