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手足口病が全国27都府県で警報レベル 大人は高熱・足裏の激痛も…子どもが治った後に親へうつる盲点

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手足口病
PhotoACより

子どもの手に広がった赤い水疱が薄くなり、口の痛みで止まっていた食事も戻ると、親はようやく看病が終わったと思う。ところが数日後、今度は自分が高熱に襲われ、喉の痛みで水も飲めず、足の裏にできた発疹で歩くことさえつらくなる。全国で手足口病が警報レベルを超えたいま、警戒すべきなのは子どもの発疹だけではない。症状が消えた後も便からウイルスが排出され、家庭の中で感染が続くからだ。

 

 

手足口病が2年ぶりの警報レベル

全国およそ2000の小児科から報告された手足口病の患者数は、6月29日から7月5日までの1週間で、1医療機関当たり7.03人に達した。警報レベルの目安となる5人を超えるのは2年ぶりで、島根県は18人、佐賀県は11.83人、東京都は11.72人となり、27都府県で目安を上回っている。

手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどによって起きる感染症で、主に夏場、乳幼児の間で広がる。手のひらや足の裏、口の中に小さな水疱が現れ、肘や膝、お尻まで発疹が広がることもある。高熱が出るとは限らず、朝は口の周りに赤い点が数個あっただけなのに、夕方には手足へ一気に増えている場合もあり、熱が低いから軽いとは判断できない。

多くは3日から7日ほどで回復するが、口の中の水疱が潰れると、水や食べ物が触れるだけで強くしみる。幼い子どもは痛みを説明できず、飲み物を押し返し、食事を前に泣き出すため、親は発疹より先に、食べない、飲まない、機嫌が悪いという変化で異変に気づくこともある。高熱が続く、ぐったりして反応が鈍い、頭痛や嘔吐がある、尿が極端に減っている場合は、脱水や髄膜炎、脳炎なども考え、早めに医療機関へ相談したい。

 

大人の手足口病は軽い夏風邪では済まない

手足口病は子どもの病気と思われがちだが、家庭内では親にも感染する。鼻水や唾液を拭き、食べ残しを片づけ、おむつを替える生活の中で、感染した子どもと距離を取ることは難しく、ウイルスは親の手を経て口や鼻へ入り込む。

大人が感染しても軽く済む人はいるが、高熱や悪寒、強い倦怠感、喉の激痛に加え、手のひらや足の裏を埋めるように発疹が広がることもある。足裏の水疱は体重をかけるたびに痛み、廊下を歩くだけで足を引きずるほどになるケースもあり、水やゼリーさえ喉を通らず、数日間仕事や家事を止めざるを得なかったという声が相次いでいる。

さらに厄介なのは、熱も発疹も治まった数週間後に、手足の爪が浮いたり、剥がれたりすることがある点だ。すべての患者に起きる症状ではないが、服やタオルに爪が引っかかって初めて異変に気づく場合もあり、発症から時間がたっているため、手足口病との関係を思い浮かべにくい。子どもの看病中に親が発熱し、喉や手足に痛みが出た場合は、疲れや夏風邪と決めつけない方がいい。

 

発疹が消えても便にはウイルスが残る

家庭内感染で最も見落とされやすいのは、見た目の回復と感染の終わりが一致しないことだ。熱が下がり、水疱が薄くなり、子どもが普段通りに遊び始めても、便の中にはその後2週間から4週間ほどウイルスが排出されることがある。看病中は神経をとがらせていた親も、子どもが元気になれば手洗いが雑になりやすく、おむつ交換やトイレの介助をした手で食べ物や顔に触れれば、そこから感染が広がる。

だからといって、子どもを何週間も隔離することはできないし、その必要もない。発症前や無症状の人から感染することもあるため、発疹が消えるまで家に閉じ込めれば防げる病気ではなく、現実的なのは、子どもが回復した後も排泄物を扱った際の手洗いを続けることだ。

 

予防の中心は石けんと流水による手洗い

手足口病には特効薬も、国内で使える予防ワクチンもなく、発症した場合は解熱鎮痛剤などで熱や痛みを抑え、水分を取りながら回復を待つしかない。家庭内感染を防ぐには、おむつ交換やトイレの介助後、食事の前に、石けんと流水で指の間や手首まで洗い、使用済みのおむつは速やかに包んで処理する。タオルやコップ、箸を家族で共有せず、子どもの食べ残しを親が口にすることも避けたい。

原因となるウイルスはアルコール消毒が効きにくいことがあり、消毒液を手に擦り込むだけでは十分とはいえない。玩具やドアノブ、テーブルなど、唾液や鼻水がつきやすい場所を拭き、洗える玩具はこまめに洗う必要があるが、家中を過剰に消毒するより、排泄物や唾液に触れた後の手洗いを徹底する方が現実的だ。

大人が感染した場合は、高熱や喉の痛みを我慢して家庭を回そうとせず、水分を少しずつ取り、酸味の強い飲み物や熱い料理、硬い食べ物を避ける。冷ましたスープ、ゼリー、ヨーグルト、柔らかい麺などは口内の傷を刺激しにくい。水分がほとんど取れない、高熱が続く、激しい頭痛や嘔吐がある、意識がぼんやりする、足の痛みで歩けない状態なら、受診をためらう段階ではない。

子どもの発疹が消えれば、家庭は元の生活へ戻ったように見える。だが、そこでおむつ替え後の手洗いまで元に戻せば、数日後には看病する側とされる側が入れ替わる。手足口病は、子どもの肌から水疱が消えた瞬間に終わる病気ではない。親が最も気を抜きやすい「治った後」にこそ、ウイルスは家庭の隙を突いてくる。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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