
13億円ともいわれる遺産の行方が決まった。その瞬間、元妻・須藤早貴さんがXに投稿したのは、悲嘆でも戸惑いでもなく「万歳」だった。さらに兄姉への思い、遺言書をめぐる自身の立場、そして代理人弁護士への痛烈な皮肉まで。あまりに饒舌な投稿に、Xでは「文才ありすぎ」の声まで飛び出している。
「万歳」田辺市にエール
「祝・ドンファン遺言書有効確定 万歳。田辺市おめでとう!」
10月4日、須藤早貴さんがXに投稿した文章が注目を集めている。紀州のドン・ファンこと野崎幸助さんは2018年5月、和歌山県田辺市の自宅で急性覚醒剤中毒により死亡した。元妻の須藤さんは殺人などの罪に問われたものの、1審の和歌山地裁、2審の大阪高裁はいずれも無罪判決を言い渡した。検察側は上告しており、刑事裁判についてはまだ最終的な結論が出ていない。一方、野崎さんが2013年に「全財産を田辺市にキフする」と記した遺言書については、野崎さんの親族側が無効を主張して争っていた。
和歌山地裁、大阪高裁はいずれも遺言書を有効と判断。最高裁第3小法廷も9月30日付で親族側の上告を退け、遺言書の有効性が確定した。野崎さんの遺産は約13億円とされる。その巨額遺産をめぐる裁判が一つ決着した直後に、須藤さんが発した言葉が「万歳」だった。しかも「田辺市おめでとう!」である。巨額遺産をめぐる裁判の当事者から出た言葉としては、なんとも意外な第一声だ。
「兄弟には遺産を渡したくない」
須藤さんは今回の投稿で、野崎さんが生前、兄弟について何度も語っていたという内容も明かした。「初めて会った時から何度も『兄弟には遺産を渡したくない。兄と姉には子供の頃から虐められてきたのに、私が成功して金持ちになったらすり寄って来た。だから縁を切りました』と言ってた」妹については「そこまで憎んでいなかった」とも記している。さらに須藤さんは、「なので私は遺言書が出て来ても争いませんでした」と説明した。13億円ともいわれる遺産をめぐり、元妻自身が遺言書の有効性を争わなかったというのは、今回の投稿でも特に目を引く部分だ。
もっとも、遺言書が有効になったからといって、須藤さんが遺産を受け取る可能性が完全になくなるわけではない。配偶者には遺留分が認められるため、一定の条件のもとで請求できる可能性がある。関西テレビも過去の報道で、須藤さんが遺留分を請求できる可能性について伝えている。つまり「田辺市おめでとう!」は、単純に「自分は一円もいらない」という宣言とまでは言えない。それでも、少なくとも本人がSNSで見せたスタンスは、巨額遺産をめぐって親族と激しく争う人物像とは少し違って見える。この“ズレ”が、今回の投稿を面白くしている。
弁護士には「爆笑しました」
そして投稿の後半は、さらに強烈だった。須藤さんは野崎さんの兄弟側の代理人を務めた渥美陽子弁護士について、控訴審で「弁護士が須藤早貴に入れ知恵をし、須藤が遺言書の偽造をAに依頼した」という趣旨の主張をされたと説明。そのうえで、「勝つ気が無いのかと爆笑しました」と切り捨てた。さらに、「仮にも弁護士が名誉毀損になる主張をするなんて論外」と批判。渥美弁護士がSNSでコスプレ姿を披露していることにも触れ、「コスプレ姿をSNSで披露する暇があるなら、もっとマシな弁護ができるように勉強してください!!ぷんぷん。」と続けた。須藤さんはさらに、渥美弁護士について「他にもドンファン関連で何かと首を突っ込んできて私に裁判起こしたりしてきた」「全敗してました」と主張している。そして最後には、「今後の更なるご活躍をお祈り申し上げます!」と一見丁寧な言葉で締めた直後、「弁護を依頼したい方はこちらまで♡」として渥美弁護士のXアカウントを紹介した。丁寧語で包んだ皮肉ほど、時に強烈だ。もっとも、須藤さんによる弁護士への評価や過去の裁判についての説明は、あくまで本人側の主張だ。記事としては、その点を事実認定と混同しないように見る必要がある。
「文才ありすぎ」Xで思わぬ人気
今回、Xで目立っているのは弁護士への批判だけではない。意外にも、須藤さんの「文章力」そのものを面白がる声が相次いでいる。
「ドンファンの元嫁、文才ありすぎておもろすぎる。もっと投稿してほしい」
「僕はあなたが最初から無実だと思ってました。誰からどう見てもそんな疑われる状況で故意に人を殺めることはしないですからね。文才がありますね。芸能界からデビューしてください」
さらに、
「何よりも貴女のX復帰が嬉しい」
「早貴さん大ファンです!頑張ってください!!」
「早貴さんの分の最高裁が終わったらリハックに出て欲しい」
と、須藤さんを支持する投稿も見られる。単なる事件への同情ではなく、本人の言葉をもっと読みたいという反応が出ているのが興味深い。事件発覚当初の須藤さんといえば、”紀州のドン・ファンの元妻”、”殺人罪などで起訴された女性”という強烈な肩書きが先行していた。ところが今、本人がSNSで自ら文章を書き、裁判や周囲の人物について語り始めると、そこから見えてくる人物像は少し違う。皮肉を交え、相手の言葉を拾い、最後に一発落とす。小説家になったら?という反応が出るのも、文章だけを読めば分からなくはない。ただし、ここには一つ大きな注意点がある。
「文章が面白い」と事件の真相は別
Xには須藤さんを支持する声だけでなく、当然ながら厳しい意見もある。
「くそ嫁は遺留分もらえるのよね。限りなく有罪に近い無罪を勝ち取って。最高裁で有罪に出来ないのかな」
と、刑事裁判について疑問を呈する声もある。一方で、
「裁判を起こしてたのは兄弟達遺族だったのか?勘違いしてた…」
「妻は遺留分のみで満足だったんだな」
と、これまで事件を追ってきた人が、今回の投稿を読んで遺言書をめぐる争いの構図を整理し直すような反応も見られた。ここは冷静に整理しておきたい。今回、最高裁で確定したのは野崎さんの遺言書の有効性だ。須藤さんの刑事裁判については、1、2審で無罪判決が出ているものの、検察側が上告している。したがって、遺言書が有効になったことと須藤さんが事件について完全にシロであることは、当然ながら別の問題である。それでも、今回の投稿が世間の須藤さんを見る目を変える可能性はある。なぜなら、これまで紀州のドン・ファン事件の被告という一枚のイメージで語られがちだった人物が、SNSでは自分の言葉でかなり饒舌に語り始めたからだ。事件の真相とは別のところで、この人はいったい何者なのかという新しい興味が生まれている。



