
アシックスは8月14日、100%子会社のアシックス商事を解散・清算する方針を取締役会で決議した。全事業と業務をアシックスまたはアシックスジャパンへ移し、ウォーキング事業は2027年1月1日付で移管する。これにより、70年以上続いた会社の運営を終える。
アシックス商事は2025年12月期に売上高774億4000万円、営業利益58億8500万円を計上した黒字企業だ。赤字事業からの撤退ではなく、収益を上げている子会社の法人格をなくし、事業とブランドをグループ本体へ集約する再編となる。
売上774億円・営業利益58億円 黒字子会社を解散
アシックスの適時開示と決算説明資料によると、今回の解散は、ウォーキング事業の海外成長を加速させ、ブランド戦略を統一するために決めた。ウォーキング事業は2027年1月1日付でアシックスとアシックスジャパンに移され、アシックス商事は全事業を終了した後、法令に基づく解散・清算手続きに入る。清算結了の時期は公表されていない。
アシックス商事は1955年1月設立で、神戸市須磨区に本社を置く。スポーツシューズや一般シューズを国内外で販売し、アシックスが全株式を保有している。2025年12月期は売上高774億4000万円、営業利益58億8500万円、経常利益74億4400万円、純利益43億1500万円だった。売上高は2023年12月期の519億4100万円から2年間で約255億円増えている。
社員に特別転身支援 特別損失67億1700万円
アシックスはアシックス商事の社員に対し、個々の意思を尊重した「特別転身支援プログラム」を実施する。2026年12月期第2四半期連結決算には、転身支援等費用67億1700万円などを特別損失として計上した。決算説明資料では、本件の費用などを概数で70億円としている。前年度のアシックス商事の営業利益58億8500万円を上回る規模だ。
アシックス商事の公式サイトに記載された単体従業員数は、2024年12月末時点で241人。ただし、特別転身支援プログラムの対象人数、アシックスやアシックスジャパンへの受け入れ人数、退職予定者数は公表されていない。
テクシーリュクスはASICSのシリーズで再展開 直営店は継続
アシックス商事は2026年4月、独自ブランドの「アキュアーズ」「ラクウォーク」「レディワーカー」「テクシーリュクス」を12月31日で販売終了すると発表した。4月に公表された終了日は12月31日で、年末までは販売を続ける。
このうちテクシーリュクスはブランドとしての販売を終えた後、2027年2月から「ASICS」のシリーズとして再展開される。「ペダラ」「ランウォーク」「ゲルビズ」「ウエルネスウォーカー」もASICSブランドのシリーズとして販売を続ける。
販売窓口も切り替わる。アシックス商事公式オンラインストアは2026年9月30日、アシックスウォーキング公式オンラインストアは10月30日午後11時59分に注文受付を終了する。ウォーキング商品のオンライン販売は11月1日から2027年1月下旬ごろまで休止し、2月ごろからアシックスオンラインストアで再開する予定だ。全国のアシックスウォーキング直営店は閉店せず、足型計測や商品の販売を続ける。
1月の機能移管から8月の解散方針へ
法人解散に先立ち、グループ内では機能移管が進んでいた。アシックスは2026年1月、アシックスプロダクト・キッズおよびオニツカタイガーのデザイン・開発などをアシックス商事から本体へ移した。4月には独自4ブランドの販売終了とASICSブランドへの集約を公表し、7月にはアシックスウォーキングのECサイトと会員基盤をOneASICSへ統合する日程を発表。8月の解散方針は、その延長に位置する。
同じ8月14日、アシックスは2026年12月期の業績予想も上方修正した。売上高は従来の9500億円から1兆500億円、営業利益は1710億円から1950億円へ引き上げた。売上高が1兆円を超えれば初となる。
上期の売上高は前年同期比32.7%増の5344億円、営業利益は48.5%増の1204億円。スポーツスタイルは83.0%増の1231億円、オニツカタイガーは35.9%増の895億円と伸びた。ウォーキングカテゴリーも売上高86億円、カテゴリー利益15億円を計上している。過去最高の業績を更新する過程で、アシックスは黒字子会社の法人をなくし、ウォーキング事業をグループ直轄の体制へ移す。



