
実業家でYouTuberのひろゆき氏(本名・西村博之)と、元兵庫県明石市長で参院議員の泉房穂氏が、地域政治への進出を掲げる政治団体「ひろゆき&いずみ新党(仮)」を設立した。設立日は7月20日で、27日に東京都選挙管理委員会へ政治団体設立届を提出。2人が共同代表に就いた。2027年4月の統一地方選では、東京都内11区の区長選を中心に候補者を公募する。
一方、ひろゆき氏の妻・西村ゆか氏は、設立後の23日に初めて計画を聞かされたと明かし、「騙し討ちにあった気分です」「社会のためという大義名分のために政治利用されるのはまっぴらです」と反発した。
都内11区長選から全国の首長選へ 将来は国政進出も
東京新聞によると、候補者の擁立を目指す区長選は、中央、文京、台東、墨田、大田、世田谷、渋谷、豊島、北、板橋、江戸川の11区。神奈川、大阪、北海道など8道府県の知事選、相模原、浜松、静岡など6政令市の市長選も検討し、全国で約200ある市町村長選にも候補者を送り出す構想だ。将来の国政進出も掲げている。
ひろゆき氏は7月29日の「ABEMA Prime」で、新党は現時点で2人だけだと説明した。自身が出馬する必要はないとの考えを示し、「まともな大人を募集しております」と候補者の公募を表明している。
名称に「新党」とあるが、東京都選管に提出されたのは政治資金規正法に基づく政治団体設立届である。現時点では、ひろゆき氏と泉氏を共同代表とする政治団体として始動した。
党名募集を開始 政策はまだ骨格段階
泉氏の公式サイトには7月30日時点で、「ひろゆき&いずみ新党(仮)」の専用ページが設けられている。「ホンネで語り、本気で行動する『有言実行』新党」と掲げ、国民の生活と命を守る政治の実現を目標に設定。党名と意見を受け付けるフォームを公開している。候補者公募の方法や応募条件は、同日午後の時点で掲載されていない。
ひろゆき氏は新党設立の理由について、実質賃金の低下や少子化が続く一方、国会では子どもを増やす政策や教育が十分に議論されていないと「ABEMA Prime」で主張した。Xでは、日本人人口が1年間で91万人減り、2025年の出生数が67万人で過去最少になったことに触れ、政府の人口政策を批判している。
総務省統計局の人口推計では、日本人人口は前年同月比91万4千人減。厚生労働省の2025年人口動態統計では、出生数は67万1236人となっており、投稿の数値は公表資料とおおむね一致する。
泉氏が明石市長時代に進めた子育て支援を各自治体でどのような制度にするのか、財源をどう確保するのかを示す政策集はまだ公表されていない。
設立は20日、妻が初めて聞いたのは23日
西村ゆか氏によると、ひろゆき氏から泉氏との昼食に誘われた7月23日、その席で突然「政治団体を作ることにした」と告げられた。泉氏は、ゆか氏が何も聞いていなかったことを知ると、「家族の同意が一番大切だと思うので話しあってください」と促したという。
政治団体の設立日は20日と報じられており、ゆか氏が計画を聞いたのはその3日後、東京都選管への届出の4日前だった。ゆか氏は、夫婦で合意しないまま29日に設立が報じられたとして、「話しあってくださいってどういう意味だったんでしょう?」「そりゃ少子化も止まらないわ」と投稿した。
さらに、ひろゆき氏と泉氏を含むグループLINEで経緯を尋ねたものの、ひろゆき氏からは「届出をしただけでまだ何も決まっていない」と返答され、それ以上の質問には回答がなかったと説明。泉氏からも返答がなかったとして、「強行突破で外堀を埋められているようにしか感じられない」と訴えた。
ゆか氏は、ひろゆき氏が事前に相談しなかったこと自体について、泉氏の責任だとは考えていないとも記した。そのうえで、家族で話し合うよう促した泉氏が、合意のないまま届出後の取材に応じたことへの疑問を示している。
7月30日午後までに、ひろゆき氏と泉氏は党名募集や新党の連絡先を案内しているが、ゆか氏の一連の投稿に対する公開の回答は確認されていない。2027年4月の統一地方選まで約9カ月。候補者の選定方法、政策集、資金や各地の選挙体制は未公表のままである。



