
経営者が一人で抱える判断、責任、日々の細かな業務。その隣に、秘書という専門職がいたら何が変わるのか。Nekonoteは、秘書代行・経理・総務・広報などの経営機能を外部化するBPOパートナーとして、一人社長や小さな会社を支える仕組みをつくっている。
一人で抱え込む経営者に必要な、もう一つの機能
日々の予定調整、経理、総務、広報、細かな確認作業。経営者の仕事は、表に見える意思決定だけではない。むしろ、その手前にある無数の業務に時間を奪われることも多い。
誰かに頼みたい。けれど、人を雇うほどではない。採用しても、その人が辞めれば業務が止まってしまう。そんな悩みを抱える一人社長や小さな会社に向けて、Nekonoteは「経営機能を外部化するBPOパートナー」としてサービスを展開している。
同社が担うのは、秘書代行だけではない。経理、総務、広報など、経営を支える機能そのものを外部から受託する。忙しいから「人」を探すのではなく、属人化しない「機能(室)」ごと持つ。この発想が、Nekonoteのサービスの軸にある。
「人を雇う」ではなく「機能を持つ」という選択
秘書と聞くと、言われたことを黙々とこなす人を思い浮かべるかもしれない。しかし、Nekonoteが掲げる秘書像はその真逆だ。
同社は、秘書を経営者のビジネスパートナーと捉えている。単に作業を代行する存在ではなく、経営者の隣に立ち、日々の業務を支えながら、事業が前に進む状態をつくる役割だ。
Nekonoteの事業内容は、秘書代行・経理・総務・広報等のアウトソーシング受託、秘書養成オンライン講座の企画運営、フリーランス秘書のコミュニティ運営である。サービスの中心にあるのは、経営に必要な機能を外部化するという考え方だ。
担当者に依存する形ではなく、機能として持つ。だから担当者が辞めても、会社は止まらない。小さな会社にとって、これは大きな安心材料になる。人を抱えることが難しい状況でも、経営を支える仕組みを持つことができるからだ。
Nekonoteの秘書は、指定講座を修了した即戦力で構成されている。料金も「働いた時間」ではなく「終わった成果」に払う仕組みだ。依頼する側にとっては、予算が読みやすい。どれだけ時間がかかったかではなく、何が完了したかに対して支払う。ここにも、業務を機能として捉える同社の姿勢が表れている。
AIに任せること、人が担うこと
Nekonoteは、AIと人の合わせ技も重視している。面倒なことはAIに任せ、肝心なところは人が担う。AI時代において、効率化できる部分は効率化しながら、それでも一番大事な「人」は手放さないという考え方だ。
インタビューシートには、「そんなこともお願いできるの?」とよく言われるという言葉がある。この一言は、同社の守備範囲の広さを示している。秘書代行という言葉だけでは収まりきらない業務を、経営機能として引き受けているからこそ出てくる反応だ。
外部総務室、外部経理室、外部広報室。Nekonoteが今後目指すのは、こうした「機能」を組み合わせ、小さな会社でも大企業並みの経営インフラを持てる仕組みを築くことだ。
同社が掲げるビジョンは「一事業主に一秘書を当たり前にする世の中」である。秘書業務にとどまらず、経営を支える各機能を組み合わせることで、事業主が一人で抱え込まなくて済む状態をつくろうとしている。
AI時代、「こうなったらいいな」は誰でも言える。問題は、それを最後まで責任を持って形にできるかだと、Nekonoteは考えている。だからこそ、AIに任せられることは任せつつ、人が担うべき部分を大切にする。経営者の状況を受け止め、必要な支援を形にする役割は、機械だけでは完結しない。
「支える仕事」の価値を変える
Nekonoteが向き合っているのは、業務効率化だけではない。「支える仕事」が一段下に見られてきた構造そのものを変えたいという思いがある。
表舞台で輝く人には、たくさんの光が当たる。しかし、その人を裏で支える誰かがいなければ、どんな舞台も成り立たない。日本では長いあいだ、「支える仕事」が一段下に見られ、秘書も「偉い人の御用聞き」として扱われてきた。Nekonoteは、その見方を変えようとしている。
秘書は、経営者のビジネスパートナーである。秘書の動きが、ビジネスの未来を変える。同社はそう考えている。
同時に、雇用コストやインボイス制度により、人を抱えづらくなり、多くの一人社長が孤独に判断と責任を背負っている現状にも目を向ける。Nekonoteは、その隣に立つ存在でありたいとしている。
同社が掲げる言葉に、気配り、心配り、時配り、そして「未来配り」がある。目の前の業務をこなすだけではなく、経営者が次に進むための余白をつくる。その姿勢を表す言葉だ。
また、同社は働きがいをつくること、女性の活躍を現場から進めることにも取り組んでいる。秘書という仕事を、ただの作業代行ではなく、誇れる専門職へと高めていく。これも、Nekonoteが目指す社会の一部である。
原点にある、父の孤独
Nekonoteの事業には、代表者自身の個人的な原点がある。
代表者は、二代続いた小さな牛乳屋の娘だった。6年前、一人社長だった父が突然旅立ち、その会社を家族で畳んだ。父が最後に残した言葉は、「父ちゃん、独りぼっちだな」だったという。
もし、あのとき隣で支える誰かがいてくれたら。その悔いが、Nekonoteの原点になっている。
自分が経営者になって、初めて父の孤独がわかった。判断も責任も、すべて一人で背負う重さ。だからこそ、亡き父のような経営者に、この秘書サービスを届けたいという思いがある。
Nekonoteが提供しているのは、単なる業務代行ではない。経営者の隣に立ち、孤独な判断や責任を一人だけで抱え込ませないための仕組みである。
秘書の一手や存在が、ビジネスの未来を変える。同社はそう信じている。5年後、10年後には、鍛え抜かれたプロたちが、日本中のビジネスを裏舞台から静かに、力強く動かしている。Nekonoteが描くのは、そんな景色だ。




