
規格外などを理由に捨てられていた魚に新たな価値を与える仕組みが、ついに海を渡る。国内で成果を上げた企業が、世界屈指の水産大国インドネシアで新たな挑戦を始めた。
捨てられていた魚を宝に変える日本発のイノベーションが世界へ
魚の定期便サービス「フィシュル!」を手掛ける株式会社ベンナーズが、インドネシアでの事業化に向けた調査を本格的にスタートさせた。
現場となるインドネシアは、世界トップクラスの漁業量を誇りながらも、離島が多く氷や冷凍設備が不足している。そのため、せっかく獲れた魚を冷やして運ぶ体制が整わず、価値を残したまま市場へ届けられないという大きな悩みを抱えていた。
物を売るのではなく魚を活かす仕組みそのものを現地に届ける

この取り組みの面白さは、日本の魚や加工品をそのまま売り込むのではない点にある。狙いは、現地で獲れる魚の特性に合わせた加工や販売の仕組みを整え、現地の漁師や企業が自分たちの力で稼ぎ続けられる環境をつくることだ。
冷やすためのインフラ構築を得意とする企業とタッグを組み、設備というハード面と、未利用魚をおいしく商品化するソフト面の両輪で現地ビジネスを根底から支えていく。
もったいないを美味しいに変える思想と圧倒的な実績
この挑戦の根底にあるのは「もったいないを、おいしいに変える」というシンプルな考え方だ。
形が揃わない、数がまとまらないといった理由で市場に出回りにくかった魚を、加工技術とアイデアで商品化し、これまで約200種類もの魚に新しい価値をつけてきた。累計248トンを活用し、学校給食にも310万食以上を届けてきた実証済みのモデルが、今回の海外進出のベースになっている。
一企業のビジネスを超えて世界中の食卓と海を救うヒント
日本の社会課題から生まれた工夫やノウハウは、同じ課題に悩む海外の地域でも大きな力を発揮する。
単なる援助や商品の輸出にとどまらず、現地の環境に合わせて持続可能なビジネスを一緒に作り上げるアプローチは、これからの食の未来や環境保全に向けた大きなヒントを与えてくれている。



