
外資系コンサル大手「マッキンゼー」の現役社員とされる男性が、独身を装って交際していたとして訴えられていたとSmartFLASHが6月30日に報じた。男性は推定年収5000万円とも伝えられており、交際相手の女性側は「貞操権の侵害」を主張しているという。
マッキンゼー現役社員に浮上した「独身偽装」報道
SmartFLASHによると、訴えられているのはマッキンゼーの現役社員とされる男性B氏。相手女性のA子さんは、B氏が独身であるかのように振る舞いながら交際を続けていたと訴えている。
同誌は、B氏がA子さんに「いつプロポーズしようかな」といった趣旨の発言をしていたことや、「一緒に福岡に住もう」と物件情報を見せていたことなどを報じている。
記事には、2人で訪れた場所での写真や、B氏がA子さんに送ったとされるメッセージ、マッキンゼーの名刺に関する写真説明も掲載されている。
「高収入コンサル」と結婚をほのめかす言葉
マッキンゼーは、戦略コンサルティング業界を代表する企業として知られ、経営層向けの助言や事業戦略、組織改革などを手がける。採用難度や報酬水準の高さから、同社社員は「エリート」の象徴として語られることも多い。
だからこそ、交際相手に名刺を渡し、仕事や年収、将来の生活を連想させる状況があった場合、相手側が結婚や同居を現実的なものとして受け止めた可能性は否定できない。独身か既婚かは、単なるプロフィール情報ではなく、交際継続や性的関係を持つかどうかの判断に直結する情報である。
貞操権侵害とは何か
A子さん側が主張しているとされる「貞操権」とは、性的関係を持つ相手を自分の意思で選ぶ権利を指す。法律の条文にそのまま明記された言葉ではないが、裁判例では性的自己決定権の一部として扱われてきた。
問題になるのは、相手が既婚者である事実を隠し、独身だと信じさせたまま交際や性的関係に至った場合だ。既婚者だと知っていれば関係を持たなかった、あるいは交際を続けなかったといえる場合、相手の判断機会を奪った行為として不法行為が認められることがある。
近年は、マッチングアプリや婚活サービスを通じた出会いでも、独身偽装をめぐる訴訟が相次いでいる。弁護士ドットコムニュースは2025年12月、既婚者でありながら独身と偽って交際を続けた男性に対し、東京地裁が約150万円の支払いを命じた判決を報じている。
この事例では、女性がアプリのプロフィール欄に「既婚者お断り」と明記し、交際中も既婚者ではないことを繰り返し確認していた。裁判所は、男性が虚偽の言動を繰り返し、独身者であると誤信させたうえで交際と性的関係に及んだと認定した。
「結婚前提ではない」は通用するのか
独身偽装をめぐる訴訟では、男性側が「結婚を前提とした交際ではなかった」「単なる関係だった」と反論するケースがある。
しかし、裁判所が重視するのは、当事者間でどのような言動があったか、相手が何を信じて交際を続けたか、そして性的関係を持つ判断に婚姻状況がどれほど影響したかである。
大阪地裁の裁判例を解説した法律事務所の記事では、婚姻の有無は「性的関係を伴う交際をするかどうかを判断する重要な情報」とされ、独身と偽った行為が判断の機会を失わせたとして、55万円の慰謝料が命じられたと紹介されている。
今回のSmartFLASH報道でも、プロポーズを思わせる発言や同居を連想させるやり取りがあったとされる。こうした言動が事実であれば、単なる恋愛トラブルにとどまらず、相手に将来の生活を想像させたうえで関係を続けたかどうかが争われることになる。
社会的地位と私生活リスク
高収入の外資系コンサル社員という属性は、婚活市場や恋愛市場で大きな信用材料になる。名刺、職業、年収、将来の生活設計を思わせる言動は、相手に安心感を与える一方で、虚偽があれば被害感情を増幅させる。
独身偽装は、かつては「男女間のもめ事」として片づけられがちだった。しかし、近年の裁判例では、相手の性的自己決定を侵害したかどうかという法的な問題として扱われる場面が増えている。マッチングアプリ、婚活、職業的信用が交差する現代の交際では、独身か既婚かという情報の意味は以前よりも大きくなっている。
今回の訴訟報道は、著名企業に勤める高収入男性のスキャンダルというだけではない。恋愛における嘘が、どこから法的責任に変わるのかを示す新たな事例として受け止められている。



