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地球を救うことにコミットしたパタゴニアの特徴とSDGsへの取り組み

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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パタゴニアHPより)

パタゴニアと聞くと、アパレルブランド・アウトドアブランドのイメージが強いかと思います。しかし、パタゴニアはただアパレル製品やアウトドア製品を販売するのではなく、地球を救うことにコミットして事業を展開する企業です。

ここでは、そんなパタゴニアの特徴とSDGsへの取り組みについてまとめました。SDGsに対する取り組みの先駆者と言っても過言ではないパタゴニアは、サステナビリティにおいてとても参考になると思います。ぜひチェックしてみてください。

パタゴニアの会社の特徴

まずは、パタゴニアの会社の特徴について3つのポイントに絞ってお伝えします。

1. 富を得るのではなく、地球を救うことにコミットした企業

パタゴニアは、アパレル工場で行われている低賃金労働・長時間労働・大気の循環しない劣悪なコンディションなど、労働環境の酷さを問題視し1973年よりその改善に取り組んでいます。2015年に採択されたSDGsにより重要視された開発途上国の人々の労働環境の改善を、パタゴニアは30年以上も前から懸念し、取り組みを始めています。

実際にパタゴニアでは、自社が直接雇用している従業員約2,000人に対し、以下のことを提供しています。

・公正な報酬
・手厚い医療
・託児施設利用に対する補助金
・柔軟性のある勤務体系
・環境インターンシップ・プログラムに参加するための有給休暇
・福利厚生

パタゴニアでは従業員の人権を保護するとともに、従業員がパタゴニアの価値観を共有し、環境問題や地域社会での活動に積極的に取り組むような環境づくりも行っています。
具体的には、SDGsへの取り組みに関する項目にてお伝えしていますので、ぜひ最後まで目を通していただけると幸いです。

2. 【1% for the planet】年間売上の1%を環境保護団体へ寄付

パタゴニアでは、1985年より年間売上の1%をアメリカ国内外の地域で活躍する草の根環境保護団体へ寄付を行ってきました。その総額は、1億4,000万ドル以上にも上ります。この活動をパタゴニアでは「1% for the planet」と呼んでいます。

1% for the planetでは、パタゴニア自社の活動に留まらせないよう、その他の経営者にも参加の呼びかけを実施。1% for the planetに参加した企業に対し、企業の事業にあった寄付戦略を提供し、最適な環境団体へ寄付するための支援を行っています。

現在では、売上の一部を寄付する取り組みを行う企業は増えてきましたが、パタゴニアではすでに30年以上も前からこのような寄付活動を行っています。

3. 事業を通して地球環境を守る仕組みを自ら作り上げた

「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」

これが、パタゴニアのビジネスの目的です。実は、パタゴニアが事業を行う大きな目的は、長く使える高品質な製品を作り提供することだけでなく、地球環境改善へ取り組んだり環境保護団体へ提供するための資金を作ることにもあります。

その目的に向け、パタゴニアでは事業の収益の多くを自然保護の取り組みへ使用するための仕組みを自ら作り上げました。

その仕組みは、パタゴニアの所有者を2つの団体に譲渡することです。
具体的には、自然を守る非営利団体「Holdfast Collective」とパタゴニアの価値観を守るために設立された「Patagonia Purpose Trust」にパタゴニアの株式を譲渡しています。(以下の表を参照)

団体名 役割
Holdfast Collective ・無議決権株式を100%譲渡
・株式全体の98%を保有
・パタゴニアの事業利益を自然保護活動の資金として使用する
Patagonia Purpose Trust ・議決権付き株式を100%譲渡
・株式全体の2%を保有
・パタゴニアの価値とミッションを守り、パタゴニアにおける重要な意思決定を行う

パタゴニアHPより)

また上記に加えて、事業の再投資で得た余剰利益も配当金として環境を守るための資金としています。

この仕組みによって、パタゴニアは自社の「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という価値観を持続しながら事業を継続できるとともに、事業利益の多くを自然環境保護団体へ提供することを可能としました。

パタゴニアのSDGsへの取り組みについて

ここからは、パタゴニアのSDGsへの取り組みについてご紹介します。SDGsの取り組みを参考にしたい方は、ぜひチェックしてみてください。

1. まずは自社から!社内外での徹底したSDGsへの取り組み

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」
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SDGs11
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SDGs14 海の豊かさを守ろう

パタゴニアは、自社が所有し経営する施設からSDGsへの取り組みを強化しています。取り組んでいる分野は複数にわたり、以下の分野で実際の成果を挙げています。

  • エネルギー
  • 運輸
  • 廃棄物
  • 水の使用

では、一つずつどのような取り組みを行っているのかご紹介します。

エネルギー

パタゴニアが所有する施設は、アメリカ・オランダ・日本・韓国・オーストラリア・中国・アルゼンチンと7カ国にわたります。そのうち、アメリカの自社施設で再生可能電力化100%を達成。

世界的に見ても76%の再生可能電力化を達成しています。また、アメリカ全土において1,000基以上の太陽光発電の据え付けを行ったり、農業と太陽光発電を両立させるソーラーシェアリングも推進し600kw以上の太陽光発電の据え付けも行うなど、再生可能エネルギー化を進めています。

運輸

運輸においては、ドロップシップ(工場から国際配送センターへ直送する方法)を推進し、入荷の際の空輸の必要性を最小限に。また、空輸を使わなくても東海岸全体に2日以内に配送できるようペンシルバニアに東海岸配送センターを設けることで、さらに空輸の使用頻度を減らしました。

その結果、自社施設における温室効果ガスの排出量をパタゴニア全体の約4%まで抑えるだけでなく、空輸を使わずにアメリカの95%のお客様に3日以内の配達が可能となり利便性の向上にもつながっています。

通常ですと、利便性の向上と環境改善は相反する関係となる傾向にありますが、パタゴニアは利便性と環境負荷の両方を改善することに成功しました。

廃棄物

廃棄物においては社内から出るゴミを少しでも多く減らすため、以下の取り組みを行っています。

・コンポストシステムの設置
・購買慣行における使い捨てプラスチックの使用を段階的に削減
・廃棄物ゼロへの取り組みを率先して行うよう社員教育を実施
・経理および給与支払い工程をすべてデジタル化
・廃棄物ステーションの設置と適切な標記を行い、廃棄物/リサイクル/コンポストを従業員が適切に分別できるように工夫

このようにパタゴニアでは、リサイクルを行い再資源化したり、生分解させて自然に返す取り組みを推進することで、自社施設から出るゴミの削減に取り組んでいます。

水の使用

水の使用においては、暖房・通気・冷房から出る凝結水を集め、その水を再利用して施設内のすべての植物を育てています。これは、パタゴニアが所有するカリフォルニア州にある施設の一つで行われている取り組みです。

そのほかにも、節水トイレ・蛇口・シャワーを使用することで、水の使用を少しでも制限する取り組みが行われています。さらには、自社施設から海に流れていく雨水にも気を使い、海に流れ出す前に自然にろ過できる「バイオスウェール(砂利の上に土を敷いたもの)」の設置も実施しています。

このようにしてパタゴニアの自社施設では、エネルギー・運輸・廃棄物・水の使用の4つの分野においてフットプリントの削減に取り組んでいます。

2.【Patagonia Provisions】食品を通した地球貢献活動

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」
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SDGs14 海の豊かさを守ろう
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Patagonia Provisions(パタゴニア・プロビジョンズ)は、食品を通して地球をより自然豊かで栄養に満ち溢れた場所にすることにコミットした事業です。この事業では、主に以下の2つの取り組みを行っています。

・持続可能な管理のもとで漁業を行う
・リジェネラティブ・オーガニック農法(再生有機農法)の実施

具体的な内容を以下の表にまとめましたので、それぞれの取り組みの参考にしてください。

取り組み 具体的な内容
持続可能な管理のもとで行う漁獲

▶︎漁獲場所を限定して、綿密な管理のもとで魚を獲る

▶︎ワイルドフィッシュ・コンサーバンシーが定める厳格な基準に基づいて、供給量の限られた紅鮭を米国ワシントン州ラミ島沖を通る巨大な群れから調達。

▶︎リーフネットという選択的な漁法を行うことで、希少なキングサーモンやギンザケを傷つけることなく、数が豊かな野生のピンクサーモンだけを獲ることが可能

▶︎また網を釣り上げるウィンチを動かす原動力には太陽エネルギーを使用しています。

【漁獲基準】
・孵化場やネットペン(網の囲い)式の養殖場ではなく、野生の自己持続性のある群れから漁獲する
・魚の数の変化やニーズを科学的に把握し、場所ベースの漁とする
・漁獲を持続できる群れを科学的に特定する
・漁師は漁法、場所、タイミングによって混獲を最小限に抑える。

【推奨事項】
・選択的な療法により、意図しない魚はできる限り傷つけずにリリースする
・一匹ずつ丁寧に取り扱い、食材としての品質を最大限に維持する
・生態系の健全性と人間の健康をサポートする
・動力を使わない沿岸部の漁でカーボンフットプリントを最小化する

リジェネラティブオーガニック農業(再生有機農法)の実施

▶︎農業を行いながらも土壌を修復し、動物福祉を尊重し、農家の生活を向上させる

▶︎農法の種類
<オーガニック>
合成殺虫剤、合成肥料、遺伝子組み換え技術、抗生物質および成長ホルモン不使用

<被覆作物>
土壌の侵食を防ぐため主作物と一緒に被覆作物も育てる。そうすることで、土壌の侵食を防ぎ、有機物質と炭素が豊富な土壌になりやすくなる

<コンポスト>
農場廃棄物をコンポストに変えて、それを自然の肥料・殺虫剤として利用する

<輪作>
輪作を行えば肥料は少量で済み、除草剤や殺虫剤なしで育つ上、花の蜜によって益虫や花粉媒介者を引き寄せられる。つまり、自然の力で育つようになる。

<間作>
複数種の作物を密接に植えることで、収穫高と土壌の健康を徐々に向上させる

<省耕起から不耕起へ>
農地を耕す「省耕起」を行わず、農地を耕さずに栽培する「不耕起」を行うことで、栄養を多く含んだ土壌にする

パタゴニアHPより)

3.【Worn Wear】新品の商品よりも長持ちする高品質な製品を推奨

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SDGs14 海の豊かさを守ろう

Worn Wearは、「着古してボロボロになった洋服」を表す言葉です。パタゴニアでは「新品よりもずっといい」という言葉を掲げ『Worn Wear』というプラットフォームを立ち上げています。

このプラットフォームでは、ユーザーに対して新品の服を買うよりも、一度購入した服を長く使用することを推奨しています。多くのアパレル企業でも進められているリサイクルですが、パタゴニアでは衣類においてリサイクルはあくまで最終手段です。

まずは不必要な購入を抑え消費を減らすこと。その次に、修理もしくは再利用・共同利用。これらの選択肢がなくなったときにリサイクルを行うという位置付けです。

実際にパタゴニアでは、ユーザーの購買を削減するためにリペアセンターを設立し、ユーザーが衣類を少しでも長く使うためのリペアサービスを展開しています。2020年度には10万1,706点の衣類の修理を行ったとのことです。

効果としては、衣類の寿命をわずか9ヶ月間延ばすだけで、炭素排出・水の使用のフットプリントは20〜30%削減できるのだそう。通常の企業なら消費を増やして利益を上げることを重要視するところですが、地球を守ることにコミットしているパタゴニアでは消費を減らすための取り組みを大切にしています。

4. パタゴニア製品の94%がリサイクル原料を利用

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SDGs14 海の豊かさを守ろう

2022年度時点で、パタゴニアの製品の94%がリサイクル原料で作られています。この数字は、アパレル業界ではかなり高い数値です。(以下の表を参照)

企業名 リサイクル素材使用状況
パタゴニア リサイクル素材使用率94%
パタゴニアHPより/2022年度時点)
ユニクロ 2030年までに使う素材の約50%をリサイクル品に切り替える
読売新聞より/2021年度時点)
スノーピーク リサイクルコットン使用率全体の20%
THE SNOW PEAK WAYより/2022年度時)

リサイクル素材という言葉をよく耳にするようになった現在ですが、実際には一度使われた素材が再利用されるのは全体のわずか1%以下しかありません。
そのような中、パタゴニアでは現在(2022年度時点)、新品の素材だけを使うバージン材からの完全脱却を目指し、100%再生可能かつリサイクル済み原料を使用することに向けて取り組んでいます。

B Corp認証を取得し、カリフォルニア州のベネフィットコーポレーションに登録

B Corp認証という言葉を聞いたことはありますか?環境や社会への公益性の高い企業に与えられる認証制度です。ここからは、B Corp認証についてお伝えするとともに、B Corp認証を取得したパタゴニアの取り組みについてもご紹介します。

B Corp認証とは?

B Corp認証とは、アメリカの非営利団体「B Lab」が運営を行う、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる認証制度です。

B Corpの「B」は「ベネフィット」を意味し、環境や社会はもちろんのこと、労働者やコミュニティーなどに対する利益も指しています。B Corp認証の特徴は、フェアトレード認証や有機JAS認証・LEED認証のように商品やものに対してではなく、企業の在り方を認証する制度だということです。

パタゴニアのB Corp認証に対する取り組み

パタゴニアは、2011年12月にこのB Corp認証を取得し、世界に500社以上あるBコーポレーションの一員となりました。これは、パタゴニアにとって自社の地球に対する責任ある取り組みを正式なものとし、永久的に受け継がれていく強固な枠組みを作る後押しとなっています。

さらにその後、B Labの誓約(持続可能性と労働者の厚遇)を取り入れるため法人設立定款を改定し、カリフォルニア州のベネフィット・コーポーレーションとして登録しました。

このB Corp認証は他の資格と違い取得して終わりというものではなく、取得後にB Labの誓約を採択した定款への変更や年2回の社会的・環境的な取り組みを調査するアンケート(Bインパクト・アセスメント)を提出するなど、社会的・環境的にベネフィットのある企業であることを証明し続けなければなりません。

B Corp認証の審査はとても厳しいものではありますが、企業の取り組みに応じてスコア化され、自社の立ち位置を把握できることが大きなメリットです。また、企業の取り組みに応じてB Labから改善項目が指摘されるので、会社の向上に役立てられます。

実際に、パタゴニアはB Labの査定について「私たちはビジネスとして向上するための方法を多く学びました。」と伝えています。ちなみに、現在のパタゴニアのスコアは116(58%クリア)。B Labからは以下の項目をベストプラクティス(良い取り組み)として評価されています。

【ベストプラクティス】
 1. リーダーシップと創造性
 2. サプライチェーン
 3. 社員文化

また、改善項目としては以下の内容を「改善の機会あり」として指摘を受けています。

【改善の機会あり】
 1. 環境測定値基準データ収集の正式化
 2. 社内方針の正式化
 3. サプライチェーンの賃金測定基準

現在パタゴニアでは、上記の指摘された項目の改善に取り組み始めているとのことです。

このようにしてB Corp認証は、パタゴニアにとって社会的・環境的にベネフィットのある企業だという証明であるとともに、パタゴニアの「地球を守る」という価値観の土台をより強固に、さらに成長させる機会となっています。

まとめ

この記事では、パタゴニアの特徴やSDGsへの取り組みについてお伝えしました。
サステナビリティの先駆者であると言っても過言ではないパタゴニアの取り組みは、自社のSDGsの改善のためにとても参考になると思います。

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Webライター。Webサイトを10年以上運営。ブログ記事・コラム記事・メルマガ・LINEステップ配信文など、これまでに1000記事以上を執筆。現在は、企業HPに掲載するコラム記事の執筆を中心に活動中。プライベートでは、大好きなコーヒーを中心にサステナブルなライフスタイルを実践。自分の好きなことを活かして、地球・自然・人の役に立てるよう日々活動している。運営サイト:https://ethica-life.com/

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