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「ダ・ヴィンチ」が10月休刊、32年の歴史に幕 KADOKAWA決断の背景

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KADOKAWAは2026年5月26日、月刊誌『ダ・ヴィンチ』を2026年11月号(10月6日発売)をもって休刊すると公式発表した。1994年4月の創刊から32年、本と漫画の情報誌として読書ファンに親しまれてきた誌面が幕を下ろす。

 

リクルートが1994年に創刊

もともと1994年、リクルートが「本の情報誌」として創刊。新刊書籍のレビューや作家インタビューを中心に据え、マンガ・アニメ・声優まで扱う総合エンタメ情報誌として成長した。メディアファクトリーへの移管を経て、2013年からはKADOKAWAが刊行を続けてきた。

休刊発表を受け、新海誠監督や小説家の平野啓一郎氏らがXに投稿するなど、文芸・コンテンツ業界での存在感の大きさをうかがわせた。

休刊の背景

KADOKAWAは休刊理由として「出版市場の劇的な変化」と「読者の情報摂取スタイルの多様化」を挙げる。背景には深刻な数字がある。2026年3月期通期決算では出版・IP創出事業の営業利益がほぼ半減。また出版科学研究所のデータによると、2025年の紙出版市場は4.1%減の9,647億円と1976年以来初めて1兆円を割り込んだ。紙雑誌は10.0%減の3,708億円と特に落ち込みが激しく、業界全体の構造変化が休刊の直接要因となった。

KADOKAWAは「なろう・異世界系への過度な依存」を課題として認めており、2026年に入り早期退職募集も実施している。今回の休刊は不採算媒体整理の一環とみられる。

 

Web移行で「編集力」は継承されるのか

姉妹メディア「ダ・ヴィンチWeb」は今後も継続・強化される方針だ。同社は「雑誌が大切にしてきた思いや役割を継承し、Webならではの機動力を活かす」としており、紙の月刊ペースを超えた即時更新・インタビュー強化が見込まれる。

出版業界では同様の「紙→Web移行」が相次ぐ。KADOKAWAだけでも、ドラゴンマガジン(2025年5月休刊、Webメディア移行)、ハイウェイウォーカー(2026年4月休刊)など近年だけで複数の事例がある。ウォーカープラス(東京ウォーカーなど休刊後に統合)は月間PV1億4,000万超へ成長しており、Web移行の成功モデルとして注目される。

業界全体のデジタルシフトは止まらない

紙雑誌については、業界全体が休刊ラッシュといえる傾向にある。KADOKAWA以外でも、Mac Fan(マイナビ出版、2026年5月定期刊行終了)、じゃらん(リクルート、2025年3月休刊)、母の友(福音館書店、2025年3月休刊)など老舗誌が相次いで幕を閉じている。共通理由は「情報メディア環境の変化」であり、電子出版が緩やかに伸長するなかで、紙雑誌の役割は根本から問い直されている。

32年の歴史を持つ『ダ・ヴィンチ』の休刊は、「本と出会う場」がリアルからデジタルへ完全に移行しつつある日本の出版市場の現実を、改めて突きつけた。

 

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ライター:

東京都出身。一日中ネットに張り付いている。

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