
横浜市の山中竹春市長が8月28日、後援会会合で辞職する意向を示した。「人間のクズ」などの暴言や人事権を背景とした職員支配がパワハラと認定され、続投姿勢から転じた。
山中竹春市長、後援会で辞職意向 退任日は未発表
TBS NEWS DIGによると、山中市長は28日正午から横浜市内で開かれた自身の後援会会合に出席し、支援者へ辞職の意向を伝えた。
山中市長は7月30日に第三者調査報告書が公表された後も市政を担う考えを示し、8月13日の横浜市会総務委員会では「生まれ変わるように努力したい」と述べていた。その後は後援会関係者らの意見を聞いて進退を判断すると説明していたが、支援者からも厳しい意見が相次ぎ、続投を断念した形だ。
8月28日午後2時時点で、辞職届の提出時期や退任日は明らかになっていない。
「ポンコツ」「人間のクズ」 100ページの報告書がパワハラ認定
問題は2026年1月、当時の横浜市総務局人事部長だった久保田淳氏が、山中市長による暴言や威圧的な言動を実名で告発したことで表面化した。横浜市会は同月28日、真相究明を求める決議を可決。市は神奈川県弁護士会の推薦を受けた弁護士3人へ第三者調査を委ねた。
7月30日に提出された100ページの報告書は、746人を対象とした記名式アンケートで294人、全職員向けの情報提供窓口で244人から回答を得て、職員や退職者ら57人への聞き取りもおこなった。
調査では、市長室で怒鳴って書類を投げ付けた行為、「切腹」との発言、手で銃を撃つポーズ、「ポンコツ」「人間のクズ」など人格を否定する発言、深夜・休日の常態的な業務連絡、特定職員を市長室へ入れない「出禁」、人事権を背景とした職員支配の7項目を検討。ほとんどの項目で事実を認定し、総合評価として「看過できない重大なパワハラ行為」があったと結論付けた。
とりわけ人事については、市長が「飛ばす」などと発言し、職員を心理的に圧迫して支配する意図に基づく異動があったと認定。報告書は「パワハラの最たるもの」と評した。一方、写真展会場で市議に「デブ」「2頭身」「気持ち悪い」「死ね」と発言したとの告発など、一部は事実認定に至らなかった。
自民・公明・立憲が辞職要求 維新は不信任案提出を決定
山中市長は8月13、14日の市会総務委員会で、報告書が認定した事実をすべて受け入れると陳謝したが、当初は続投を表明した。
これに対し、自民党、公明党、立憲民主党の横浜市会3会派は14日、共同で辞職を申し入れた。3会派はいずれも2025年の市長選で山中氏を支援していた。日本維新の会横浜市会議員団も不信任決議案の提出を決定。最大会派の自民党市議団は、9月1日までに辞意が示されなければ、9月の市会で不信任案を提出する方針を固めていた。
再選から約1年で辞職意向 横浜市長選は原則50日以内
山中市長はデータサイエンティストで、横浜市立大学医学部教授、大学院データサイエンス研究科長、特命副学長などを歴任した。2021年の横浜市長選で初当選し、2025年8月3日の市長選では約66万票を得て再選。2期目の就任から約1年、本来の任期を約3年残して辞職の意向を示す事態となった。
辞職が成立すれば、欠員発生に伴う横浜市長選が公職選挙法に基づき原則50日以内に実施される。選挙日程や立候補の動きは現時点で決まっていない。



