
丸刈りに黒スーツという姿で33分語ったが、批判は収まっていない。
港区は冷やし蟹ラーメンを原因とするサルモネラ食中毒と断定し、割烹こめをに7日間の営業停止を科した。
一方、浅草のかにをは営業を続けており、同じ経営者のオペレーションへの不信が残る。
丸刈り黒スーツで33分 YouTubeで改めて謝罪
こめおは9月5日、自身のYouTubeチャンネルに「食中毒事故について」と題した動画を公開した。
黒スーツに丸刈りという姿でカメラに向かい、8月22日と23日の祭りで提供した冷やし蟹ラーメンにより食中毒を発生させたことを認めた。
被害者や家族、関係者に深くおわびすると述べ、補償申請用の専用フォームを案内した。
医療費などは保険会社の審査を経て対応する方針で、補償は保健所ではなく店側が行うとした。
動画では食品を提供する立場として絶対に起こしてはいけない事故を起こしたと語り、自身が今後飲食現場に携わるかどうかは今判断できないとも明かした。
営業再開は衛生管理体制の見直し後に判断し、現時点で再開日は未定とした。
説明したことで責任を果たしたとは考えていない、行動で示す、と締めくくっている。
だがX上では丸刈りスーツを演出と見る声や、被害者対応より自分の立場を先に語っているとの指摘が目立つ。
閉店を視野に入れる報道も出ている。9月3日の文章謝罪に続く再説明だが、姿勢の変化を感じにくいという反応が強い。
祭り提供の冷やし蟹ラーメンと保健所の断定
問題は2026年8月22日と23日の麻布十番納涼まつりで起きた。
割烹こめをが店内で調理し会場で販売した冷やし蟹ラーメンを食べた人から、下痢、腹痛、発熱の訴えが相次いだ。港区みなと保健所は9月3日、同商品を原因とするサルモネラ属菌による食中毒と断定した。
確認された患者は78人。男性48人、女性30人で年齢は1歳から61歳。51人が医療機関を受診し、3人が入院したが全員退院している。
患者と調理従事者の便から同じ菌が検出され、共通する食事がこのラーメン以外になかったことが根拠になった。
初日は46食で15人、翌日は412食で64人が発症したとされる。
割烹こめをは食品衛生法第6条第3号違反として9月3日から9日までの7日間、営業停止処分を受けた。
初日に余った食材の扱いについても使い回し疑惑が出たが、店側は廃棄したと説明している。
保健所は日数が経過しており実態を確認できていないと述べている。
祭り側も今後の衛生点検を再徹底すると表明した。汚染経路の細部はなお十分に公開されていない。
以前から指摘されていた衛生管理
今回の断定を受け、過去の調理動画が改めて拡散された。
祭り直前の動画では、タレのボウルに素手で指を入れて味見する様子が映っていた。
試作段階だった可能性はあるが、皿を使わない味見に違和感を覚える声が広がった。
2025年3月には平本蓮氏がプレオープン時、カウンターでスマホを触った手で刺身を扱っていたと指摘している。
浅草のかにを開店時には、厨房の火元近くに段ボールを置いた映像が広がり、段ボール表面の菌汚染や異物混入のリスクを問題視する声が上がった。
国産を前面に出しながら中国産の表示が映り込んだ点も批判された。
タンクトップでの調理や、タレ近くでラーメンをすする様子も以前から衛生意識の甘さとして指摘されていた。
プロの最低条件である清潔、温度管理、二次汚染防止が動画で繰り返し疑われていたにもかかわらず、大規模な発症を止めることができなかった。
警告を受けても運用を変えなかった点が、今回の批判を先鋭化させている。
「割烹」は停止でも「かにを」は営業
行政処分の対象は祭りで調理販売した割烹こめをに限られる。
かにをは別店舗・別メニューとして営業自粛の指示は出ていない。
しかし経営者と統括が同じである以上、衛生管理の考え方や現場の運用が共有されているのではないか、という疑問は消えていない。
Xでは経路が特定しきれていないならかにをも止めるべきだ、同じオペレーションで営業を続ける時点で反省していない、といった投稿が続いている。
予定していた東京カレー万博などへの出店は取りやめになった。
服役歴やかつてのプロフィール文言まで結びつける過激な攻撃もある一方、被害補償と原因の詳細公表を優先すべきだという意見もある。
78人規模の健康被害が出た以上、別店だから問題ないという説明だけでは信頼は戻らない。
衛生管理の見直しが事業全体に及ぶかどうかが、今後の評価を分ける。
謝罪動画は説明の第一歩にすぎず、現場を止めてでも検証する姿勢が見えるかどうかが問われている。
食中毒は味や話題性の前に防ぐべき基本であり、78人を出した時点で信用は大きく毀損している。
動画の演出より、現場を止めて原因と再発防止を示すことが先決だ。
補償の迅速さと情報公開の丁寧さが、これからの最低条件になる。



