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グランドシネマサンシャイン池袋、ちいかわ入場者特典横流し疑惑で声明 発端の炎上投稿は海外アカウントか

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グランドシネマサンシャイン池袋 公式X
画像出典:グランドシネマサンシャイン池袋 公式X

「彼氏がバイト先でもらった」。9月上旬、そんな軽い調子の書き込みが、よく似た文面のまま複数のアカウントからXへ相次いだ。公開中の『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の入場者特典を、劇場スタッフが横流ししているのではないか。

疑惑は瞬く間に拡散し、名指しされた東京・池袋の大型シネコン「グランドシネマサンシャイン池袋」は、9日に公式Xで異例の声明を出す事態に追い込まれた。だが投稿の発信元をたどると、話はそう単純ではないかもしれない。

 

「彼氏がバイト先で特典もらってる」酷似した投稿が複数アカウントから

事の発端は、8日ごろにX上へ相次いだ、よく似た複数の書き込みだった。ある匿名アカウントは「彼氏池袋の映画館で働いてるからセイレーンと島二郎めっちゃもらってわら」「捌きたいけどメルカリは目が厳しいからヤフーフリマ行きかな」と、公開中の『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の入場者特典を大量に入手し、フリマアプリで転売しようとする内容を発信。ほぼ同じ筋書きは、別のアカウントからも「セイレーンめっちゃあるらしくて一個くれた」といった形で投下されていた。

映画の入場者特典は、来場者一人につき一点が無料で配られる非売品である。それを劇場スタッフが職権で持ち出し、横流ししているのではないか。同一の文面が複数のアカウントから流れたことで、疑惑は特典目当てのファンの間に一気に広がっていった。

 

名指しは「別アカウント」から グランドシネマサンシャイン池袋が渦中に

施設名を実名で挙げたのは、これらとは別のアカウントだった。「彼氏が働いているのはグランドシネマサンシャイン池袋です。嘘でも何でもないので公開します」と池袋の大型シネコンを名指しし、「明日彼氏と一緒に謝りにいくので、これ以上のアンチコメントや嫌がらせはやめてください」と、当事者を装う投稿まで加わった。

具体名が出たことで疑惑は信憑性を帯びたかに見えた。だが裏を返せば、ほぼ同一の文面を複数の別アカウントがなぞっている時点で、投稿そのものの真偽に疑問符が付く展開でもあった。そして、この名指しを行ったアカウントこそ、のちに海外接続を指摘される当該アカウントである。

 

運営が公式Xで異例の声明「弁護士への相談を進めている」

騒動を受け、グランドシネマサンシャイン池袋の公式Xアカウントは9月9日午前、「SNS上の投稿に関する当社対応について」と題した声明を発表した。

声明によると、同社は拡散している投稿について事実関係の確認を進めるとともに、法的観点からの検討のため弁護士へ相談しているという。その上で、投稿内容が事実と確認された場合には社内規程等に基づき厳正に対処するとした。一方で、投稿が事実に反していた場合には、必要に応じて法的措置を含む適切な対応を取る構えも示している。

392万を超える表示を集めたこの声明は、疑惑を頭ごなしに否定するのでも、非を認めるのでもなく、双方の可能性を残したまま調査を優先する、抑制の効いた内容だった。

 

発信元は海外アカウントか、愉快犯を疑う声

事態を新たな局面へ動かしたのは、その名指しアカウントの素性を検証するユーザーの指摘だった。あるユーザーによれば、当該アカウントは今年3月の開設で、プロフィール上の所在地はドイツ、接続元も「アイルランドのAndroidアプリ」と表示されていたという。日本国内からの接続とは考えにくい状況である。

この点を踏まえ、接続偽装の可能性はあるにせよ日本からの投稿ではない、炎上でインプレッションやフォロワーを稼ぐ狙いの愉快犯ではないか、との見方が急速に広がった。同じユーザーは「グランドシネマサンシャイン池袋さんは無罪の率が高い」とも記しており、劇場をむしろ被害者と捉える論調も少なくない。同じ文面を複数のアカウントが投下していた点も、この見立てを後押しした。

 

曖昧な声明が招いた混乱、別の不満と混同する声も

もっとも、今回の声明には課題も残った。文中で問題の投稿が具体的に特定されていなかったため、「どの投稿の話か分からず意味不明」と戸惑う声が続出。日頃から取り沙汰されてきた売店の混雑やスタッフ対応への不満と、話を混同するユーザーも現れた。

こうした中、「これは映画館のマナーの話ではなく、入場者特典横領の疑いの件だ」とわざわざ補足するユーザーもいた。「入場特典に関わる疑義」の一言を添えるだけで誤解は避けられたはずだ、との指摘は的を射ている。名指しされた企業が沈黙を選べなかった以上、その声明にも正確さと具体性が求められるという教訓でもある。

真偽の見極めと、名指しされる側のリスク

一連の騒動は、SNS時代における告発の危うさを改めて突きつけた。非売品特典の横流しが事実であれば、劇場の信頼を揺るがす重大な問題であることは論をまたない。だがその一方で、出所の怪しい投稿が、しかもよく似た複数の書き込みという形で実在の企業名と結び付けられ、数百万人の目に触れる規模で拡散していく現実もまた、看過できない。

真偽が定まらないうちは、疑惑もまた疑惑にすぎない。名指しされた側が冷静に事実確認を進める姿勢を示した以上、受け手にもまた、飛びつく前に一歩立ち止まる冷静さが求められている。調査の結末がいずれに転ぶのか、静かに見守りたい。

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ライター:

女性向け雑誌にて取材・執筆及び編集に従事。独立後は、ライフスタイルやファッションを中心に、実体験や取材をもとにリアルな視点でトレンドを発信。読者が日々の生活をより豊かに楽しめるような記事を提供し続けていることがモットー。

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