ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU
ディップ株式会社

https://www.dip-net.co.jp/

〒106-6231東京都港区六本木3-2-1六本木グランドタワー31F

TEL:03-5114-1177

【大阪市立加美東小学校×バイトルKidsプログラム】このプログラムは子どもたちの一生を決める機会になるかもしれない

ステークホルダーVOICE 取引先
リンクをコピー
バイトルKidsプログラム
「バイトルKidsプログラム」は、ディップ株式会社が提供する子ども向けキャリア教育の職業体験プログラム(画像提供:ディップ株式会社)

「このプログラムは子どもたちの一生を決めるような機会になるかもしれない」。ディップ株式会社が提供する「バイトルKidsプログラム」の実施校の一つである大阪市立加美東小学校4年生学年主任(当時)の山口哲平さん。

今回は山口さんと、4年2組担任(当時)の久保田眞一さん、ICT担当の明石雅成さんに、バイトルKidsプログラムを担当した時の体験談を聞かせていただきました。

バイトルKidsプログラムとは?
ディップ株式会社が提供するキャリア教育の一環として、子どもたちがさまざまな職業の方たちに取材して職業体験につなげるプログラム。Day1(お仕事理解:企業の社員が自分の仕事についてオンライン授業)、Day2(仕事取材体験:小学生が企業に取材)、Day3(取材内容まとめ:将来どんな仕事・働き方をしたいか発表)の3回で実施される。

企業の生の声を聞ける貴重な機会

オンライン授業
多くの企業講師を招き、企業講師によるオンライン授業と子どもたちによる取材活動を行います(画像提供:ディップ株式会社)

バイトルKidsプログラムへ参加された経緯についてお聞かせください。

山口

本校は2年前からキャリア教育の推進を研究テーマとして取り組んでいました。

昨年度は、何かキャリア教育の推進に係るような面白い実践はないかと探していたところ、ディップ株式会社さんから「バイトルKidsプログラム」を紹介いただき、参加を決めました。

2021年11月24日・12月13日・12月22日に6年生、2022年2月17日・3月2日・3月10日に4年生で、オンライン形式でキャリア教育を実施しました。

プログラムの概要を聞いて、どのような印象を受けましたか?

久保田

子どもたちはプロの方から話を聞く機会は少ないので、各企業の生の声を聞くことができるということは、とても魅力的で面白そうだと感じました。

明石

純粋に、「やりたい」と思いました。私はインテリアメーカーにいた経験がありますので、働くということについて何らかのかたちで子どもたちに伝えたいと思っていました。

ちょうどコロナ禍で、オンラインで行うことにも慣れていたところでしたので、「CMのディップさん?」と、普通のミーハーな乗りですけれども、私自身、とても食い付きは良かったです(笑)。

生徒の取材企業の選定はどのようにされたのですか?

山口

どのような参加企業があるかを児童に先に簡単に説明しました。その上で自分がなりたい職業や興味があることに関連する企業のところに参加したらいいと希望を聞いて割り振っていきました。

どのような企業に人気が集まったのですか?

山口

やはり、花王株式会社さんのように、誰でも名前を知っている会社ですね。

また理科系が好きな子は天気予報士さんです。ファッションやアパレル関係が知りたい子は、靴とシューズの専門店の株式会社チヨダさんです。ゲーム好きな子はプログラミングの会社が人気でした。

知的好奇心をくすぐる企業の話、よく聞き、深く考え、質問をする生徒たち

体験型学習プログラム
子どもたちが興味を持った企業に直撃取材をして、学びと気づきを発表する体験型学習プログラム(画像提供:大阪市立加美東小学校)

子どもたちの取り組み姿勢はいかがでしたか?

久保田

かなり積極的でした。「もっと知りたい」という知的好奇心は、子どもたちの意欲に表れていたと思います。

これを聞いてみたい、あれを聞いてみたい、あれはどうなのだろうという疑問や質問は、とても多かったですね。大変興味を持って受けてくれていたと思っています。

DAY3の発表で児童さんたちが「パワーポイント」を使いこなしていて、とても驚きました。

山口

パワーポイントは今後絶対に必要になってくるので、プレゼンテーションツールの一つとして使い方を教えていこうと、バイトルKidsプログラムへの参加する以前から進めていたのです。

ICT担当の明石さんにも、週に1時間、必ずICTを使った授業を担当していただき、その中で紹介してもらっていました。

実際に少しやり方を教えると、子どもたちは自分でいろいろなやり方にチャレンジして進めていきます。得意な子は家に持ち帰り、パワーポイントで資料を作ってきたり、夏休み・冬休みの自由研究をパワーポイントで発表したりしていました。

バイトルKidsプログラムはひな型を用意してくれていたので、パワーポイントの操作に慣れている子がまとめる役、他の子たちが画像など必要な素材を探してくる役、原稿を作る役といったように、役割分担をして準備を進めていきました。

子どもたちが質問を考え、発表内容を作成していく中で、普段は見ることがない子どもたちの新たな一面はありましたか?

久保田

役割分担がうまくなりましたね。話し合い活動が進む中で、あまり意味がないような質問から、とても深いところを突いている質問まで、多様な質問が洗い出されていた印象があります。

最初は、どれくらいの数の質問が出るかと思っていた心配をよそに、こちら側が見るのも大変になるぐらい本当にたくさん質問を考えていたので、そこは素直にすごいと思いました。

企業さんの話をしっかりと聞いた上で、どんなことを聞こうかと、深く考えようとしていましたね。

特に印象に残っている質問はありますか?

久保田

やりがいについて突き詰めて聞いていました。

あとは誰の役に立っているか、小学校の勉強とつながりがあるのは何かということを、今の実生活に落とし込んで聞こうとしている子もいました。なるほどと思いましたね。そういった視点での質問はいい質問だったと思います。

ぶっつけ本番の発表会、思っていた以上に子どもたちは成長していた

プログラムに参加している子どもたち
「もっと知りたい」。その純粋な好奇心が学びの原点(画像提供:ディップ株式会社)

プログラムに参加して、子どもたちにどのような変化がありましたか?

山口

4年2組の子もそうだと思いますが、バイトルKidsプログラムがとても楽しかったと言う子がかなり多かったです。日程はかなり厳しく、DAY2からDAY3の間は4日間ぐらいしかなかったので、子どもたちの準備はかなり大変だったと思います。

それでも「しんどい」と言うことは全くありませんでした。準備時間が短い中でも「原稿は見ないでやる」とか「覚える」と言って一生懸命準備していました。皆、とても意欲を持って取り組んでくれていたと思います。

リハーサルの時間もなく、ぶっつけ本番での発表だったのですか?

山口

はい。パワーポイントの文字が間違っていないか見ただけですね。

パワーポイントを見ているだけではかなり不安だったのですが、実際にはパワーポイントに書いていないようなこともきちんと自分の言葉で話をしていたりとか、原稿を見ずに一生懸命話している子がいたりとか、思っていた以上に子どもたちは成長していたと思います。

企業人とつながる貴重な機会、教員にもメリットが大きい

バイトルKidsプログラム3
バイトルKidsプログラムは、学校の先生も児童たちとともに学びを深める機会(画像提供:大阪市立加美東小学校)

参加した先生ご自身に対する影響はありましたか?

明石

2学期に6年生、その後3学期に4年生で実施しました。オンラインなりのルールについては、やり慣れていくしかありませんので、私たちも勇気を持って取り組んでいきました。

例えば、端末等がうまく動かない時には触り過ぎず静かに待っていることなど、ちょっとしたことも慣れていかないと分からないものです。

その辺は子どもよりも大人のほうが慣れていないような感じはありました。

普段、当校はMicrosoft Teamsを使っていましたので、Zoomの扱いには慣れていませんでした。また、端末がプロジェクターとつながらないとか、音が出ないとか、いろいろなことがあったのですけれども、やりながら慣れていきました。

その後の子どもたちの反応がとてもいいので、頑張ったかいがありましたね。そういった意味では私たちのやりがいにもつながり良かったです。

保護者の方も、子どもたちが自宅に持ち帰ったパワーポイントのスライドを見たり、子どもが話したりしているのを聞いて、一人前の大人というか、会社員のような感じだったと、喜んでいました。

保護者から子どもが褒められるという波及効果もあったと思います。

山口

テレビ取材が入った影響はかなり大きかったです。「家で子どもと一緒にテレビ番組の放映を見ました」という保護者の声を聞きました。また、後日、ABCテレビで取り上げられるようです。

明石

子どもたちは講師の方の給料についてもストレートに聞くので面白かったですね。

日本はもっとお金の教育をしたほうがいいという流れもあるので、そういう意味では私たちも勉強になりましたが、子どもたちはいろいろと感じるものがあったのではないかと思います。

また、ディップさんが間に入ってくれることがとても大きいです。これまでも外部講師に来てもらうことはありましたが、どうコーディネートしていくかが課題になります。今回はディップさんが事前に打ち合わせしてくれていたので、ありがたかったですね。

山口

一般企業の方とつながる機会は、教員としてはなかなかありません。教員が思っている常識は、決して一般企業の常識ではありません。ずっと関わらずにいると、私たちは「これが当たり前」だと思ってしまいます。

外の世界の人たちと触れ合えるということは、私たちにとってもかなりプラスになります。教員以外との関係をつくることができて、とてもメリットが大きかったと思います。

久保田

このプログラムを受けて、子どもたちの好奇心をくすぐる学習が大事だと感じました。

子どもが身を乗り出して聞く、普段は見られないような姿。しっかりと質問を考える姿。これらは、知りたい、学びたい、経験したいという好奇心から生まれてくるということを実感しました。そういったことの重要性を再認識できたように思います。

企業と学校のウィンウィンの関係をつくり、事業を継続させたい

仕事MEMO
「お仕事取材ノート」のパワーポイント。子どもたちが自らパワーポイントを駆使してメモをとり、意見を集約して、ポイントをまとめて、気づきを発表する。プログラムを通じてロジカルシンキングなどの思考法やプレゼンテーション能力も磨かれる(画像提供:ディップ株式会社)

バイトルKidsプログラムに期待することや、ディップさんに向けたメッセージをお聞かせください。

山口

本年度も6年生で実施したいと思っています。理想を言うと、オンラインではなく直接お会いしてお話ができることが一番いいと思います。

しかしオンラインだからこそできるということもあると思います。いずれにしても、このプログラムを広めてくださることは、小学校としてはとてもありがたいことです。どんどん推進していってほしいと思います。

久保田

こうした貴重な機会をもっと増やしていけるような取り組みをしてほしいです。

参加企業がたくさん増えていった時に、私たちでは手が届かないような弁護士さんや検事さんたちの話も聞いて学習できるようになればと思っています。

大変貴重な経験をさせていただき、心からお礼を申し上げます。

明石

とても楽しく取り組むことができました。今後は、企業側により具体的なメリットがあるような、ウィンウィンの関係をつくっていければと思います。

ある企業さんは自分の仕事の振り返りができて、子どもにモチベーションを上げてもらい、あらためて仕事のやりがいを感じたという話をされていました。このように相互でメリットがある関係をうまくつくっていけば、継続して発展していけると思います。

今後の取り組みについてお伺いできますか?

山口

毎年実施するとしても子どもたちは初めて受けるのでマンネリ化はしないと思いますが、実施する側としてはより良くしていくために活用の仕方を考えていきたいと思っています。

6年生は、1学期に自分たちの興味がある職業について調べ、学習して、校内の研究授業で全教員に発表していました。その時に「皆、同じようなことを発表している」と感じました。

調べる媒体が同じインターネットや本なので、似たような情報になってしまうのです。これでは面白くないですよね。

今回、バイトルKidsプログラムで実際の生の声を聞くことで、インターネットでは得られない情報があったと思います。

今回新たに得た知識と経験をうまく活用して、自分たちが調べたことを再編成してみるなど、DAY3のプレゼンテーションだけではなく、もっと深みを持たせることができれば、さらに面白くなりそうですね。

日常生活の中に、自分の将来を決める出来事が散りばめられている

バイトルKidsプログラム4
自分の将来を決めるかもしれない大切な気づきを呼び覚ます仕掛けが、バイトルKidsのプログラムの中に散りばめられている(画像提供:大阪市立加美東小学校)

これからプログラムに参加する子どもたちへのメッセージをお願いします。

久保田

私たちが小学校の時は職業についての情報がほとんどありませんでした。

こういう機会を作っていただいて、企業から生の声を聞かせていただき、自分たちが疑問に思ったことをすぐに質問できる場を与えていただくということは、とても貴重だと感じました。

本当に貴重な経験だと思いますので、いろいろな好奇心を満たすような質問をどんどん考えて、次のプログラムを受けていってほしいです。

明石

これまでは、中卒、高卒、大卒といったタイミングでしか、こういう企業さんと話ができませんでした。

今回は、小学生のうちから1対1の人間として、大人扱いをしていただいて話ができる貴重な機会です。ぜひ思い切っていろいろな質問して学んでほしいと思います。

山口

DAY3の最後のまとめで子どもたちに話した内容と重複しますが、私自身も中学校の時の職場体験で保育園に行き、保育士さんと一緒に数日間を過ごしたのがきっかけで先生になりたいと思い、そこから先生を目指してここまできました。

本年度実施する6年生は12歳です。1年後、2年後に、自分の一生を決めるような出来事が起きるかもしれません。その機会が、バイトルKidsプログラムになるかもしれないのです。

この貴重な経験を、ただ楽しかったということで済ませないでください。日々の生活の中に、自分の将来を決めるような出来事が散りばめられているのです。その気持ちをもって、このバイトルKidsプログラムにも参加してほしいと思います。

◎基本情報
大阪市立加美東小学校
http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e751741
校長:奥雅裕
所在地:〒547-0002 大阪市平野区加美東5-9-25
TEL:06-6793-0725 FAX:06-6793-4175
開校:1977年4月

Tags

ライター:

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

タグ