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廃食用油を未来の燃料に 岐阜・恵那のケイナンクリーンがモルディブ展開で「はばたく300社」受賞

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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ケイナンクリーン ReESEL
画像出典:ケイナンクリーン株式会社 プレスリリース

天ぷら油の使い古しが、走る燃料へと生まれ変わる。岐阜県恵那市の廃棄物処理会社ケイナンクリーンが、廃食用油を原料とする高純度バイオディーゼル燃料の開発と、モルディブでの資源循環事業への挑戦が評価され、経済産業省中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社(海外展開部門)」を受賞した。

 

全国336万社から選ばれた地方企業

同社によると、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」は、革新的な製品・サービスの開発、海外展開、地域経済への貢献など優れた取り組みを行う企業を表彰する制度だ。全国約336万の中小企業・小規模事業者の中から選ばれた。

今回の受賞は、高純度バイオディーゼル燃料「ReESEL(リ・エセル)」の開発・普及と、モルディブ共和国における廃食用油資源循環事業など海外展開への取り組みが評価されたもの。ケイナンクリーンは一般・産業廃棄物処理事業を基盤としながら、地域で発生する廃食用油を資源として活用する循環型事業を展開してきた。同社は、受賞は社員一人ひとりの日々の業務と、顧客や地域から寄せられた信頼の積み重ねによるものだとしている。

「廃棄物を資源へ」生まれ変わる天ぷら油

「ReESEL」は、廃食用油を原料とした高純度バイオディーゼル燃料だ。地域で発生した廃食用油を再生可能エネルギーへ転換し、脱炭素社会の実現に貢献する燃料として、自治体や民間企業での利用拡大を進めている。

「廃棄物を資源へ」という理念のもと、同社は地域資源循環モデルの構築に取り組んできた。家庭や飲食店から出る使用済みの食用油は、適切に処理されなければ環境負荷となるが、これを燃料として再生すれば、廃棄物の削減と化石燃料の代替を同時に実現できる。身近な廃棄物を地域のエネルギーへ変える、わかりやすい循環の形だ。原料が地域内で調達でき、燃やしても実質的な二酸化炭素の増加が抑えられるバイオディーゼルは、輸送コストの削減と脱炭素の双方に資する。

 

観光地モルディブで挑む資源循環モデル

同社が現在挑戦しているのが、JICA事業を通じたモルディブ共和国での廃食用油資源循環事業だ。観光産業が盛んなモルディブでは、多くの廃食用油が発生している。ケイナンクリーンは現地関係機関と連携し、廃食用油の回収からバイオ燃料利用までをつなぐ循環型モデルの構築を目指している。

島嶼国であるモルディブは、エネルギーや物資の多くを輸入に頼り、廃棄物処理にも制約が大きい。地方企業が培った技術やノウハウを海外へ展開し、環境課題と地域課題の解決に挑む構図だ。現在は実証活動を進めており、今後は事業化に向けた取り組みを加速させるとしている。観光客が落としていく廃棄物を、島で使えるエネルギーへ変える循環が成り立てば、同じ課題を抱える他の島嶼地域へも応用できる可能性がある。

 

地域から世界へ、持続可能な社会づくりを

ケイナンクリーンは1985年設立、岐阜県恵那市に本社を置く。一般・産業廃棄物の収集運搬処理やリサイクル事業、浄化槽維持管理、バイオディーゼル燃料の製造販売などを手がける。代表取締役の近江則明氏は「『廃棄物を資源へ』を理念に、地域で発生する廃食用油を再生可能エネルギーへ転換し、新たな価値を生み出すことに挑戦してきた」とコメントしている。 地域に根ざした廃棄物処理という事業は、ともすれば地味に見えがちだ。しかし、その現場で培った技術が国境を越え、海外の環境課題の解決に役立とうとしている。地方の中小企業が世界に挑むこの取り組みは、規模ではなく専門性で勝負する地域企業のあり方を示している。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、エンタメ関係が多め。

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