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広告の配布網を福祉情報に開放 福岡発「シェアチラシ」がひとり親支援NPOと提携

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Design-a シェアチラシ
画像出典:株式会社Design-a プレスリリース

企業の広告を届けるポスティング網を、地域に必要な情報を運ぶ手段としても使う。シェア型ポスティング広告「シェアチラシ」を運営する福岡市の株式会社Design-aが、月間配布100万枚突破を機に「地域貢献枠」を新設した。

第一弾として、ひとり親家庭を支援するNPO法人いるかと提携し、福祉情報を地域へ無償で届ける支援を始める。

 

1枚を4社でシェア、月間100万枚に到達

「シェアチラシ」は1枚のポスティング広告のスペースを4社でシェアすることで、掲載企業のコストを抑えながら高い広告効果を実現するサービスだ。地元の事業者に支持され、4月には月間配布枚数100万枚という節目を迎えた。

この成長は、地域の事業者とチラシを受け取る住民に支えられた結果だとして、同社は感謝の形を模索した。たどりついたのが、自社が持つ「地域に直接情報を届ける仕組み」、すなわちポスティング網を社会に還元するという発想だ。チラシ紙面内にビジネス領域以外の地域情報や福祉活動を無償で告知する「地域貢献枠」を6月度の配布分から新たに設けた。広告収入で成り立つ枠の一部を、対価を求めずに地域へ差し出す判断である。

 

第一弾はひとり親家庭支援のNPOと提携

地域貢献枠の第一弾として提携するのは、福岡市内でひとり親家庭の生活安定や福祉向上、子どもたちの未来を支える活動を行う「福岡市ひとり親家庭福祉会事務局(NPO法人いるか)」だ。ひとり親家庭向けの支援制度の案内やイベント告知、相談窓口の周知などを紙面に掲載し、地域住民へ広く届ける。

支援を必要とする世帯は、制度や窓口の存在を知らないまま孤立してしまうことが少なくない。情報が届かなければ支援にもつながらない。紙のチラシで各戸に直接届けるポスティングは、デジタルに不慣れな層にも情報を行き渡らせやすい。福祉の支援を必要とする世帯へ確実に情報を届けるとともに、地域社会全体でひとり親家庭を支える機運を醸成することが狙いだ。NPO法人いるかは、食や学習の支援、相談窓口の開設、情報提供などを通じて、すべてのひとり親家庭が安心して暮らせる社会の実現を目指して活動している団体だ。

 

広告会社が担う、もう一つの役割

広告を配るインフラは、見方を変えれば地域の隅々まで情報を運ぶ流通網でもある。その網を営利の枠を超えて開放する取り組みは、民間企業が持つ事業資産を地域課題の解決に転用する一例といえる。新たな設備投資を必要とせず、すでにある仕組みの使い方を広げるだけで社会的な価値を生み出せる点に、この取り組みの巧みさがある。

行政情報や福祉の案内は、本来届くべき人に届きにくいという構造的な課題を抱えてきた。すでに各戸を回るポスティング網に福祉情報を載せれば、追加のコストをほとんどかけずに到達範囲を広げられる。事業を通じて培った仕組みを社会に還元するこのモデルは、中小企業による地域貢献のあり方として参考になりそうだ。

 

「住みやすい地域社会」を広告から

Design-aは2019年設立、福岡市博多区に本社を置き、シェア型ポスティングサービスの運営や広告企画を手がける。同社は、単に広告を配るだけでなく、地域経済の活性化と誰もが住みやすい地域社会の実現を同時に目指すパートナーでありたいとしている。

今後も地域貢献枠を通じて、行政情報、防災・防犯情報、地域の福祉活動など、ビジネスの枠を超えて「いま地域に必要とされている情報」を届ける活動を継続していく方針だ。広告という日常的な接点を、地域の支え合いの回路へと広げられるか。資本力の小さな地域の中小企業だからこそ、地元への還元が事業の信頼にもつながる。福岡発の小さな試みが問いかけるものは大きい。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、エンタメ関係が多め。

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