
東京都渋谷区千駄ヶ谷の明治通りで2026年9月12日夜、車の運転席側のドアに自転車が衝突し、乗っていた男性が路上に転倒した。男性は後続のタクシーにはねられ、死亡した。
58歳運転者の後方確認が不十分だったとみて調査
読売新聞オンラインによると、事故の発生は12日午後6時50分ごろ。亡くなったのは、新宿区に住む会社役員の樫原秀人さん(59)で、搬送先の病院で死亡が確認された。
乗用車を運転していたのは、世田谷区の自営業の男性(58)。現場は片側2車線の直線道路で、警視庁原宿署は、この男性の後方確認が不十分だったとみて、当時の詳しい状況を調べている。
FNNプライムオンラインは、男性がハザードランプを点灯し、運転席から降りようとしていたと報じた。車が止まっていた場所は、駐車が禁止されている区域だったという。
ハザード点灯中でも必要なドア開放前の安全確認
道路交通法第71条第4号の3は、運転者が安全を確かめずにドアを開けたり、車両から降りたりすることを禁じている。同乗者のドア開放や降車によって交通の危険が生じないよう、必要な措置を取ることも運転者の義務に含まれる。
ハザードランプを点灯していても、安全確認の義務は免除されない。自転車やバイクなどが側方を通ろうとしていないかを確かめたうえで、ドアを開ける必要がある。
「駐車禁止」と「駐停車禁止」は異なる
現場について報じられた「駐車禁止」は、駐車に加えて停車も禁じる「駐停車禁止」とは異なる規制だ。道路交通法は、車両の停止を「駐車」と「停車」に分けて定義している。
人の乗り降りのための一時的な停止は、駐車の定義から除かれる。ただし、運転者が車を離れ、すぐに運転できない状態になれば駐車に当たる。客待ちや荷待ちなどで継続して車を止めることも、駐車に含まれる。
駐車禁止区域での違反の有無は、停止の目的や時間、運転者の状態などによって判断される。ハザードランプの点灯は、駐車を許可するものではない。
原宿署は以前からドア開放事故を注意喚起
原宿署が2021年9月22日に更新した交通安全の案内では、管内で後方のバイクを見落とした進路変更による接触や、タクシーのドア開放に伴う事故が多発していると説明していた。バイクの運転者に対し、幅寄せやドアの開放への注意を呼びかけている。
公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)の事故分析資料は、ドアを開ける前に周囲の安全を確かめ、ルームミラーやサイドミラーを活用するよう促している。ドアは初めに少し開き、その後ゆっくり開けるという手順を示す。
同乗者が乗り降りするときも、運転者が事前に周囲の状況を確認し、注意を促すよう呼びかけている。



