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ディップ株式会社

https://www.dip-net.co.jp/

〒106-6231東京都港区六本木3-2-1六本木グランドタワー31F

TEL:03-5114-1177

【TEAM BLUE×バイトルKidsプログラム】在宅医療PAという「名の知られていない仕事」への興味を沸かせる

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TEAM BLUE HP
TEAM BLUEは「『温かい死』を通じて、『生きる喜び』と『人が人を想う気持ち』を大切にできる世界を作り、子どもたちにつなぎます。」をミッションに、自分らしい終末期医療の在り方に一石を投じている(画像提供:TEAM BLUE)

「身近な人の死に直面したことがない小学生に、終末期医療を支える『名の知られていない仕事』の大切さをどう伝えるのか」。

今回は、「自宅で最期を迎えたい」と願う終末期の患者さんとその家族に寄り添い、医療サービスの在り方を追求する「TEAM BLUE」の広報、島田奈奈さんに、ディップ株式会社が提供する「バイトルKidsプログラム」に参加した感想を伺いました。

バイトルKidsプログラムとは?
ディップ株式会社が提供するキャリア教育の一環として、子どもたちがさまざまな職業の方たちに取材して職業体験につなげるプログラム。Day1(お仕事理解:企業の社員が自分の仕事について動画で紹介)、Day2(仕事取材体験:小学生が企業にオンライン取材)、Day3(取材内容まとめ:将来どんな仕事・働き方をしたいか発表)の3回で実施される。

子どもは大人と共に生きていく仲間

島田奈奈さん
「TEAM BLUE」広報 島田奈奈さん

はじめに事業内容をお聞かせください。

島田

TEAM BLUEは、「『温かい死』を通じて、『生きる喜び』と『人が人を想う気持ち』を大切にできる世界を作り、子どもたちにつなぎます。」というミッションを掲げて、医療サービスを提供しています。
運営母体である医療法人社団焔(ほむら)は、2013年に「自宅で自分らしく死ねる。そういう世の中をつくる。」を理念に設立されました。
2021年4月に「おうちにかえろう。病院」が新設され、現在は、在宅医療、病院、訪問看護、訪問リハビリ、訪問歯科(別法人)、カフェ、保育サービスなどの複合的なサービスを提供しています。
「外との断絶をなくそう」という病院のコンセプトから、病院の1階に「HOMURA COFFEE」というカフェを併設しています。地域の皆さん、職員、入院患者さんが気軽に交流できる憩いの場として地域のコミュニティづくりも担っています。

HOMURA COFFEE
島田

カフェの隣には、公園をヒントにつくられた「だんだん広場」という、オープンスペースのリハビリ室もあります。投影用のスクリーンを下ろせばイベントも開催できますので、地域交流の場にもできたら良いなと思っています。

保育事業は、主に従業員向けで、0歳から2歳児までの定員10名です。祝日も利用できるので、職員が勤務の場合、普段は他の保育園に通う子の一時預かりもしています。

保育園
島田

保育園は、沢山の大人と交わることができるように、あえてオフィスと同じフロアにしています。パパ、ママを見つけて仕事中に子どもが駆け寄ってくることもありますし、職員も子供たちを見かけたら話しかけます。

コロナが落ち着いていた時には、患者さんが飼っていた「めだか」を見せてもらったり、お話しを聞かせてもらったりしました。

毎日、1階をお散歩する子どもたちの元気な姿を見て、自分も頑張ろうと思う患者さんも多かったようです。

このように、子どもは社会と共に生きていく仲間だという発想から保育園は「なかま園」という名称になりました。

命の現場から、知られている仕事ではなく、「知られていない仕事」に光を当てる

在宅医療PA
在宅医療PAは、無資格・未経験でも患者さんを全力でサポートできる仕事(画像提供:TEAM BLUE)

バイトルKidsプログラムへ参加されたきっかけをお聞かせください。

島田

当院は、「命の現場から」というコンセプトで、地域の子供たちへのイベント開催を検討するなど、若い人に向けた貢献ができないかと考えていました。

そのような時に、ディップ株式会社さんから本プログラムを紹介いただき、参加させていただくことになりました。

プログラムの概要を聞かれて、最初はどのようなイメージを持たれましたか?

島田

TEAMBLUEは医療グループですので、当初は医師や看護師などの話がいいのではとイメージをしていました。

ところが、プログラムの趣旨をお聞きしたところ、「子どもたちに、世の中には自分が知らない仕事がたくさんあるんだ、という気付きを与えてほしい」といったご要望をいただきました。

そういう目的であれば、医師や看護師といった「知られている仕事」よりも、当院の在宅医療PA(診療アシスタント:以下PA)という「知られていない仕事」を紹介してみようと決めました。

PAとは、具体的にどのようなお仕事なのですか?

島田

当院の在宅医療は、医師1人とPA2人の3名のチームで患者さんのお宅に訪問します。普段は医師のパートナーとして、診療に同行して、医師が必要とする処置を事前に準備したり、カルテを入力したり、他事業所と電話のやりとりなどを行います。

医師1人とPA2人の3名のチームで患者さんのお宅に訪問
医師1人とPA2人の3名のチームで患者さんのお宅に訪問。患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、医師と共に問題を解決をお手伝いをする(画像提供:TEAM BLUE)

医療行為に関わらない業務をするということでしょうか?

島田

そうですね。診療の中で医療行為の割合は4割程度で、その他は事務や調整です。医師には診断や処置をしてもらい、PAは運転や診療の準備、患者さんやご家族の気持ちに寄り添って、医師と共に、問題を解決するお手伝いをしています。

死と向き合う仕事を小学生に伝える難しさ

患者さんの「人生の総仕上げ」のお手伝いをする
今、自分に何ができるのか。その答えのない問いに応え、患者さんの「人生の総仕上げ」のお手伝いをする(画像提供:TEAM BLUE)

参加した子どもたちの反応はいかがでしたか?

島田

最初は私たちの仕事を理解してもらうまでが大変でしたね。

(Day1)では、仕事に関する動画を見てもらい、質問を考えてもらいます。

そして、(Day2)でインタビューしてもらうのですが、1校目のインタビューで、動画に登場する器具や人に対してなど、目に付くものに関する質問が多く、この方法では子どもたちの仕事理解を深めることはできないと分かりました。

そこで、2校目の(Day2)では、まず当法人の事業の目的と、その目的のために、先ほどご説明したようなさまざまな事業をしているのだという話を冒頭にさせていただきました。

さらに、具体的に「東京都板橋区を中心に約1,200名の患者さんの自宅を訪問していること。その多くの患者さんとのお付き合いは1~2カ月で、その後には亡くなってしまう」という話をしました。

そして、「みんなにたとえて言うと、転校生が来て、その子はまた転校することは決まっているけれども、いつ転校するかは分からない。その子のために、どんなことをしてあげたいと思いますか?PAは、それを一生懸命考えるような、仕事なんだよ」と。

少しショックかもしれないのですけれども、そういったことを伝えたのです。すると皆の表情が一変して、より深いところをいろいろ想像しながら質問してくれていることを感じました。

身近な人の死に直面した経験が少ない子どもたちには具体的な想像がしにくいでしょうから、死をどう伝えるのかは難しいですよね。

島田

たしかに、まだ死が身近でない年齢ですので、伝え方はとても難しかったです。特に先ほどご紹介した事例は4年生が対象の回でしたので、どのように伝えようかと思案しましたね。

自分の仕事を俯瞰して現在地点を知る

TEAM BLUE HP2
人生の残された時間は自宅で温かく過ごしたい。誰もが願う切なる想いを叶えるため、TEAM BLUEは新しい医療の在り方を実践していく(画像提供:TEAM BLUE)

特に印象に残っている質問は?また、ご自身にはどのような影響がありましたか?

島田

子どもたちから「今までで一番面白かった経験」を質問されて、入社1年目の新人PAが、認知症の方の飼い犬が逃げてしまって、皆で探してようやく捕まえることができた、というエピソードを紹介しました。

あとで子どもたちに聞くと、その話が一番印象に残ったとのことでした。やはり子どもたちに伝える上では、生と死に向き合うというテーマもできるだけポジティブに、具体的なエピソードを交えて伝えることが大事だなと思いました。

参加したPAたちは、普段から「命」と向き合う仕事をしているので、答えがない問いと格闘する日常を過ごしています。どんな仕事でも目の前の仕事だけしていると視野が狭くなりがちです。

沢山の研修も受けますが、外部とつながり、自分の仕事をいったん俯瞰して見ることで、今の仕事が広い世界とつながっていること、その先の子どもたちの未来にもつながっていることにも気付くきっかけになったと思います。

参加したPAが「自分たちの仕事を知らない人に分かってもらえるように話をする。このことで自分自身の振り返りにもなり、子どもたちとの触れ合いにもなり、とても楽しい時間でした」という感想を口々に発言していました。

多くの人に知られている仕事ではないからこそ、人に興味を持ってもらえる喜びや、ご自身の存在意義を再認識するきっかけになったのでしょうか。

島田

そうですね。これまでも沢山のメディアから取材を受けることはありましたが、スポットライトが当たりやすい人にフォーカスされる傾向がありました。
しかし、バイトルKidsプログラムは、新人の子でもトライしやすい。むしろ、より世代の近い職員の方が話しやすかったり、小学生にスポーツを教えた経験があるなど個人の素質を生かせるかなと思いました。
参加した職員のモチベーションアップにもつながり、そこで何らかの気付きが得られればいいな、という意図もありました。
皆、これから頑張ろうと思えるきっかけにもなったと思います。
ある大卒1年目の新人PAは、もうすぐ中学生になる6年生のグループを担当したのですけれど、「私はまだ入社1年目。頑張っています!」と言ったら、子どもたちから一斉に拍手をもらって(笑)、とても喜んでいました。
新しい環境で頑張っていることを認めてもらった感じがしたし、やっぱり応援してもらえるって嬉しいですよね。微笑ましいワンシーンでした。

Day3の発表を受けた感想をお聞かせください。

島田

パワーポイントのスライドにイラストを挿入するなど、いろいろと工夫もされていて、そんな時代なんだなぁと感心しました。また、小学生の皆さんが、人前で堂々と発表できること自体すごいと思いました。

自分がなりたい職業とは別に、「こういう仕事もやってみたいと思います」というコメントや、自分がやりたい仕事に重ね合わせて、「人の役に立てるようになりたい」と言ってくれたことは、本当にうれしかったです。「伝わった」と思いました。

どういう大人になるのか楽しみですね。

島田

私が小学生の時とは全然違いますね。今、中学生の職業体験の受け入れ依頼も来ていますが、私が中学生の頃はそのような体験授業に参加した記憶がありません。今回は保育、カフェ、受付、清掃で受け入れしたいと考えています。
当法人には、中学生の時に保育園で体験授業をしたことがきっかけで、夢をかなえたという保育の先生もいます。やっぱり子どもの頃の体験はとても大事だと思います。

やりたいと思ったらきっとできる仕事がある

TEAM BLUE HP3
なりたい自分になれる仕事。まだ自分が知らない仕事が世の中にはたくさんあるのかもしれない(画像提供:TEAM BLUE)

これからバイトルKidsプログラムに期待することや、ディップさんへ向けてのメッセージをいただけますか?

島田

普段はなかなか外部に紹介されないけれども、現場で活躍している職員たちにスポットライトを当てていただき、感謝申し上げます。

モチベーションが高まって、周りの人たちにも誇りをもって自分の仕事を伝えられるきっかけになっています。患者さんやご両親にも「こういうプログラムに参加したんだよ」と話すことができますので。当法人だけでは決してできない本当に貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。

オンラインとリアルを融合させたバイトルKidsプログラムはとてもすてきだと思います。

バイトルKidsプログラムは、オンラインだからこそ大阪の子が東京のTEAM BLUEの仕事を知ることができ、そこで感じたことを共有しながら新しい気付きを仲間たちと発表できるというリアルな経験ができます。

これからもいろいろな職業をつなぎ合わせていただいて、子どもたちの将来に役立つきっかけをつくっていただけたらと思います。

今後、バイトルKidsプログラムに参加する未来を担う子どもたちにメッセージをお願いします。

島田

医師や看護師など見える仕事ではなく、テレビや日常生活からは知ることができない仕事があることを今回知っていただいたと思います。

今はまだやりたいことがないという子も、先生、家族、友だちとの関わりから、いろいろと興味が広がっていくでしょう。その先に今はまだ見えていない仕事がきっとあります。

自分がやりたいと思える仕事を見つけられるとイイなと思います。そして、将来やりたいと思った時、資格がないからできないといって諦める必要はありません。やりたいと思ったらきっとできる仕事があるので、ぜひ探してみてください。

本社

◎企業情報
TEAM BLUE 
https://teamblue.jp/
代表者:安井佑
所在地:〒174-0061 東京都板橋区大原町44-3
TEL:03-5926-5095
設立:2013年4月

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ライター:

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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