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アズマ四国、徳島・那賀町で空き家再生 「わじき・にぎわい再生プロジェクト」始動

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アズマ四国の空き家再生プロジェクト
提供:アズマ四国

宿場町としてにぎわった面影を残す町で、増え続ける空き家を地域の資産に変える試みが始まる。徳島県のリフォーム会社アズマ四国は、那賀町の鷲敷地区で空き家を再生し、地域を活性化する「わじき・にぎわい再生プロジェクト」を始めた。

創業50年の節目に、地域への恩返しとして立ち上げた取り組みだ。

 

宿場町の空き家を地域資産に

同社によると、舞台となる那賀町の鷲敷地区は、かつて宿場町として栄えた歴史を持つ。しかし時代とともに商店が減り、空き家が増え、地域コミュニティの維持が課題となっていた。住宅の改修や空き家の管理を50年にわたって手がけてきたアズマ四国は、そのノウハウを生かし、「空き家」を地域の資産へと転換しようとしている。特徴は、一過性で終わらせない体制づくりだ。那賀町、阿波銀行、徳島県立那賀高校と「官民金学」で連携し、持続可能なまちづくりを目指す。

全国の地方で、人口減少とともに空き家が増え、まちの担い手や活気が失われる例は少なくない。空き家は放置されれば老朽化し、防災や景観の面でも地域の重荷になりやすい。それを負の資産として抱え込むのではなく、宿泊や商いの拠点として生かし直す発想が、このプロジェクトの根底にある。

 

第1号「和食庵」は民泊と洋菓子店

プロジェクトの第1号となるのが、那賀町和食にある「和食庵」だ。同社によると、木造2階建ての建物を、4室の民泊客室や店舗スペース、サウナ、5台分の駐車場を備えた施設に再生する。民泊は最大10名が泊まれ、スマートロックや非対面のチェックインによる無人運営の仕組みを取り入れる。店舗には、洋菓子店「パール洋菓子店」の県内2号店を誘致し、レモンケーキやジェラートを販売する。柚子やすだちの収穫期には、季節労働者向けの短期賃貸としても活用する。那賀高校とは「総合的な探究の時間」で連携し、生徒が地域づくりに参画する。宿泊、商い、教育という異なる要素を一つの拠点に重ねることで、多様な人が行き交う場を目指す。

 

「通過型」から「立ち寄り・消費型」へ

狙いは、観光のあり方を変えることにある。同社によると、那賀町を訪れる観光客は日帰りが多く、通り過ぎるだけになりがちだった。民泊で宿泊する人を生み出し、洋菓子店という立ち寄りスポットをつくることで、「通過型観光」から「立ち寄り・消費型観光」への転換を図る。宿泊や夜間の消費が増えれば、地域に落ちるお金も増える。さらに、SUPやカヌーといった体験型のコンテンツも用意し、中長期的なリピーターの獲得を狙う。地域の雇用を生み出すことにも取り組む方針だ。

観光客が日帰りで通り過ぎるだけでは、地域にお金が落ちにくい。一泊し、食事をし、体験を楽しんでもらえれば、一人あたりの消費は大きく膨らむ。自然豊かな那賀町の魅力を、滞在の時間をかけて味わってもらうことが、地域経済の底上げにつながる。

 

創業50年、地域への恩返し

アズマ四国は、1980年創業のリフォーム会社で、空き家の管理や水回りのメンテナンスなども手がけてきた。4月には、空き家の予防に特化した「いえつな」というサービスも始めている。空き家に長く向き合ってきた会社ならではの取り組みといえる。

吉岡明治代表取締役は、鷲敷地区を「宿場町としての長い歴史と温かいコミュニティがある大切な場所」としたうえで、空き家の増加に危機感を抱いてきたと語る。単なる建物の改修にとどめず、宿泊人口の創出や立ち寄りスポットの形成、高校生との教育連携を通じて、持続可能な地域の循環を生み出したい考えだ。地域の高校生が地元の再生に関わる経験は、将来の担い手を育てることにもつながる。

空き家の再生は、建物を直すだけでは続かない。そこに人が集まり、商いが生まれ、地域が関わり続ける仕組みがあって初めて、にぎわいは根づく。官民金学の連携という形は、その継続性を担保するための工夫でもある。 プロジェクトは、2026年11月20日・21日のプレオープンを経て、22日に正式オープンする予定だ。一軒の空き家再生から始まる取り組みが、町のにぎわいをどこまで取り戻せるかが注目される。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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