

日曜の夜、画面の向こうで弾けるような笑顔を見せていた女性が、一転して涙をこぼした。10月4日放送の『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)で、過去の摂食障害や妹・広瀬すずとの比較、母親との関係を明かした広瀬アリス(31)。番組終盤には、現在ケンカ中だという母親からの手紙が紹介された。ところが放送後、Threadsでは母親の言葉に「違和感がある」「毒親では」とする投稿が相次ぎ、この話題が広がっている。一体、視聴者は何に引っかかったのか。
笑顔の裏で耐え続けた闇
広瀬アリスといえば、豪快な笑い声と飾らない人柄で知られる女優だ。バラエティー番組でも物おじせず、明るく振る舞う姿がおなじみ。しかし今回の『おしゃれクリップ』で語られたのは、そんなイメージとは対照的な過去だった。広瀬は10代後半から20代前半にかけて、摂食障害に苦しんだ経験を改めて語った。
「今も100パーセント治ってると思わない」
そう語り、常に明るい自分でいなければならないという思いを抱え、恐怖と戦っていたことも明かした。ただ、摂食障害について語ったのは今回が初めてではない。2023年の『アナザースカイ』でも、体型への悩みから3日間何も食べなかったことや、その反動で大量に食べてしまった経験を告白している。今回、視聴者の関心を集めたのは、病気の告白そのものだけではなかった。その苦しみの背景として語られた、家族との関係だった。
追い詰められて吐いた「お前は敵だ」
広瀬が語ったのは、妹・すずとの比較だった。同じ芸能界で活躍する姉妹だけに、幼い頃から何かと比較されてきたという。広瀬は当時を振り返り、「妹もそうだし、散々比べられて」と語り、さらに精神的に追い詰められていた時期には、「全部が敵だって思った瞬間もあったし、母親とかにすら『お前は敵だ!』みたいなことを言ってた時もある」と明かした。一番の味方であるはずの母親にまで敵と言ってしまう。それほど広瀬が追い詰められていた時期があったということだ。そして番組の終盤、そんな母親から一通の手紙が届いた。ここから、視聴者の間に別のざわつきが広がっていく。
「あなたの評価は私の評価」視聴者が凍りついた一文
母親の手紙を山崎育三郎が読み上げると、広瀬は涙を流した。手紙には、「娘のことを考えなかった日は31年間一度もありません」という言葉がつづられていた。広瀬は手紙を聞き、「ちゃんと今日話そうかなって思います」と語った。ここだけを見れば、長くすれ違っていた母と娘が、番組をきっかけに歩み寄る感動的な場面だ。ところが、SNSで特に注目されたのは別の一文だった。「今のあなたの評価は私の評価と受け止めているところもあります」という趣旨の言葉だ。この言葉に、「娘の評価は娘自身が努力して勝ち取ったものでは?」「子供がうまくいったら、それは子供の努力では?」と疑問を抱く声が相次いだ。なかには、「自分の評価と娘の評価を同一視しているように感じる」と受け取る人もいた。一方で、母親の言葉を別の意味に受け止める声もある。「娘が世間からどう評価されるかについて、親としての責任も感じているという意味では」という解釈だ。母親の真意は、手紙を書いた本人にしか分からない。それでも、なぜこの一文がここまで視聴者をざわつかせたのか。その答えは、放送後に相次いだSNSの投稿に表れていた。
「これ、うちの親も」広がる違和感 菅田将暉3兄弟の母を連想する声も
広瀬アリスの母親をめぐるSNSの反応で目立ったのは、毒親という強い言葉だけではなかった。むしろ目を引いたのが、「これ、うちの親もそうだった」と、自分自身の親子関係を重ねる声だ。「あなたの評価は私の評価」という言葉を聞き、「私も母親から、進学や就職がうまくいくと『さすが私の娘』という感じで言われていた。でも、そこまで頑張ったのは私なのに、と思っていた」という趣旨の投稿もあった。また、「子供がうまくいったら子供の努力。親の評価ではない」「娘の頑張りを、自分の評価と結びつける感覚に違和感がある」といった声も。なかには、番組を見ているうちに自分の親との関係まで思い出し、「見ていてつらくなった」という人もいた。さらに、「『今のあなたの評価は私の評価』ってどういう意味で書いたんだろう。摂食障害は母娘関係が原因であることも多いと聞くから心配になる」と、広瀬の過去の摂食障害と母娘関係を重ねて心配する投稿も見られた。ただし、ここは切り分けておきたい。広瀬が今回、摂食障害の原因を母親との関係にあると語ったわけではない。また、母親の言葉だけを切り取って、実際の親子関係を外から判断することもできない。広瀬自身がどれほど苦しんできたのかも、本人にしか分からない。
それでも、今回の放送を見た人の中に、自分の親との関係を重ねた人がいたことは確かだ。自分の子供が評価されることを、自分自身の評価として受け止める。そんな親子関係に心当たりがある人にとって、母親の一文は、単なる芸能人親子の手紙では済まされなかったのかもしれない。さらに興味深い投稿もあった。「この母親、菅田将暉3兄弟を育てた母親と同じテイストを感じる」というものだ。実は、こっちのけんとも過去に、幼少期を振り返り「親・兄弟は敵!」と思っていた時期があったと語っている。全員が敵に見えてた時期と告白していた。ただしここには大きな違いがある。こっちのけんとのケースでは、好きなゲームに寄り添い、毎日のお弁当に長所を書いたメッセージを添えるなど、関わり方を変えている。本人も、それをきっかけに母親との関係が変わったと語っている。
ケンカ中なのに?母の手紙に番組演出への疑問も
そして、もう一つ浮かび上がったのが、番組そのものへの違和感だった。広瀬と母親は現在、ケンカ中。それでも番組側は母親に質問を寄せ、その回答や手紙を紹介した。井桁弘恵も「ケンカ中のお母さまですが、こころよく質問に答えてくださいました」と紹介している。この展開に、
「ケンカ中なのにテレビで手紙って複雑」
「本当に娘を思っているなら直接送ればいいのでは」
「家族を出せば感動的にまとまる、という番組の演出に違和感がある」
といった声も出た。一方、母親の手紙をきっかけに、広瀬自身が「ちゃんと今日話そうかな」と思ったことも事実だ。母親に娘への愛情がないと断定することもできない。ただ、親が「あなたのことを思っていた」と伝えることと、その言葉が子どもにとって心地よく届くことは、必ずしも同じではない。子供が成功したときに、自分の育て方が良かったからと思う親もいれば、子供が評価されたことを自分への評価と感じる親もいる。
それが愛情なのか、親としての責任感なのか、それとも子供との境界線が曖昧になっているのか。外から簡単に答えを出すことはできない。だからこそ、今回の放送で多くの視聴者が引っかかったのは、毒親か、良い母親かという単純な二択ではなかったのかもしれない。「あなたの人生は、あなたのものではないのか。そんな疑問を、あの一文が呼び起こした。華やかな笑顔の裏側で、広瀬アリスが抱えてきたもの。母親が娘に伝えたかったもの。そして、それをテレビで見た視聴者が自分の親子関係と重ね合わせたもの。今回の放送が残したのは、単純な感動だけではない。親子の間にある愛情と所有の境界線を、考えさせられる一夜となった。
ネットの声
放送後、ThreadsやXでは母親の手紙や広瀬の過去について、さまざまな意見が飛び交った。
・「『あなたの評価は私の評価』にゾッとした。アリスの評価はアリス自身が努力して勝ち取ったもの」
・「子供がうまくいったら子供の努力。親の評価になるという考え方に違和感がある」
・「娘を思っているようで、言葉の端々が逆に娘を傷つけているように見えた」
・「ケンカ中なのにテレビを通して手紙を送られたら、複雑な気持ちになる」
・「摂食障害や姉妹比較で苦しんでいたことを考えると、見ていて心配になった」
・「31年間、娘のことを考えなかった日はないという言葉には、母親の愛情も感じた」
・「『あなたの評価は私の評価』は、娘への悪い評価まで親として背負うという意味にも取れる」
・「言葉選びが不器用なだけで、娘を大切に思う気持ちは伝わった」
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ライター:
teitei
> このライターの記事一覧2人育児8年目ママ。健康を意識した丁寧な暮らしを大切にしています。好きなテレビ番組は『クレイジージャーニー』。日々のリアルな視点から、役立つ情報を発信したいです。



