
東京メトロ千代田線・根津駅から徒歩3分の細部小児科クリニック。細部千晴院長は小児科を「子どもの総合診療の入口」と位置づけ、どこに相談すべきか迷う体調の変化があれば、まずはかかりつけ医の小児科に気軽に相談してほしいと語る。
細部院長が診療の中心に置くのは、病気を診ることだけではない。生まれた直後の不安、家庭でのホームケア、思春期の悩み、さらには保護者の体調や家庭環境まで——「子どもを育てる家族をどう支えるか」という視点である。
小児科を、子どもの体調が悪いとき「だけ」行く場所ではなく、子育ての見通しを一緒に整える相談先へ。その思いの源泉と実践を聞いた。
症状だけでなく、家庭の不安に寄り添う「子育て支援」
細部院長が診療の核に据えるのは「子育て支援」だ。熱や咳、感染症など、何かあったときに受診する場所であると同時に、その手前にある不安にも応える存在でありたい——。赤ちゃんが生まれれば、親の不安は次々に湧く。どこに相談してよいかわからないまま抱え込ませないために、同クリニックでは、乳児健診やワクチンに加え、出産前・出産後の小児保健指導「ペリネイタルビジット」や育児相談を診療の柱に据えている。
細部
「症状だけを診るのではなく、子どもを育てているご家庭が、日々の不安や疑問を相談できる場所でありたいと思っています」
出産後にどのような心配ごとが起きやすいのか、ワクチン接種はどう進めるのか、救急時はどこに相談すればよいのか。そうしたことを早い時期に知っておけば、親が子どもを見守るときの見通しを持ちやすくなる。

産婦人科の家庭に育ち、自身の子育てでも悩んだ
小児科医を志した原点は、実家が産婦人科の開業医で、生まれたばかりの赤ちゃんに触れる機会が多かったことにある。NICU(新生児集中治療室)のある名古屋市立大学で新生児医療を学び、上京後は大学病院で一般小児科も経験した。やがて地域での開業を選んだのは、病気の診断・治療の手前にある「もっと身近な悩み」に向き合いたかったからだという。
細部
「私自身も、子育てでは戸惑いました。小児科医として赤ちゃんを診てきた私も、自分の子どもが生まれてすぐのころは、どのくらいミルクを飲ませればよいのか、吐いたときはどうすればよいのかなど、おおいに悩みました。小児科専門医である私でもそうだったので、初めて赤ちゃんを迎えたご家庭は、もっと不安だろうと思ったのです」

ワクチンデビュー前の「産後2週〜1か月」を支える
細部院長がとりわけ力を注ぐのが、生後2か月のワクチンデビューより前、産後2週間から1か月の時期だ。授乳、吐き戻し、肌のケア、鼻づまり、泣き方、眠り方——右も左もわからないこの時期に、医療の視点で相談できる場所は少ない。そこを支えたいと考えたことが、ペリネイタルビジットに力を注ぐ理由になっている。
細部
「小児科では、目やにだけ、鼻水だけ、肌だけを見るのではなく、その子の体調全体を見ます。ワクチンは進んでいるか、熱が出たらどうするか、家庭でどのようにケアするか、必要なときにどこへ紹介するかまで考えます」
肌荒れがあれば皮膚科、目やにが出れば眼科と、症状ごとに受診先を変える保護者もいるが、最初から各科を回ると、子どもの全体像が見えにくくなることがある。その子や家族の背景を知っているかかりつけ医なら、適切な判断ができる。

家族ぐるみで、そして地域ぐるみで支える
支える対象は子どもだけにとどまらない。子どもの体調と家庭の状況は切り離せない、という考えのもと、家族全体の背景を理解し、できる範囲でサポートをおこなっている。子どもを連れて来院した保護者についても、風邪や花粉症などであれば相談に応じ、専門的な対応が必要なら適切な医療機関へつなぐ。
診察室の外でも、文京区医師会の「子育て支援セミナー」、待合室を開放する「ひよこくらぶ」、世代を超えて集う「根津ひまわりサロン」と、親子が孤立しないための場を地域に広げる。子どもの思春期に向き合う思春期外来や、臨床心理士と連携する発達相談も担う。
細部
「私が考える『子育て支援』は、赤ちゃんとお母さんだけのものではありません。祖父母世代や地域の方も関わります」
家族を丸ごと支える「家族ぐるみのかかりつけ医」でありたい——。それが院長の考えだ。

「この程度で」と迷う前に、まず相談を
育児書の監修やNHK Eテレ番組の医学監修、「希望するすべての人たちにワクチンを」がテーマの啓発活動「ワクチンパレード」など、細部院長の発信は診察室の外にも広がる。いずれも、適切な情報を家庭に届けたいという一点でつながっている。
細部
「『この程度で受診していいのかな』『こんなことを聞いていいのかな』と思うことがあるかもしれません。でも、子どものことで迷ったら、まず小児科に相談してください。大切なのは、親御さんが一人で抱え込まないことです」
目やにや鼻水、肌のトラブルといった一つひとつの症状を、生活全体の中で捉え直す。発熱や睡眠、機嫌、ワクチン、家庭でのケアまでを含めて子どもを見ようとするとき、「まず小児科へ」という言葉の意味が見えてくる。
病気を診るだけでなく、家庭でできることと医療につなぐべきことを一緒に整理し、親子が孤立しないための入口を地域に置く。細部小児科クリニックが守り続けているのは、子どもとその家族の人生に伴走する、かかりつけ医の眼差しだ。

診察室での診療と、診察室の外に広がる子育て支援を両輪とし、診療科の枠にとらわれず子どもの体調全体から家庭の不安にまで目を向ける、細部小児科クリニックが実践する「かかりつけ小児科医」の考えを徹底解剖。新生児医療から一般小児科まで研鑽を積んだ経験を地域に還元し、親子の不安や孤立に寄り添ってきた細部千晴院長の軌跡は、医療系メディア『ウィズマインド』の特集記事をご覧ください。
特集記事:『子どもの体調の変化、子育ての不安、まず小児科に相談を。細部小児科クリニックが提唱する「かかりつけ小児科医」のありかた』
※ウィズマインドは、あなたの悩みに寄り添った美容クリニック・医療機関を発見するために、医師・スタッフの「想い」をお届けするメディアです。
【クリニック情報】
細部小児科クリニック
院長:細部 千晴(ほそべ ちはる)
所在地:〒113-0031 東京都文京区根津2-14-11 Tツインズビル2階
URL:https://hosobe-pediatrics.com/
診療科目:小児科
日本小児科学会認定の小児科専門医として、乳児健診や予防接種に加え、ペリネイタルビジット、育児相談、思春期外来、発達相談、オンライン診療まで幅広く対応。診察室の外でも地域の子育て支援に取り組み、子どもと家族全体を見守る「かかりつけ小児科医」を実践している。



