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竜星涼、16年所属の研音を退所 市川由衣に続き今年2人目の”卒業”

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竜星涼
竜星涼 公式インスタグラムより

俳優の竜星涼が8月31日、自身のInstagramストーリーズで、16年間所属した研音を退所すると発表した。学生時代から通ったという事務所での歳月を振り返りながら、「これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、ここからもう一度、自分自身と向き合い、挑戦していくことを決めました」とつづっている。今後の活動方針については「また改めて」と述べるにとどめ、具体的な所属先や独立の形はまだ明らかにしていない。研音では今年、竜星と同じ道をたどった俳優が他にもいる。

 

Instagramで語られた16年間への感謝

竜星は投稿の中で、研音に通い始めた学生時代から今日までの日々を振り返り、この事務所で一人の大人になったという趣旨の言葉を残した。「ご縁、経験、そして受けた恩は、一生忘れません」とし、受けた恩は今後の仕事を通じて返していきたいとも述べている。結びには「役者として、人として、自分らしく、まっすぐ歩んでいきます」との一文があり、対立や不満をにおわせる表現は見当たらない、円満な形での退所であることをうかがわせる内容だった。事務所側からの発表やコメントは、この記事の時点では確認されていない。

竜星ほどの露出量を持つ俳優の退所であれば、本来は事務所の公式サイトやプレスリリースでの告知が先行してもおかしくない場面だが、今回はまず本人のSNSでの報告が先に広がった形であり、この点にも当人の意志が色濃く表れている。

 

2010年デビューから積み上げた代表作

竜星は1993年3月24日生まれ、東京都出身。2010年に俳優としてデビューし、2013年放送の特撮ドラマ「獣電戦隊キョウリュウジャー」で連続ドラマ初主演を務めた。以降はNHK連続テレビ小説「ひよっこ」、「アンナチュラル」、「同期のサクラ」、大河ドラマ「どうする家康」、連続テレビ小説「ちむどんどん」、そして「VIVANT」シリーズと、地上波の看板作品に相次いで起用されてきた。声優としても「トイ・ストーリー」シリーズでフォーキーの日本語吹き替えを担当するなど、活動の幅を広げている。

16年という所属期間は、デビューから現在に至るまでのキャリアのほぼ全てが研音での歩みだったことを意味する。特撮の主演で名前を知られ、連続テレビ小説を二度、大河ドラマ、話題のオリジナルドラマまで、ジャンルを問わず起用され続けてきたことは、演技力だけでなく現場での信頼の厚さを裏づけてもいる。

 

唐沢寿明や中森明菜を送り出してきた研音という事務所

研音は1973年、研究出版株式会社の音楽事業部として発足し、1979年に株式会社研音として独立した。音楽部門では中森明菜が1985年と1986年の日本レコード大賞を受賞し、絢香やザ・ブリリアントグリーンなどが活躍してきた。俳優部門でも唐沢寿明、山口智子、反町隆史、竹野内豊ら主演級のタレントを次々に輩出し、浅野ゆう子を看板女優へと育てた実績を持つ。所属者を歌手も俳優も等しく「アーティスト」と呼ぶ独自の呼称や、2001年に唐沢の呼びかけで始まった骨髄バンクへのチャリティーオークションなど、業界内でも独特の文化を築いてきた事務所として知られる。

竜星の退所は、そうした看板俳優を数多く育ててきた名門からの巣立ちという意味を持つ。歌手も俳優も等しく「アーティスト」と呼ぶ社風は、所属者を一時的な稼ぎ頭としてではなく、長期的に育てる表現者として扱うという事務所の姿勢の表れでもあり、竜星が16年という長さで在籍した背景には、この育成文化があったとみてよい。

 

研音を巡る退所は今年、竜星が初めてではない

同じ研音では今年5月31日付で、女優の市川由衣も25年間の所属を終えている。15歳から在籍してきた市川は「節目の年を迎え、これからの人生について今一度見つめ直した」と退所理由を語っており、事務所や仕事への恩を語りながら次の段階へ進もうとする姿勢は、今回の竜星の発表と重なる部分が多い。

同じ5月31日には、フォスター所属だった勝地涼も27年間の所属を終え、来年の誕生日に独立する計画を明かしており、ホリプロ所属だった優希美青も約14年の所属に区切りをつけている。長年連れ添った大手事務所を円満に離れ、マイペースで仕事を選べる自由やギャラを事務所と分配しなくて済む利点と引き換えに、仕事のあっせんがなくなり、トラブルが起きた際の対応まで自分で引き受ける立場へ移る決断が、この一年で複数の看板俳優に相次いでいる格好だ。知名度と実績が十分にある俳優ほど、事務所というブランドに頼らずとも仕事を得られる自信があるからこそ、この選択肢が現実味を帯びる。

 

理由を語らない退所が示すもの

竜星は退所の具体的な理由や次の所属先について、現時点で多くを語っていない。発表文からうかがえるのは、事務所への不満や対立をにおわせる言葉ではなく、感謝を土台にしながら次の段階へ進みたいという意志である。

ただし、代表作の多くを研音在籍中に積み上げてきた竜星にとって、今後どのオファーをどう選び取るかは、これまでとは異なる判断を自分ひとりで背負うことを意味する。「受けた恩は一生忘れない」という言葉を、看板を外した先でどう仕事として証明していくか。それこそが、この発表の本当の続きになる。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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