
カバー株式会社は2026年5月26日、男性VTuberグループ「ホロスターズ」の所属タレント12名中6名が6〜7月にかけて配信活動を終了すると発表した。SNS上では発表直後から「さみしい」「ありがとう」「泣きそう」といった声が多数上がっている。
同日にはにじさんじの人気ユニット「ROF-MAO」も円満解散を発表しており、VTuber業界全体でグループ活動の見直しが相次ぐ節目となった。
2019年創設の男性VTuberグループ
ホロスターズは、「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社が2019年に設立した男性VTuberグループだ。ホロライブの女性タレントと並ぶ存在として、ライブや公式コラボ番組など会社主導の大型企画を展開してきた。
運営するカバー株式会社は、2026年4月3日に「持続可能な形での存続」を理由として運営体制の大幅変更を発表。自社スタジオを利用したタレント配信の支援、大規模コラボイベント、記念グッズの新規発売、オリジナル楽曲制作など、会社主導の施策を相次いで制限・終了していた。
卒業する6名・継続する6名
カバー株式会社の公式発表によると、タレント一人ひとりとの個別協議の結果、以下の6名が配信活動を終了する。
- 花咲みやび(終了日:2026年6月8日)
- 岸堂天真(同6月8日)
- 律可(同6月9日)
- アルランディス(同6月10日)
- 水無世燐央(同6月25日)
- 影山シエン(同7月5日)
一方、奏手イヅル、アステル・レダ、夕刻ロベル、荒咬オウガ、夜十神封魔、羽継烏有の6名は活動を継続する。MoguLiveの報道によると、継続メンバーには1日あたりの登録者獲得効率が高いタレントが集中している。
卒業メンバーの律可と影山シエンがCVを務めるゲーム「ポラポリポスポ」については、両名のCV続投が別途決定している。
谷郷CEOが認めた「運営ミス」——女性モデルの男性への流用が失敗の原因
カバーの谷郷元昭CEOは、5月14日の決算説明会で今回の再編の背景について踏み込んだ説明を行った。最大の原因は「供給者視点」の運営ミスにあるとし、女性タレントで機能したアイドル的プレゼンのモデルをそのまま男性タレントに適用した点を率直に反省した。
同CEOは今後について、「量的拡大」から「質的拡大」へ転換し、各タレントの個性に合わせた個別支援にリソースを集中させる方針を示した。なお、HOLOSTARS Englishについては「まだチャレンジ段階」として、今回のJP再編とは切り離して運営を継続するとしている。
VTuber業界に広がる再編の波
今回の体制変更は、業界全体の潮流と無縁ではない。VTuber市場は2020年代前半に急拡大した反動として、近年は各事務所が収益効率の見直しを迫られている。にじさんじを運営するANYCOLORも2026年に入り複数のタレント卒業や組織再編を発表しており、大手2社がそろって「量より質」への転換を明確にした形だ。
背景には、グループ・ユニット単位での会社主導型運営が、タレント個々の個性や視聴者ニーズと必ずしも合致しないという構造的な問題がある。今後はタレント個人のブランドを軸に、事務所がバックオフィス的な支援に徹するモデルが業界標準になっていく可能性がある。ホロスターズの新体制はその先行事例として、業界内外から注目を集めることになりそうだ。



