
広島東洋カープの矢野雅哉内野手(27)が2026年7月18日、「ゾンビたばこ」をめぐる週刊誌報道について初めて取材に応じ、「違法な付き合いなどはなにもありません」と述べた。
球団は前日の17日、羽月隆太郎元選手に指定薬物エトミデートを譲渡したとして起訴された滝口涼介被告(38)と矢野がホテルの一室にいたとされる写真を理由に、矢野の出場選手登録を抹消した。球団は矢野による薬物使用を確認しておらず、1軍復帰の時期も決めていない。
矢野雅哉が初めて説明「今後は一切かかわらない」
デイリースポーツによると、矢野は18日、広島県廿日市市の大野練習場でファームの練習に合流し、ウエートトレーニングやキャッチボールなどを行った。
報道について「違法な付き合いなどはなにもありません」と否定する一方、「今後はこういう方々とは一切かかわらないようにしていきます」と述べた。滝口被告との接点そのものは否定せず、今後は関係を断つ考えを示した形だ。
17日の試合後には、新井貴浩監督がファンや関係者に謝罪していた。矢野は、監督に謝罪させたことを申し訳なく思うと話し、ファンや関係者にも謝罪した。
球団による聞き取りについては、これまでも協力してきたと説明。今後も球団から要請があれば、すべて答える意向を示している。
球団は「ペナルティーではない」、復帰時期は定めず
RCC中国放送によると、鈴木清明球団本部長は、矢野によるエトミデート使用の事実は確認できていないと説明した。
そのうえで、滝口被告と矢野がホテルの一室にいたとされる写真について、「売人と言われる人と密室にいること自体が強い疑念を抱く状況」と判断。疑念を抱えた状態で1軍の試合に出場させることには抵抗があるとして、新井監督に登録抹消を要請したという。
鈴木本部長は今回の措置を「ペナルティーではない」と位置づけた。一方、登録抹消によって矢野は1軍公式戦に出場できなくなる。抹消期間については決めておらず、球団調査を続けたうえで、疑念が晴れるまでは復帰が難しいとの認識を示した。
球団は所属選手への調査を継続しているが、現段階でエトミデートを使用した選手は確認していないとしている。調査結果を一律に公表する予定もなく、発表すべき事実が判明した場合に対応する方針だ。
写真3枚すべてに登場した矢野 小園海斗らとは対応を分ける
SmartFLASHは7月13日、滝口被告と広島の選手らが写った写真3枚を報じた。
1枚目は2025年5月2日に撮影されたとされる集合写真で、滝口被告、羽月氏、矢野、小園海斗内野手、田村俊介外野手、BreakingDownの溝口勇児COOらが写っていた。2枚目は東京・六本木の会員制シーシャバーで撮影されたとされる矢野、滝口被告、溝口氏の写真だった。
3枚目は、広島が富山県と石川県で巨人と対戦した2025年5月27日から28日にかけて、富山県内のホテルで撮影されたと報じられた。滝口被告と矢野が同じ部屋にいる様子が写っており、矢野は報じられた3枚すべてに登場していた。
球団は、小園や田村が写った集合写真について、一時的な同席の可能性があり、滝口被告との継続的な関係までは判断できないと説明した。ホテルの一室で撮影された写真との違いを、矢野だけを登録抹消した理由としている。
7月19日のNPB出場選手一覧には小園の名前が残る一方、矢野は外れている。
羽月隆太郎元選手の有罪判決と「6人」発言
羽月隆太郎氏は、2025年12月にエトミデートを使用したとして2026年1月27日に逮捕され、広島は2月25日に契約を解除した。広島地裁は5月15日、羽月氏に拘禁刑1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡している。
羽月氏は5月28日のライブ配信で、自身を含む広島の選手6人が同じ人物からエトミデートを購入したとの趣旨の発言をした。球団は選手への聞き取りを続けているものの、この発言についてはコメントしていない。
滝口被告は6月1日、羽月氏にエトミデートを含むカートリッジを発送して受け取らせた疑いで再逮捕され、6月22日に薬機法違反の罪で追起訴された。
エトミデートは国内未承認の医薬品成分で、海外では麻酔薬として使用されている。日本では2025年5月26日から指定薬物となり、医療目的などを除く製造、輸入、販売、授与、所持、使用などが禁止された。
矢野は違法な付き合いを否定し、球団も薬物使用を確認していない。それでも球団は、滝口被告との関係の深さを理由に1軍出場を止めた。処分ではないとしながら、復帰の判断材料については「疑念が晴れるまで」という説明にとどまっている。



