
シールをはがした後のあのツルツルした裏紙。実は長年リサイクル泣かせだった厄介者を、大阪シーリング印刷が驚きの発想で資源に変えた。
捨てられるだけだったシール裏紙を救う驚きの新技術
身近なシールの裏にあるツルツルとした裏紙。あれは剥がしやすくするために表面にシリコーンが塗られていて、普通の紙と一緒にリサイクルしようとすると印刷が弾けてしまう厄介ものだった。
そのため長年捨てるしかないとあきらめられていた。この大きな壁に挑んだのが、シール製造の大手である大阪シーリング印刷だ。構想からおよそ2年という歳月をかけて、裏紙をもう一度きれいな素材へと生まれ変わらせる画期的な技術をみごとに完成させた。
水に浸すだけでペロッと剥がれる逆転の発想

一般的なリサイクルでは不純物を取り除くのが難しく、再生した素材の使い道が限られてしまうのが悩みどころだった。そこで同社が思いついたのが、水に溶ける特殊な塗料をシリコーンの下に仕込んでおくというアイデアだ。
使い終わった裏紙を水に入れると、下地がサッと溶けてシリコーンだけが浮かび上がり、きれいな紙の繊維だけを取り出せる。
強引に削り落とすのではなく水に浸すだけで分離させるこのスマートな仕組みによって、新品同様の高品質な紙やフィルムへ何度でも生まれ変わらせることが可能になった。
作る責任に向き合う老舗企業が誇るサステナブルな情熱
シールを大量に製造する企業だからこそ、使い終わった後のゴミ問題から目を背けるわけにはいかない。そんな強い決意が今回の開発を後押しした。同社が属するグループでは、環境とビジネスを両立させるサステナブルな企業経営を大切にしている。
自社で新しい技術を生み出すだけに留まらず、業界全体で裏紙の回収や再利用を進める団体にも参加した。自分たちの製品が社会でどう使われ、どう循環していくかまで責任を持つ姿勢が、今回の素晴らしい成果へとつながっている。
誰もが諦めていた課題を解決に導くビジネスのヒント
大阪シーリング印刷の挑戦は、業界の当たり前や長年の悩みに正面から向き合うことの大切さを教えてくれる。技術の力で課題を鮮やかに解決してみせたプロセスは、あらゆる仕事においてイノベーションを起こすヒントに満ちている。
ただ製品を作って売るだけでなく、社会に届いたその先のことまで考え抜いて価値を高めていく。そんな視点を持つことこそが、これからの時代に愛され続ける強いビジネスを作る鍵になる。



