
原材料のナフサ価格高騰が理由とされるが、毎月避けられない生理用品への負担増に女性たちの反感が爆発している。
生理の痛みやメンタル負担に加え経済的打撃が重なる現実を「ただの値上げ」と軽視してはならない。
大王製紙全製品15%以上 他メーカーも追随
大王製紙は2026年5月に家庭用・業務用製品の全品を8月1日納品分から現行価格より15%以上引き上げると発表した。
対象はティッシュ、トイレットペーパー、キッチンペーパーに加え、生理用品のエリスや紙おむつのグーンなど幅広い。
中東情勢の影響で石油由来のナフサ価格が上昇し、不織布や高吸水性樹脂の調達コストが跳ね上がったことが主因という。
ユニ・チャームも同時期に数%前後の値上げを実施し、花王も関連製品で交渉を進めている。
店頭価格への反映は販売店次第だが、8月以降に徐々に広がる見込みだ。
紙製品全体の値上げラッシュの中で、特に生理用品は選択肢のない支出として家計を直撃する。
SNSに広がる女性たちの反感と悲鳴
Xでは「8月からナプキン15%値上げってどういうこと」との投稿が約48,000いいねを集め、数百万表示を記録した。
生理の腹痛や常時の気配り、生理前の食欲やメンタル不調を挙げ「1個も良いことないのに必需品の値上げ」と訴える声が相次ぐ。
夏場は交換頻度が増えるため「もう女は死ねってこと?」との過激な表現も飛び交い、「国がメーカーに補助金を出して価格を据え置くべき」との意見が目立つ。
心理学系アカウントは「避けられない身体負担に経済負担が加わる不公平感」と分析する。
食費なら節約可能だが生理は我慢できない点が、数字以上の痛みを生んでいる。
この問題を軽視せず、生活インフラとして向き合うべきだとの声が広がっている。
日本における生理の貧困の深刻さ
厚生労働省の2022年調査では、18~49歳女性の8.1%がコロナ以降に生理用品の入手に苦労したと回答した。
20代以下では12%超、世帯年収100万円未満では16%台に達する。
交換回数を減らしたりトイレットペーパーで代用したりする人が半数近く、かぶれやかゆみなどの症状が7割超に上った。
精神的苦痛を感じる割合も高く、イベントをあきらめたり仕事や学業に集中できなくなったりする影響が報告されている。
物価高が続く中で今回の値上げは、すでに苦しい層の負担をさらに重くする。
単なる家計問題として片付けず、健康と尊厳に関わる深刻な課題として認識する必要がある。
国内の補助金や無料配布の現状
日本に全国一律の購入補助金や消費税ゼロ措置はない。
生理用品には通常の10%がかかる。代わりに多くの自治体が防災備蓄や寄付を活用した無料配布を実施している。
窓口でカードを提示するだけで受け取れる配慮が多く、1人1パック程度が一般的だ。
内閣府の地域女性活躍推進交付金が相談支援の一環として生理用品提供を後押しし、学校トイレへの常設も広がる。
民間では大王製紙が学生向けに1年分を無償提供する奨学ナプキンを続けているが、規模は限定的で周知不足や stigma(スティグマ・社会的な恥の意識) が利用の壁となっている。
世界の無料配布と税優遇 日本との大きな差
スコットランドは2021年に世界初の法律で、必要な人なら誰でも公共施設や学校で生理用品を無料入手できる権利を保障した。
ニュージーランドやケニアでは全学校で無料配布が進み、韓国は2026年7月から所得制限なしの公共配布機設置を開始し全国展開を目指す。
フランスは若年層や低所得者に再利用製品の購入補助を、ブラジルは低所得層向け薬局配布を実施する。
税金面ではケニアが2004年に世界で初めて付加価値税を廃止し、イギリス、オーストラリア、インド、カナダなど数十カ国がゼロ税率や軽減を導入した。
日本の対応はこれらに比べ大幅に遅れているとの指摘が強く、問題を軽視せず制度拡充を求める声が高まっている。



