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キャンプ女子、廃棄予定の無農薬ハーブを天然のお香に 熊本BLANCOと共同開発

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提供:キャンプ女子株式会社

品質は落ちていないのに、行き場のなかったハーブが、お香に生まれ変わる。キャンプ女子が展開する無添加お香ブランド「CRYSTAL INSENCE(クリスタルインセンス)」が、熊本県山都町のハーブティーブランド「BLANCO TEATAILOR」と組み、廃棄予定だった無農薬ハーブを原料にしたお香を23日に発売した。

捨てられるはずだった茶葉を香りとしてよみがえらせる試みだ。

 

行き場のない茶葉を、香りに

同社によると、BLANCO TEATAILORは熊本県山都町の畑で、種まきから収穫、乾燥までを自社で手がけ、農薬と化学肥料を使わずにハーブを育てている。同ブランドは、その年に収穫した最も新しい茶葉だけを商品として出荷する方針をとる。そのため前年産の茶葉は、品質に問題がないまま廃棄される予定だった。飲用として出荷できない茶葉でも香料としての価値は失われていない。そう判断したクリスタルインセンスが茶葉を譲り受け、お香の原料に使う。食品ロスを減らす取り組みの多くは、食べ物を別の食べ物として生かす。香りという異なる用途に転じた点に、この商品の新しさがある。

 

経営大学院の同期から生まれた共同開発

両ブランドの接点は、人のつながりにある。同社によると、クリスタルインセンスの香司・柴垣道宏さんと、BLANCOの吉山龍弥さんは経営大学院の同期だ。在学中に一緒に事業を手がけたことはなく、それぞれ別の場所で事業を立ち上げてから数年がたっていた。久しぶりに事業について語り合った際、双方が社会課題を事業の中心に置いていることが分かり、共同開発に至った。吉山さんは作業療法士として障がい者福祉や児童福祉の現場に携わった後、高齢化率が6割に届く山都町で起業し、規格外野菜の買い取りや使われなくなった農地の活用に取り組んできた。異なる分野で社会課題に向き合ってきた二人が再会し、互いの事業の根にある思いが重なったことが、今回の協業を生んだ。利益の追求だけでなく、地域や資源の課題に向き合う姿勢が、二つのブランドをつないだ。

 

「消えかけているもの」を使い続ける

両社の事業には、共通する姿勢がある。同社によると、クリスタルインセンスはお香を棒状にまとめる「つなぎ粉」に、椨(タブ)の樹皮を挽いた粉を使う。この粉を挽ける職人は国内に2社しかなく、高齢化と後継者不足であと5年で技術が途絶えるとも言われているという。品質は十分なのに捨てられる茶葉も、消えかけた手仕事も、使い続けることで残す。その点で両社の思いは重なる。商品は約60本入りで、価格は税込7700円。先着50個にはBLANCOのハーブティーを添える。大量生産では効率が優先され、こうした素材や技術はこぼれ落ちやすい。小さなブランドどうしだからこそ、手間のかかるものに価値を見いだせる。

 

手仕事がつむぐ香り

発売するお香は「HERBAL HOUR ホーリーバジル & レモングラスのお香」。立ち上がりはレモングラスの青くすっきりとした香り、中盤はホーリーバジルの甘さとスパイス、終盤はつなぎに使った椨の落ち着いた木の香りが残るという。一日のはじまりに焚く一本として調香された。約15分で燃え尽きる一本に、育てる人と作る人の手間が凝縮されている。

クリスタルインセンスは2024年に生まれた福岡発のお香ブランドで、天然素材100%・無添加をうたう。広告を出さずSNSの口コミだけで、2026年3月時点の累計は25万本に達した。発表主体のキャンプ女子は2019年設立で、キャンプ場の運営支援やお香の製造販売などを手がけている。無農薬で手摘みのハーブという素材の背景も、香りとともに伝えていく考えだ。広告に頼らず口コミで広がってきたブランドだけに、物語のある一本は共感を呼びやすい。

育てた人の手間と、受け継がれる手仕事が、一本のお香に重なる。廃棄されるはずだった素材を生かすこの取り組みが、作り手と使い手にどんな価値を届けるのかが注目される。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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