
一般社団法人フウドは地域社会を巻き込む独自の協働手法でアマモ場の再生に挑み持続可能な里海づくりを推進する。
62,780粒を回収した江田島アマモ再生の成果
広島県江田島市を拠点とする一般社団法人フウドは2026年7月24日、広島県水産海洋技術センターでアマモの種子回収作業を実施した。
取り組みには同団体をはじめ地元の大柿高校の生徒や地域企業など13名が結集し、前年の約3.7倍にあたる推定62,780粒の種子を回収した。
魚や小動物の生育拠点となるアマモ場は「海のゆりかご」と称され、沿岸生態系の基盤をなす。今回の成果は単なる環境保全にとどまらず、ブルーカーボンや生物多様性の保全という観点からも極めて価値が高い。
専門保全を地域参画型へ変容させる独自の強み

フウドの強みは、専門性の高い保全作業を「地域参画型」の仕組みに変換した点にある。
通常は研究機関や行政が主導する種子の選別や計測といった工程に、高校生や地元住民を直接巻き込んだ。
専門技術の現場を開放的な体験と教育の場へと転換することで、保全活動の精度を保ちながら地域に根ざした持続可能な体制を作り上げている。
環境保全を地域の日常へ落とし込む理念
活動の根底に流れるのは、保全活動を一部の専門家から地域全体の日常へと取り戻す哲学である。
目標はアマモの群落を再生することだけにとどまらない。海に関わり、海を守る当事者を地域の中に増やしていく「人づくり」に真の狙いがある。
一粒の種子を育むプロセスを地域の人間関係の循環と重ね合わせ、持続可能な地域社会の構築を目指している。
地域協働と次世代育成から探る事業成長の鍵
本事例は、社会課題の解決において多様な主体を統合する共創モデルの有用性を物語る。
参加した高校生は「実際に種子を数える作業を通じて、自分たちの住む海を守る意味を実感できた」と語る。
座学ではなく実体験を通して当事者意識を醸成し、学校や行政、地域企業を一つの目的に向かって動員する包括力こそ、持続可能なビジネスを目指す企業が学ぶべき本質といえる。



