
音声だけでアバターが自動で動き、映画のような映像を楽しめるスマートフォン向けコミュニケーションアプリ「POPOPO」が、サービス開始から約半年で終了することが15日、運営会社から発表された。
プロデューサーの川上氏は自身の投稿で失敗を認め、謝罪した。終了日は9月17日午後3時。
残り期間で最終更新を行い、利用者への配慮を示している。
POPOPO、開始からわずか半年でサービス終了
POPOPOは2026年3月18日にサービスを開始した。コンセプトは「カメラのいらないテレビ電話」。
ユーザーは顔を映さず声だけで会話でき、3Dアバターが自動で動き、プロ監修のカメラワークで映像が生成される。
最大30人同時参加やライブ配信機能も備えていた。
運営のPOPOPO株式会社は「今後の事業環境やサービスの最適化を総合的に検討した結果」として終了を発表。
取締役陣にはGACKT氏、ひろゆき氏、庵野秀明氏、川上量生氏が名を連ね、発表会では佐藤健氏もゲスト出演するなど華々しいスタートを切った。
しかし半年で幕を閉じ、異色布陣の期待が現実の利用定着に結びつかなかった形となった。
リリース直後はApp Store無料ランキング1位を獲得し、1億円キャンペーンやエヴァンゲリオンなどのコラボも予定されるなど注目を集めたが、ユーザー数は伸び悩み、日常会話ツールとしての定着が難しかったとみられる。
川上量生氏「生活への定着に大失敗」と率直謝罪
川上量生氏はXで長文を投稿。「新しい人間のコミュニケーションスタイルの提示ということでは自信作でしたが、ユーザーの生活の流れの中に組み込む目標については見事なくらい大失敗しました」と率直に認め、多くの関係者に迷惑をかけたことを謝罪した。
ニコニコ動画の生みの親として知られる川上氏は、取締役に著名人を迎えたプロジェクトの責任者として「大変にお恥ずかしい結果となり、申し訳なく思っています」と記した。
投稿は公式発表直後に共有され、注目を集めている。
さらに「世の中に広めることはできませんでしたが、アバターと自動カメラワークを使った自然な映像で、音声のみで会話をするというアイデアは、それなりの大きさのビジネスニッチを見つけたと思っています」とも述べ、コンセプトそのものへの自信をのぞかせた。
最終2ヶ月でVRM外部アバター無料開放
終了までの約2カ月を充実させるため、大規模最終更新を実施。
外部VRMアバターの読み込みを無料開放し、LIVEポイント機能も強化する。
有償コインの未使用分は払い戻し対応を行う。
川上氏は「本来有料予定だった機能を無料でご利用いただけます」と呼びかけ、利用を促した。
著名人取締役のプロジェクトとして、最後までユーザーに還元する姿勢を見せている。
新規ダウンロード停止は8月31日、サービス完全終了は9月17日午後3時。
有料コインの払い戻し期間も設け、利用者へのフォローを徹底する方針だ。
音声+アバター会話の新ニッチ 将来のAI版に期待
川上氏はコンセプト自体に一定の価値を見出した。
「音声のみで会話をするというアイデアは、それなりの大きさのビジネスニッチを見つけたと思っています」と評価しつつ、「将来はいずれAIによるフォトリアル映像のサービスが出てくるでしょう」と展望を語った。
同氏は「私たちにはこじ開けることのできなかったニッチではありますが、将来似たサービスは出る可能性はあるでしょう」とも指摘。
技術の進化により、より自然で没入感の高いコミュニケーションが実現する可能性を示唆した。
ニコニコ生みの親の挑戦 教育・エンタメに続く実験の行方
川上量生氏はドワンゴ創業者としてニコニコ動画を成功させ、N高等学校やZEN大学などの教育事業、アニメプロデュースにも携わってきた。
POPOPOはAI時代の人間関係を模索する実験だった。
著名人取締役を擁した意欲作は短命に終わったが、失敗を公に認め、次世代への示唆を残した。
川上氏の挑戦は今後も教育・エンタメ分野で続くとみられる。



