
2009年12月に創業した同店は、濃厚魚介つけ麺を中心に長年支持を集めてきた。
公式発表後、外国人雇用を始めた時期からGoogleレビューなどの評価が急落したとの指摘が広がり、衛生面や店員の行動に関する不満が目立った。
店の特徴と長い支持を集めた理由
馳走麺狸穴は東京都豊島区東池袋1-32-2の小川ビル1階に位置し、池袋駅東口から徒歩5分から7分程度の場所にあった。座席はカウンター約12席のみの店舗で、禁煙・火曜定休の営業形態だった。
主力メニューは濃厚魚介つけ麺と濃厚煮干つけ麺で、並盛から大盛・特盛まで同価格で選べる点が特徴だ。
麺には北海道産小麦の全粒粉を使用した四角い断面の太麺を採用し、もちもちとした食感と小麦の風味が強く出る。つけダレは豚骨をベースに魚介や節類を煮詰めた濃厚なもので、甘みと酸味のバランスが取れていた。
チャーシューは豚と鶏の2種類を用意し、メンマや味玉などのトッピングも充実していた。
創業当初から行列が絶えない店として知られ、ラーメンデータベースでは87点前後の高評価を長期間維持。
明星食品とのコラボでカップ麺も発売されるなど、池袋のつけ麺激戦区で確固たる地位を築いていた。
閉店発表
2026年7月25日、公式Xアカウントが「8月20日木曜日に馳走麺狸穴は閉店致します。後日、再度お知らせ致します」と写真付きで発表した。
理由の詳細は示されておらず、営業時間や最終日の対応についても追加情報が待たれる状況だ。
発表直後から拡散され、ビュー数は短期間で400万を超える規模となった。
長年通っていた常連客からは「最後に食べに行きたい」との動きが広がり、閉店までの約1カ月間に再訪を計画する人が相次いだ。
店側は「後日再度お知らせ」としているが、現時点で具体的な経緯や今後の展開は公表されていない。
レビュー評価急落の背景に指摘された外国人雇用
閉店発表後、SNS上で「外国人を雇ってから評価がガタ落ちした」との指摘が急速に広がった。
Googleレビューなどを見ると、数カ月前から「店内が公衆トイレのような臭いがする」「衛生面が悪い」といった低評価が増加したとの声が目立つ。
過去の常連客は「2年くらい前に久しぶりに訪れたら、味も含め外国人店員の対応が落ちていた」「ミスを認めず謝らないケースもあった」と体験を語っている。
接客態度や清掃の質に関する不満が特に多く、外国人スタッフの増加と時期が重なる点が指摘の根拠となっている。
一方で、閉店の原因を外国人雇用だけに結びつけるのは早計で、人手不足や経営判断、物価高など複合的な要因があるとの冷静な意見も出ている。

外国人雇用を後押しする補助金制度と飲食店への影響
飲食店では厚生労働省の「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」が活用されやすい。
多言語の就業規則やマニュアル整備、相談体制の導入などで1制度20万円、上限80万円が支給される。
留学生アルバイトを特定技能の正社員に転換する「キャリアアップ助成金」では中小企業で1人あたり最大80万円前後が得られる場合もある。
これらは人手不足を補う効果があるが、賃金そのものを補填するものではなく、教育や衛生管理の負担は事業者側に残る。
特定技能「外食業」は2026年4月13日から新規受け入れが原則停止されており、上限5万人に近づいたことが理由だ。
既存の在留者の更新や業種内転職は可能なものの、新規採用が難しくなり小規模店では既存人材の定着と品質維持がより重要になっている。
管理が不十分な場合、衛生観念や接客の差がレビュー悪化につながるリスクが指摘されている。
閉店に寄せられたさまざまな反応
発表後、Xでは「開店当初から通っていた名店が終わるのは寂しい」「つけ麺にハマるきっかけになった店」と惜しむ声が多く見られた。
プロ雀士の浅井裕介氏は「つけ麺にハマるきっかけになったお店。閉店までに2回は行くぞ」と投稿し、同じくプロ雀士の小山直樹氏も「開店当初からめっちゃ行ってた」と反応した。
一方で「外国人雇用の結果として自業自得」「補助金目当てで質を落とした好例」との厳しい意見も少なくない。
「経営者自ら率先して掃除をする基本を忘れた結果」との指摘や、個人店全体の人材確保の難しさを象徴する事例として捉える声も広がっている。
理由が公式に詳しく示されない中、労働力不足とサービス品質のバランスを問う議論が続いている。



