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株式会社吉村

https://yoshikagu.com

埼玉県所沢市東町20-10

金沢の町家に珈琲の香りを。家具・建築から柔術へ、吉村グループが広げる事業のかたち

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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吉村 イメージ
提供:吉村

金沢・ひがし茶屋街の町家に、注文を受けてから珈琲豆を焙煎する店がある。古い建物の趣を残しながら、現代のデザインやアートを取り入れた「COFFEE GALLERY ひがし茶屋街」だ。この店舗づくりに携わった吉村グループは、埼玉県所沢市に拠点を置き、家具や建築から珈琲、ブラジリアン柔術まで事業を広げてきた。2026年には新たなホールディングス体制へ。異なる分野で仕事をする同グループが、地域との関わりをどう考え、何を目指しているのか。

 

金沢の町家に、珈琲とアートが共存する空間を

注文を受けてから生豆を焙煎する。豆の香ばしい香りと焙煎の音まで、店で過ごす時間の一部として楽しめる。金沢のひがし茶屋街にある「COFFEE GALLERY ひがし茶屋街」は、そんな珈琲の楽しみ方を取り入れたギャラリースタイルの店だ。アート作品や伝統工芸を取り入れたスペースも併設し、一杯の珈琲とともに金沢の文化に触れられるようにしている。

店の舞台となったのは、歴史を重ねた町家建築。その店舗づくりに携わったのが、埼玉県所沢市を拠点とする吉村グループだ。内装では、ひがし茶屋街の景観を損なわず、茶屋建築が持つ姿を生かすことを重視した。表装もできる限りありのままを使用し、古民家本来の風合いを感じられるようにしたという。

一方、内装には現代的なデザインも織り込み、町家の意匠と組み合わせた。店内には、熊本の城下町にある「珈琲回廊」の世界観も取り入れている。焙煎する珈琲とアート、伝統工芸。異なる要素が店内に置かれていても、建物が持つ歴史や街並みへの配慮が、店舗づくりの出発点にあった。

吉村グループにとって、この仕事が印象深かった理由は内装だけではない。店舗を形にする際には、地域の人々や多くの関係者と協力した。長く受け継がれてきた街並みと文化を尊重しながら、新たな店をつくる。その過程に関わったことを、同グループは大切な経験として挙げている。古い町家を生かしながら、珈琲店という新しい役割を持たせた仕事だった。

家具と建築の仕事で培ってきた、長く続く関係

 

吉村グループの母体は、1952年創業の株式会社吉村である。現在の株式会社吉村が手掛けるのは、アパレル事業、家具の卸販売、デザイン業務。グループの株式会社吉村組は、建築や内装工事、空間づくりを担う。人が集まり、働き、暮らす場所に関わる仕事は、現在の多様な事業を理解するうえでも欠かせない一面だ。

建設事業では、一度の仕事をきっかけに顧客との付き合いが長く続き、次の仕事も任されることがある。吉村グループは、それを信頼の証と受け止めている。また、店舗づくりをはじめとする仕事は、社員や協力会社、地域の人々の協力によって成り立っていると考えている。仕事を任せる顧客との信頼だけでなく、共に手掛ける人々との関係も大切にしてきた。

その一方で、建設を取り巻く課題として意識しているのが、職人不足や歴史ある建物、文化の継承である。既存建築物の再生と技術の継承は、建設分野で取り組んでいるテーマの一つだ。新しい建物や空間をつくることだけでなく、すでにあるものを次へ生かすことにも目を向ける。技術を次の担い手に受け継ぐことも見据えている。

吉村グループは、人口減少や地域経済の衰退も課題として挙げる。1952年の創業以来、時代の変化の中で事業を続けてきた経験から、企業も変わり続けなければ社会から必要とされなくなると感じているという。受け継いだ仕事を続けるだけではなく、時代に合わせて事業を広げることも選んできた。その広がりを象徴するのが、珈琲とブラジリアン柔術という、一見すると家具や建築とは離れた分野だ。

所沢の「顔」になる商品を考え、珈琲と柔術へ

 

珈琲事業に進んだきっかけとして吉村グループが挙げるのは、地元・所沢の顔となるようなグッズや商品を開発したいという思いだ。そのための業態として、珈琲店が適していると考えた。

そのタイミングは、「エミテラス所沢」の開業とも重なった。珈琲事業は金沢のひがし茶屋街にも広がり、町家を活用した店舗づくりへとつながっている。グループ内で珈琲事業を展開するのは、株式会社武蔵國LABORATORY。同社は珈琲を通じて地域文化を発信することに取り組んでいる。金沢の店舗では、珈琲とともにアート作品や伝統工芸に触れられる空間をつくった。

もう一つの取り組みが、株式会社ストライプスのブラジリアン柔術事業だ。所沢で開業したのは、より多くの市民に柔術を知ってもらいたいと考えたため。ブラジリアン柔術を通じた健康づくりとコミュニティの形成に取り組み、世代を超えた交流の場を育てようとしている。

同グループは、柔術の普及を、街の安全を支える一つの取り組みとも考えている。柔術を多くの市民に知ってもらうことに加え、所沢をより豊かな街にしたいという考えがある。珈琲店に人が集う様子や、柔術を通じて新しい仲間が生まれる姿に、事業の意義を感じているという。珈琲を楽しむことと、柔術に親しむこと。関わり方は異なっても、地域で人が出会う場所が生まれている。

各社の成長を見据え、2026年にホールディングス体制へ

 

事業が広がるなか、吉村グループは2026年、新たなホールディングス体制に移行した。背景にあったのは、事業が大きくなり、それぞれの分野が会社として成長するタイミングだという判断である。建設、珈琲、スポーツなど異なる分野の事業が、それぞれ独自の強みを持つ企業へと育っていくことを目指している。

同時に、各社の成長をグループ全体の新しい価値にもつなげたいと考えている。各事業で担う役割は異なる。歴史ある建物を生かす空間づくり、珈琲を通じた地域文化の発信、柔術による健康づくりや交流。事業ごとに向き合う相手も、仕事の内容も違う。その違いを持ったまま、各分野の成長を目指す体制を選んだ。

その先の組織づくりについても構想がある。社員一人ひとりが夢や目標を持ち、自ら考え、挑戦できる組織にすることだ。顧客や取引先、地域の人々、社員に支えられて事業を続けてきたという思いがあり、人との縁や信頼関係を今後も大切にしたいと考えている。仕事を通じて喜びを分かち合えることを、グループにとっての大きな財産と捉える。

目標は、100年企業として時代が変わっても社会から必要とされ続けること。活動の舞台を地域から全国、そして世界へと広げ、より多くの人々の暮らしや文化を豊かにする企業グループを目指す。売上や規模だけではなく、人をどれだけ喜ばせ、次の世代に何を残せるか。そうしたものの積み重ねを企業の価値と考えている。

「伝統を守ることと、新しいことに挑戦することは、決して矛盾しません。」という言葉も、その将来像を支えている。1952年から続いてきた事業を土台に、2026年には新たな組織のかたちを選んだ。これまで培った信頼と挑戦する精神を次の世代につなぎ、それぞれの分野で成長を目指している。

吉村 イメージ
提供:吉村

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ライター:

株式会社Saccoマネージャー、株式会社Blockchain Tech Farm 代表取締役。営業や多岐にわたる事業での経営経験を経て、2014年にブロックチェーン分野へ参入。2017年に株式会社Blockchain Tech Farmを設立し、非金融領域でのブロックチェーン活用を推進。多くの企業との縁から、現在は株式会社Saccoのマネージャー、ライターとしても活動している。

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